2025年3月10日月曜日

大雪の便り

雪の便りといっても遊びの情報ではなく危険信号。

北軽井沢の別荘の管理人から電話が来た。管理費未払いの請求かな?あるいは去年の秋に作った猫の家が雪で潰れた?いやいや、随分しっかりした家で、雪はあまりふらない北軽井沢ではびくともしないだろうし。

それは庭の道路に面した木が倒れそうという知らせだった。ここ数日の北軽にしては珍しいほどの積雪で、電線の上に張り出した木の枝が雪の重みで線に触れそうになっているらしい。危険だから東電に頼んで切ってもらわないといけない。それについては家の所有者からの依頼が必要なので私が電話しないといけないと。

そのことは気になっていた。去年末に庭木の伐採を頼んだ業者さんからも、来春に来たときに東電に知らせて切ってもらうようにと言われていた。電線に関する木の伐採は庭師さんでなく電力会社にお任せしないといけないらしい。電線の近くの仕事は危ないということで。

それでも毎年積雪量は少ないから冬でも来られますよという管理人さん。それが今年は異例の雪の多さでこういうことになった。今日あたり調査が入って次に行ったときはあの木はもうなくなっている。木を切るのは本意ではない。切られる木の悲鳴が聞こえるようで、心が騒ぐ。しかしあまりにも鬱蒼と茂っていたので家の周りだけ少し切らせてもらった。

私の前に家の所有者だったノンちゃんは自然にあるがままが好きだった。それで彼女が住んでいた10年間、木は伸々と葉を茂らせていたので、新芽の時期の庭は若葉色の海のようだった。それはそれは美しかった。私がここに住みたいと思ったのはそのせいだったかもしれない。しょっちゅう遊びに行って泊まらせてもらって、ヴァイオリンを弾いていたからノンちゃんはこの部屋に音楽が流れるのをよろこんでくれた。そして彼女は私をこの家の跡継ぎにと考えたのだと思う。

ある日一緒に中華料理のお店で食事をしていたとき、彼女が急に箸を置いて膝に手を揃えた。背筋を伸ばして「nekotamaさん、あの家買ってください」

びっくりしたしもとより買えるほどのお金の用意もなかった。でもいつかはこうなるだろうという覚悟はあったと思う。そういうときに私はものを、考えるのをやめてしまう。なんとかなるさ!そして家を私に譲ったあと、あっけなく彼女は天国へ旅立ってしまった。今でもノンちゃんの大好きだった庭の大木に手を合わせて「ありがとう、ノンちゃん」と事あるごとに感謝の気持ちを口にする。

暑い季節には北軽井沢の気温がありがたい。朝夕は下界より10度も低い。流石に昨今の気温上昇で日中は暑く感じることもあるけれど、都会のジメッとした暑さではないし、夕風が吹く頃には本当に快適になる。移住を模索していたけれど、ここ数年の体力と気力の低下が著しく断念した。けれど、思い切って引退し数ヶ月の無為の時間を過ごしているうちに、少しずつ気力を取り戻し始めた。

いつも痛かった膝が快方に向かい心の傷も癒えてきた。笑うことも忘れていたけれど、最近は声を上げて笑っている自分を発見する。ああ、笑っている。自分でびっくりしている。笑うとどんどん体調も良くなってきた。

今日はきれいな夕焼けが家々のシルエットの間から見えた。その温かい赤は戦争や山火事などの災害のそれでないことに心から感謝した。今もどこかで恐怖と飢えや寒さに苦しんでいる人たちがいることに心が痛む。他人の痛みにようやく思いやれるようになった。私は元気になりました。











2025年3月9日日曜日

部屋が寒い

 私はいつも家の中は過剰なほど暖かく設定された暖房で、ぬくぬくと暮らすのが好き。電気料金高騰の昨今、不経済だから倹約しないといけないのだけれど、あまり着るものもこだわらない、ケリーバックがほしいなんて野心もない、車も日産ノートでガソリン食わず、猫は野良猫あがりとまあ、それはそれは質素なのでなんとか生きていける。最近はお米すらちょっぴりしか食べない。野菜は葉とか茎とかまでかじり尽くす。

費用の殆どは暖かく暮らすために使っていたのに、最近の我が家は寒い。それは二匹の野良猫のうち、お兄ちゃん猫のグレのせいなのだ。妹ののんちゃんはすっかり家猫になって私を信用してきたけれど、あとからおずおずと我が家に滞在するようになったグレはまだまだ野生のまま。どれほど怖い思いを重ねて生きてきたのか。

