私はいつも家の中は過剰なほど暖かく設定された暖房で、ぬくぬくと暮らすのが好き。電気料金高騰の昨今、不経済だから倹約しないといけないのだけれど、あまり着るものもこだわらない、ケリーバックがほしいなんて野心もない、車も日産ノートでガソリン食わず、猫は野良猫あがりとまあ、それはそれは質素なのでなんとか生きていける。最近はお米すらちょっぴりしか食べない。野菜は葉とか茎とかまでかじり尽くす。
費用の殆どは暖かく暮らすために使っていたのに、最近の我が家は寒い。それは二匹の野良猫のうち、お兄ちゃん猫のグレのせいなのだ。妹ののんちゃんはすっかり家猫になって私を信用してきたけれど、あとからおずおずと我が家に滞在するようになったグレはまだまだ野生のまま。どれほど怖い思いを重ねて生きてきたのか。
部屋にはニコニコして入ってくるけれど、必ず逃げ道を確保しないと心配でいたたまらないらしい。必ず窓は開けたままでないと泣きわめき始める。グレの寝ている間にそおっと足を忍ばせて窓を締めに行く。しばらくすると眠っているはずのグレが頭を持ち上げて「ん?」と起き上がって偵察に行く。そこで窓が閉まっていると大騒ぎになる。開けないと開けるまで「開けて」アピールがうるさい。
きっと過去に家に閉じ込められていじめられた記憶が残っているのだろうと思うと、不憫でならない。かといってこのまま常に窓を開けておくわけにはいかない。とにかく寒いし不用心だし。強盗が入ってきても猫は役に立たない。そんなときは私は猫派から犬派になってしまおうかと思う。犬は役に立つけれど、猫はだめなので。猫は本当に役に立たないだけでなく、人を人とも思わないで使役する。
グレのためにどれほど窓を開けさせられ、寒い思いを我慢させられたことか。今年の気温が不安定で、考えられないほど温かいと思えば急に真冬の寒さになる。そういう日にはグレも寒いから室内にいたい。窓を閉めるなと言われてもヒュウヒュウ風が入るから私は我慢できない。真夜中に猫と人間のバトルは頂点を迎え、おちおち寝てもいられない。
夜中に窓が閉められないと最近の詐欺集団の強盗事件が怖いから、私はセコムの防犯ベルを手の届くところにおいてカーテンを時々開けては閉め、怪しげな行動になる。外から見たら我が家が一番怪しい。物音がすればスワッと起き上がって電気をつけて・・もう本当に疲れる。猫と強盗の被害が怖くて・・というのは言い訳で、実は老人性の睡眠障害なのかも。誰に遠慮することもなく夜通し起きていられるし、昼寝もほしいままでなんと気楽なことか。
この気楽が良くないと、最近体調が戻り体力が出てきたことで考え始めた。やはり人は社会の絆とともに生きていく動物だから、外に出て他人との接触が必要だなあと。暖かくなって猫たちが外で寝てくれれば私も泊りがけの外出ができると思う。近所の猫友にお願いしていけば餌は与えてもらえる。ベランダの段ボールベッドが2台、雨除け対策をしていけば猫も喜んで外で寝る。そうなったらまた海外にも行けるなんて。
海外、どこがいいかな。ヨーロッパは遠すぎるからアジア圏がいい。それより日本国内が一番無難だけど、どこもすでに行ったことがあって、目新しくない。結局グルメに走れば肥満対策に翻弄される。めんどくさい。家でごろ寝。猫と遊ぶ。これが至福のとき。一日が猫的時間で過ぎてゆく。
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