2013年9月27日金曜日

本番の朝

今日は「古典」定期演奏会の本番だけど、いつもと変わらず洗濯をしたり朝食の用意をしながら、ふと思い出したことがある。それは今を去るうん十年前、ピアノトリオを組んで活動していた時期があった。メンバーはピアニストのOさん、チェロは芸大オーケストラのMさんとヴァイオリンは私。私の頭文字はYだから、3人の頭文字をとってYMOトリオと名付けると、あの有名なYMO(イエローマジックオーケストラ)と間違えて人が来てくれるかもしれないと冗談をいっていたがそれはさておき、長い間演奏会を重ねていた。その本番の日、私が「今朝洗濯をしていたら・・・」と話し始めるとOさんが「えー!本番の日に洗濯?考えられない」と言ったので、こちらが驚いた。だって、それならいつやるの?Oさんは超セレブ。三田に住んで家政婦さんがいたから「家政婦は三田」なんてだじゃれ、すいません。彼女は本番の日でなくても洗濯なんてしないでしょうよ。私は貧乏ガクタイだから毎日本番があって、どの日が特別の日と言うわけではなかったから、掃除も洗濯もその合間をぬってしなければならない。特に午後から舞台練習の時には午前中が空くから、今日のように見事に秋晴れの日は絶好の洗濯日和になる。たまった洗濯をエイッと干して気持ち良く出かける。夢を壊して申し訳ないけれど、音楽家だって生活者なのです。チェロのMさんは手先が器用で自分の事はなんでも自分でやるひとだから、たぶん彼もなにかしら家事はこなしていたと思う。お嬢様育ちのOさんは、結婚したときも家事はしなくて良いという条件だったそうで、芸術だけに埋没していればいいのだ。その後お子さんが生まれてからは、そうもいかなくなったみたいだけど。私は今夜は遅くなるからノラと家猫とに食事を与えたり忙しい。先日Oさんとピアノ5重奏を一緒に弾く機会があって、本当に久しぶりにアンサンブルを楽しんだ。お互いに環境は違っても一緒に弾けば、何ともなく心が通じることが音楽の良さだとしみじみ思う。







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