部屋にはニコニコして入ってくるけれど、必ず逃げ道を確保しないと心配でいたたまらないらしい。必ず窓は開けたままでないと泣きわめき始める。グレの寝ている間にそおっと足を忍ばせて窓を締めに行く。しばらくすると眠っているはずのグレが頭を持ち上げて「ん?」と起き上がって偵察に行く。そこで窓が閉まっていると大騒ぎになる。開けないと開けるまで「開けて」アピールがうるさい。

きっと過去に家に閉じ込められていじめられた記憶が残っているのだろうと思うと、不憫でならない。かといってこのまま常に窓を開けておくわけにはいかない。とにかく寒いし不用心だし。強盗が入ってきても猫は役に立たない。そんなときは私は猫派から犬派になってしまおうかと思う。犬は役に立つけれど、猫はだめなので。猫は本当に役に立たないだけでなく、人を人とも思わないで使役する。

グレのためにどれほど窓を開けさせられ、寒い思いを我慢させられたことか。今年の気温が不安定で、考えられないほど温かいと思えば急に真冬の寒さになる。そういう日にはグレも寒いから室内にいたい。窓を閉めるなと言われてもヒュウヒュウ風が入るから私は我慢できない。真夜中に猫と人間のバトルは頂点を迎え、おちおち寝てもいられない。

夜中に窓が閉められないと最近の詐欺集団の強盗事件が怖いから、私はセコムの防犯ベルを手の届くところにおいてカーテンを時々開けては閉め、怪しげな行動になる。外から見たら我が家が一番怪しい。物音がすればスワッと起き上がって電気をつけて・・もう本当に疲れる。猫と強盗の被害が怖くて・・というのは言い訳で、実は老人性の睡眠障害なのかも。誰に遠慮することもなく夜通し起きていられるし、昼寝もほしいままでなんと気楽なことか。

この気楽が良くないと、最近体調が戻り体力が出てきたことで考え始めた。やはり人は社会の絆とともに生きていく動物だから、外に出て他人との接触が必要だなあと。暖かくなって猫たちが外で寝てくれれば私も泊りがけの外出ができると思う。近所の猫友にお願いしていけば餌は与えてもらえる。ベランダの段ボールベッドが2台、雨除け対策をしていけば猫も喜んで外で寝る。そうなったらまた海外にも行けるなんて。

海外、どこがいいかな。ヨーロッパは遠すぎるからアジア圏がいい。それより日本国内が一番無難だけど、どこもすでに行ったことがあって、目新しくない。結局グルメに走れば肥満対策に翻弄される。めんどくさい。家でごろ寝。猫と遊ぶ。これが至福のとき。一日が猫的時間で過ぎてゆく。







2025年3月3日月曜日

お雛様

 私の母は猛女でありました。我が子のためならどんなことでもやってのける。私を一年早く小学校にいれるために名簿に名前が載っていないから机の用意もない小学校に押しかけて、私を無理やり入学させてしまった。こんなひどいことも戦後まもない頃はできてしまったらしい。

私は本当は4月生まれなのに出生届は3月にして、それも一度は4月で届けたものを間違いでしたと訂正したらしい。そのへんのゴチャゴチャで入学時のすったもんだがあったらしい。

そんなことで私はその学年最年少、この頃の一年の差は非常に大きく低学年の頃は私はメソメソとよく泣いていた。この頃になると必ず思い出すこと。nekotamaにこれを書くのはもう3回目で、ちょうど今日のようなジメジメした寒い雨の日。

工作の授業で教材が配られた。石膏のお雛様の顔とその着物を作るための折り紙が配られた。紙の尖った部分に顔を糊付けして余った部分を着物の衿のように重ねていく。手先の不器用な私はすぐに手が糊でベトベトになり、真っ白な顔が汚れてしまい情けなさでいっぱいになった。

誰かしらに手伝ってもらえる家の中と違って、学校では誰もやってくれない。人生で味わったったはじめtの挫折かもしれない。そして今日は寒い雨の降る同じような日に確定申告用紙を郵送するために封筒に糊付けをして、相変わらず不器用なので封をするのに苦労していた。あの時と同じ、全く同じ。気分も手の動きも。

歴史は繰り返す。それでも自分の手から申告用紙が離れた途端、急に気分が良くなった。やれやれ。あんなに嫌だったのに、最後の方になったら少しおもしろくなってきた。毎日やっていれば慣れて簡単に思えるのでしょうね。年に一度だから領収書などを揃えるのがめんどくさい。あらかたどこかに遊びに出てしまっている書類を探すのに一番苦労する。

こんな面倒なこともマイナンバーにデータを入れれば、支払済か領収済みかすぐにわかるのでしょう。なんのためのマイナンバー?そこまで税務署でやってくれればいいのにと思う。そのくらいできるんじゃない?あとに家庭の事情だけ計算すればいいようにお膳立てくださればルンルン。年金額や保険料金、かかった治療費やなんかは役所で把握しているのだから、そこまで計算しておいてくれないかなあ、なんて夢でしょうか。













2025年3月2日日曜日

ホームコンサートのお陰でダイエット

とんだ出費!

