2021年4月16日金曜日

家開き

 今回北軽井沢に来た目的は、夏に備えて家を整えること。去年12月に水抜きをして必要ないブレーカーを落とす。春になるとヒーターを通して水道管が凍らないようにしてから水を出す。これを毎年しなければならないのだ。

私が自分でするわけではないので管理業者に依頼しなければならない。春になったらベランダの工事をしてもらうので電源を落とさないように業者に頼んでおいたのに、彼らは自分流でやりたいので時々困ったことになる。今回も切らないでこのままにしておいてと頼んでおいたブレーカーを落としてしまったらしく、北軽井沢用のパソコンが過放電で2日間ご機嫌が悪かった。ノンちゃんの家のブレーカーはそれぞれ細かく別れていて、床暖房も寝室、リビング、キッチンなど細かく別れていて、それぞれ独立してON/OFができる。ちんぷんかんぷんで私には荷が重い。

お風呂の夜間電力利用のヒーターも故障と言われて撤去して灯油のヒーターに変えたりもしたけれど、それも怪しい。私は何も知らないので騙されやすい。ノンちゃんから引き継いだこの家もすでに3年経って、自分流に改装してきた。リビングとキッチンの境にある大きな作り付けの食器戸棚は、ずっと私の悩みのタネだった。これは明らかに設計者のミスだと思うけれど、シンクと食器戸棚の間の通路が人がすれ違えないほど狭い。しかも戸棚の扉は直角にしか開かないし戸棚が大きすぎるので扉も大きく、扉を開けるとそれで通路が塞がれてしまう。その上丈も高すぎて、部屋の真ん中に要塞のようにそびえる。そのため空気の流れが遮断される。

遊びに来た人たちはここで空気が止まりますねと言う。鬱陶しい存在だった。それを撤去して新しい食器戸棚に変えたら見違えるようなスッキリした部屋になった。あとはいらないソファを片付けないといけない。

ノンちゃんはなんでもしっかりとした重厚なものが好きだった。食器も家具もなんでも上等なものが揃っていたのに私は軽い物が好き。食器は軽くて手のひらで包めるようなものとか着るものも薄くて締め付けられないものが良い。今まであった食器戸棚は小柄な私には丈が高すぎて使いにくかった。

ソファは布製の上等なものだけれど、この家に置くには大きすぎる。電子ピアノを入れたのでソファは行き場所を失った。私はこのソファに横になって森の木々を見るのが好きだった。けれど非力な私には重たい家具は負担になる。それで貰い手を探している最中なのだ。ノンちゃんは全部のものを私に残してくれたけれど、体格と性格が違うのでいくつかのものは処分するはめになった。

今日来た電気屋さんは本当に有能で、テキパキと食器棚の配線を終えた。見ているだけで手順の良さがわかる。あっという間に配線を終えた。その後ベランダを広げる工事を頼んでいた工務店から人が来て基礎工事が終了。どうやらゴールデンウイークまでには広くなったベランダでお茶が飲める。こうして着々と私が田舎で暮らす準備が出来上がっていく。余生は森の中で過ごす準備はできたけれど、肝心の私がだいぶ弱ってきている。肝心の足が又痛くなってきたのだ。一時期良くなって来たのでこれで安心と思っていたけれど、どうもそう甘い状態ではないらしい。せめて病名がわかれば治療のしようがあるけれど、原因不明なのが困りもの。

管理人さんに挨拶に行って訊いてみた。冬も暮らしたいけれどどうかしら?

するとグレイヘアーの上品な管理人さんは「私はずっとここに暮らしていますよ。冬は冬で景色が全く変わって本当にきれいですよ。降雪量もそれほどないし、大丈夫ですよ」彼女は私より少し若いかもしれないけれど、片道30分ほどの道を車で通って来ているそうで、彼女に暮らしのことを教わればあるいは可能かなと思っている。今回も森には全く人影がなく、夏の準備のための工事人が働いているだけ。これで冬の寒い時期、本当に寂しいだろうなと思う。それに耐えられるだけの精神力はあるだろうか。吹雪の夜に雪女が出たらどうしよう。














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