2013年8月13日火曜日

4つのヴァイオリン

9月27日古典音楽協会の定期演奏会でヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのためのコンチェルトを弾く。今日このコンチェルトのソロを弾く4人が集まって練習が始まった。まだ一月以上先の事なので気分はノンビリ。チェロにもお付き合い頂いて通奏低音を弾いてもらう。我が家の狭いレッスン室ではお互いの息遣いまで聞こえるが、広い練習場やステージではそうはいかなくなる。4人4様の演奏のどこで妥協するか、接点を見いだすか、その辺は駆け引きとなる。私は第2ヴァイオリンのソロを受け持つ。性格的にお山の大将だから言いたい放題、テンポも好きなだけ速くしたい。それに対して第1ヴァイオリンは慎重にじっくりと曲を作り上げていく。第3ヴァイオリンはガッチリと弾きたいほう。第4ヴァイオリンは均整の取れたオーソドックスな演奏。となると、異端児はやはり私なのか。すごく枠にはまるのを嫌うのと、以前イ・ムジチ合奏団のサブコンマスやフランス国立オーケストラのコンマスと一緒に弾いたり、ミュンヘン、ベルリンフィルのトップメンバーや日本人でも国際的な活躍をしている人達との共演も多かったので、彼らの演奏が非常に個性的かつダイナミックであることを身をもって感じていた。その印象が強くてどうしてもおとなしくしていられない。「古典」の整然とした演奏とは油絵と水墨画ほども違う。それで皆の鼻面をもって引きずり回す結果となる。それを穏やかに受け入れてくれるのが「古典」の人達で、ほとんどの団体で3年以上は所属していられなかったのに、「古典」だけはもう30年?続いていると思う。非常にきちんとしたゆっくり目のテンポでいきたいコンマスの角道氏の隣で制御されながら、じゃじゃ馬ならぬじゃじゃ猫はここまで続けてこられた。たぶん好き勝手にやらせてもらえていたらわがまま放題になって、こんなに長くは続けてこられなかっただろうと思う。人間少し枠があったほうがいいらしい。初めは意見も衝突してみんないらいらするが、回を重ねる毎に自然と練れてきて、一つのものになっていく。その過程が楽しい。





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