2024年4月4日木曜日

クリスマスローズ

 府中にクリスマスローズの栽培で有名な農場があると聞いて、一度は行ってみたいとおもっていた。花郷園という。

www.kagoen.co

北軽井沢の殺風景な庭はやたらとだだっ広く、厳しい気象条件で花を植えればすぐ枯れる。なにを持ってきても根付かない。落ち葉のフカフカとした堆積は腐葉土のようでいかにも植物に良いようでいて、ある種の植物に良くても他の植物は受け付けない。本当に手の焼ける地面でやっとビオラやパンジーのスミレ類がショボショボと年を越してくれる。私のような非力なものはスコップで数か所穴をほっただけで息が上がってしまう。去年から今年の冬はあちらで越冬するつもりだったけれど、諸般の事情でできずにいたから一体庭がどうなっているかは考えるだけで恐ろしい。

昨日やっと体調も回復の兆し、雨がしょぼ降る中、車を走らせて府中へ出かけた。道路沿いに温室がならんでいる。建物に近づいて中を覗いても閑散として、呼びかけても返事がない。漱石の「道草」の冒頭を思い出した。

しばらく彷徨いていると別棟から女性が現れた。見るとホームページに載っていた花郷園の社長さんだった。髪の毛を後ろに束ね、化粧気がないけれど美しいお顔。スラリと背が高い。北軽井沢の気象条件や日照時間、季節の変化環境などを話して庭の写真を見せると、本当にぴったりの条件でクリスマスローズに適していると。

どこにでもへそ曲がりはいる。花の世界での変わり者はクリスマスローズ、ほったらかしにしても気温の変化も耐えられる、多年草で丈夫、冬の雪の下でも枯れかけても春には生き返る。しかも花は多彩で様々な色の変化が見られる。まさに無精者のためにあるような花なのだ。非常に生命力が強いのでほったらかしにしてもどんどん繁殖するそうで、しかもこの農園のクリスマスローズはそこいらへんの園芸店においてあるものとは雲泥の差、茎が太くまっすぐにしっかりと立っている。

たまたま即売会のイべントが終わったあとで、あまり残ってはいないけれど、その時の値段で譲ってもらえるとのことだった。ラッキー!!あれもこれも欲しいけれど数年経って庭中がクリスマスローズになってきたときに押し合いへし合いにならないように、少し間合いを取って植えるようにとアドバイスを貰った。

車に積むと座席は全部埋まって、これで二匹の猫を連れて行けるのかと心配になってきた。二匹は仲が悪いからケージは2つ、どうやって載せられるか頭が痛い。乗用車でなく軽トラックを買えばよかった。

不思議なことにクリスマスローズは親株から発生した次世代株が親の花とは異なる花が咲くらしい。中にはバラかと見紛う華やかなものから可憐なすみれのようなものもある。

らしいというのは私はまだこの花を育てた経験がないからで、なんという親子関係なのかと不思議に思う。
動物なら大きな馬からネズミは生まれないでしょうに。
とにかく丈夫でたくましいらしい。
形も色も様々で寒さに強い。
雪の中で隠れていた根っこを掘り起こしてみると再生するらしい。
最近やっと植物にも興味が湧いてきた。今までは動物は可愛いけれど植物はちょっと苦手だったけれど。
様々な性格の植物があって世界中に花が咲く。
植物は平和そうに見えるけれど本当はかなり策略家で獰猛なものもいる。
それが動物とも重なるところが面白い。













0 件のコメント:

コメントを投稿