2024年4月17日水曜日

春の四重奏

 富山県朝日町に春の四重奏を見に行った。聞きにではなく「見に」です。

アルプス山脈の雪の白、桜の桃色、菜の花の黄色、そしてチューリップの赤の四色で奏でるハーモニー。それが重なって一緒に見られるのが朝日町で新幹線の富山宇奈月温泉駅から車で約30分ほど。

前日は軽井沢のY子さんのマンションに泊めていただくことにして、夕方軽井沢到着。食事のあとすごく上手な整体師がマンションに来てくれたので施術してもらいぐっすりと眠ってしまったら、次の朝は目覚ましのアラームの音が聞こえないくらい熟睡した。

次の朝、軽井沢から富山宇奈月温泉駅まで約1時間20分、始発に乗って富山宇奈月温泉駅到着は8時55分。そこから富山県人のKさんの車でいざ出発。ちょうどその日が朝日町の桜の満開日だそうで道々あちこちに桜の群生が見られてのどかな田園風景と相まって眠気を誘う。晴れてはいるけれど薄く霞のかかったような天気模様で、すべてが平和。

北アルブスは雪で白く桜は満開ではあるけれど、手前にあるはずのチューリップはまだ咲き始めたばかり。畝ごとに色分けして植えてあるので、赤は咲いているけれど、他の色はまだ蕾が固く閉じられていた。ところどころ黄色が咲き始めている。これが一斉に開くということはなく、色ごとに時期によって咲いていたり散ってしまったりするらしい。それは植物だから訓練しても一斉に咲くということは無理なので、なるべく一緒に咲いている時期を狙うしかない。

しかし広い!空が全部見える。富山に来るといつでもそう思う。富山駅の周りは流石に高い建物があるけれど、郊外に出れば畑と海と山、人々の口調もどことなく雅で、先日高岡の市内を歩いていたら大伴家持の子孫に出会った。つれが「あ、大伴さんだ」と言うから素早く振り返ったけれど残念ながら見えなかった。家持の子孫だからといって特別なお顔でもあるまいが、でも見たいじゃないですか。

昔の北陸の漁港は賑わっていて、北海道まで魚を積んで行って昆布を引き換えに積んで帰ったそうだ。それで巨額の富を得た商人たちが、派手なお祭りの山車を寄贈して今日までまつりが残っているというわけ。新幹線が伸びて東京からも一直線で行ける。時間も短縮された。昔富山に行くのは飛行機が主だった。河川敷の飛行場に手に汗を握る着陸を楽しんだものだった。着陸地点の少し前の交差する道路に橋がかかっていて、飛行機の車輪が引っ掛かるのではないかといつもヒヤヒヤした。一度ならず、強風で着陸がやり直された。正しく着陸されるとホッとしたものだった。

だからといって怖いとは思わない。けっこう好きな空港の一つだった。新幹線の延長でその楽しみが一つ消えた。どうやら私は飛行機が非常に好きらしい。広島空港から飛び立って10分ほどで飛行機に落雷があったらしい。その後機体は激しく乱高下、それでもあまり怖いとは思わず読書に没頭していたことも。メキシコの黄色い飛行機「バナナ」滑走路に向かって斜めに傾きながら突っ込んでいく。車輪が滑走路に接触する直前でいきなりまっすぐに姿勢を正してドカンと着陸、笑いながら楽しんでいた。真冬の稚内、猛烈な吹雪の中で着陸するのもスリルまんてんだった。

怖いもの見たさの野次馬根性の持ち主なのに、のどかに花を愛でる様になってきたのは歳のせいなのか。今レッスン室はクリスマスローズの鉢植えで埋まっている。先日花郷園で買ってきたものの北軽井沢に行く時間がなかったので家に保管してある。床に新聞紙を敷いて鉢植えの花が20個、ベランダに出して日光浴をさせたり、水をやったり、よく見ているとコンディションがわかる。なかなか手がかかるけれど、可愛いものだと最近は植物にもハマりそう。

猫は絶好調、餌やトイレの習慣などが変わったら、数年前にはもう死ぬと思っていた百歳超えのヨボヨボ老猫が蘇った。すごい勢いで餌を食べ、あとから入った野良猫を威嚇し、その猫の食べ残しを食べる。これは予想だにしなかった。後ろ足を引きずりながらも野良を威嚇する貫禄はなかなかのもの。のらも賢くて威嚇されても私は今ここにいませんよみたいに空っとぼけて不動の姿勢をとる。両者ともにたいした役者なのだ。

春の四重奏を見たから来週から北軽井沢に大量のクリスマスローズを運んで庭作りを始めようと思う。野良は北軽井沢初逗留、果たしてうまく行けるかどうか、今からハラハラ・ドキドキしている。飛行機は怖くないけど、猫のご機嫌取りは怖い。果たしてうまくいくだろうか。














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