2時間後につかえなくなります・・・って?どなた?あなたは。
それで「ちょうどよかったわ、詐欺の電話がかかってこなくなって」と言ったらものも言わずガチャンと! 失礼ね、お邪魔しましたくらい言えないの?
この手の詐欺が流行りだしてからどのくらいの時間が過ぎたのだろうか。それでもなお騙される人が後を絶たないというのはある意味平和だなと思う。払えるだけのお金があるということでしょう。その詐欺のセリフにも流行り廃りがあるようで、一時期のオレオレ詐欺はもう流行らないかも。
うちには本当によくかかってきていたけれど、私はもう死んだことになっているのではと思うくらい最近は電話がない。久しぶりにかかってきたのが先程の電話。情報が売られていて高齢の少しボケ始めた女性は良いターゲットとして名簿にのっているらしい。
以前、あなたの口座に振込がありましたという偽メールがあった。郵便局に行ったついでに「本当に振り込まれてるの?」と訊いたら窓口のお兄さんは非常に不機嫌で「ありません」とにべもない。しょっちゅうこんな問い合わせが来るのでしょうね。儚く消えた私の夢の残念さをどこに持っていったらいいのか。
しかし、こんなふうに四六時中悪さを考える人生ってどんなことなのかと、泥沼にハマった人たちを多少気の毒にも思う。許されることではないと本当は眠れぬ夜を過ごしているのではないかと。結局捕まってしまうか悪事がやめられなくて冥い人生を送って、家族や子孫にも誇りを持って語れないまま死んでいくの?どこの曲がり角で曲がる方向を間違えたのか。
オレオレ詐欺全盛の頃、若い男性からかかってきた。「あのよお、俺今ムサコにいるんだけどさあ」「誰?あっちゃん?」あっちゃんは甥の名前だけど、そのときはもう亡くなってしまったからそうであるはずはない。「そうだよ、ムサコに仕事できていて」「そのムサコってどこ?」「武蔵小杉だよ」武蔵小杉は当時住みたい街の上位にランクする人気の街だった。
「ふーん、武蔵小杉で何してるの」「仕事だよ仕事」「それで?」「今休み時間になってさ・・云々」そろそろバカバカしくなってきたので終わらせようと「あのね、私の家族にあのようなんていう言い方をする子はいないからあっちゃんではないわね。悪いことをするのはやめなさい」と言うと驚いたことに電話を切ろうともせずに話を続けたがる。この子は詐欺師というより寂しいのではと思ったことがあった。もうバレているというのに。もしかしたら寂しくて悪事に走るということだったのかもしれない。
ある時区役所のなんとか係からの電話。多く支払いすぎの保険金が戻ってきますので銀行のATMに行ってくださいと。そこで係員がお待ちしていますので指示に従ってお金をお受け取りくださいと。
支払えと言うならともかく、戻すなら私の口座に入金すればいいだけの話。なんでATMなの?ややこしいお婆さんだと相手は手こずったらしい。しかも私の家に一番近い銀行でなく隣町のご指定。いやよ、そんなとこまで行くのはとダダを捏ねてみたらどうしてもそこでないといけないらしい。区役所の職員がわざわざ役所から抜け出して、お勤めご苦労さんと言いたくなる。しかし、もう少し賢い筋書きを考えたらどうかしらね。脚本が悪すぎる。
私が自分を幸運だと感じるのは、自分が本当に好きなものを持っているということだと思う。下手くそだったからそれはそれは大変だったけれど、その大変なことに向かって努力するのは、好きなことを繰り返し練習するということなので、本当に辛いわけではない。長時間の練習に耐えるのは嫌いだったら地獄だけれど、好きなことなら夢中になって時間が過ぎてしまう。
悪事に加担する人たちは、なにをやっていいかわからないのではと思う。自分が本当に好きなことがあれば、それに向かってどんな努力もできる。なければさてね?私は何をやっていただろうか。
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