ホームコンサートのキーキーガーガーと不気味な音が鳴り響く数時間は、ご近所の人たちの大迷惑になるにちがいない。でも50年以上に亘る私のヴァイオリンを聞かされていたご近所は、もはや驚かないか彼らの耳が遠くなっているかで、まあ苦情も来ないだろうと。そうは言っても、気になるからレッスン室の防音を強化することにした。

頼りない防音は最初に建てたときに施しているものの 、やはりかなり音が漏れる。いつも頼んでいるリフォーム業者Oさんに連絡をして来てもらった。特に昨今の闇バイトによる強盗事件の防犯対策も考えて、窓に多重構造の強化ガラスの窓を追加する。レッスン室はもともと二重窓になっているので更に強盗にはダブルパンチになろうというもの。その上にセコムのセンサーが効いているから防犯的にはバッチリ。しかし音はどこからともなく忍び込んで、ドアを通って出ていくらしい。

Oさんいわく「以前私が工事に来ていたときに大勢集まって練習していたでしょう。あのときは階段にまで音が漏れていましたよ」それではドアがいけないというので、ドアをスチールに変えることになった。私としては録音スタジオ級の分厚いドアが欲しくて建てるときにもそうお願いしたけれど、建築士がうんと言わないので諦めた。

そんなわけで今年も沢山おカネを使う羽目になった。もう私も数年の命、お金がなくなって食べられなくなったら、断食の修行に入ってお釈迦様と暮らそうと思っている。お釈迦様がうんとおっしゃるかは疑問だけど。ダイエットにもなるし。そんなわけで、今年も赤貧洗うがごときの軽やかな生活が送れそうで良かった良かった!

窓ガラスといえば、上の階に暮らしている人から窓ガラスがヒビ割れたと連絡があった。驚いて見に行くと、ベランダの出入り口のガラス戸に縦に亀裂が入っていた。しかしどこにも外からの打撃の跡がない。ヒビが入ったのはなにかで強く叩いたからと思って、一瞬強盗事件が頭をよぎったけれど、そうではなく自然にできた傷かと思える。

Oさんが言うには、それは熱による自然発生的なヒビだそうで、そうめずらしいことでもないらしい。この部屋は日中ずっと陽が当たっているのでかなり暑くなる。それなら今後の暑さ対策も必要、ひび割れ修理は不動産屋さんの保険が使えるらしい。ラッキー!

確定申告書の提出は明日の予定。四苦八苦しながらなんとか計算してみたけれど、多分またミスだらけ。でも仕事をやめるおかげで来年からは楽になる。今までは演奏の仕事、講師としての仕事、不動産の経費など、複雑に入り組んでいて本当に大変だった。毎年の経費の計算などもお手上げ状態。この季節は私にとって地獄だったけれど、来年からは助けてくれる人がいる。それだけでも世の中バラ色。単純なものです。

しかし好事魔多し、先日、胃カメラ呑んだら生体検査になり、その結果またまた一悶着かも。本当に退屈しない面白い老後なんだから。私は10年周期くらいで大病をすることになっている。今度は胃に来たかも。既往症は、腎臓、肝臓、心臓、そして今年は胃、そろそろ脳に来てもおかしくない。

脳といえば記憶を司る海馬の発達には幼少時代の睡眠量が影響するらしい。いまでこそショートスリーパーであるけれど子供の頃は一日10~14時間はくだらないロングスリーパーだった。その頃発達した海馬が今の私をかろうじて支えているらしい。

小学校の先生が皆に睡眠時間を訊ねたことがあった。私の睡眠時間を聞いてあきれていたことを覚えている。70年も前のことを覚えていられるくらいだから、私の海馬はその時代に巨大に発達したらしい。しかし大きくはあっても質が悪いのでたぶん駄馬に違いない。

そういえば最近長い事、馬に乗っていない。もはや鐙に足が届かず、届いたとしても鞍に自分の力で上る力はない。またがってしまえば走らせることはできるかもしれないのに。どんどん残念なことがふえていく。