2013年8月4日日曜日

お花火大会

「うちのベランダから花火がみえるからいらっしゃい」というお誘いを受けて土曜日に成増まで出かけた。地下鉄成増から5分ほどのすてきなマンションの5階に住む独身女性。4LDKもある一人住まいには広すぎると思われる素晴らしいマンションに7人の遊び仲間が集まって、花火開始の1時間前から飲み始めた。まずシャンパンで乾杯した後は、一気に酒盛りに入る。けれど私は最近とんと不調法になって、アルコールが飲めなくなってきたのでノンアルコールのビールでお付き合いする。マンションの中を見せてというと、ドアが閉まっているところは全部だめ!と見せてくれない。一体なにが入っているのかなあ。私も自宅はレッスン室以外の猫部屋は絶対人には見せられないけれど。花火は7時に打ち上げられるのでそれまでには皆すっかり盛り上がって、うっかり最初の花火を見逃すところだった。都内と埼玉県側の戸田の花火が同時に川を挟んで打ち上げられるとあって、直下で見たらさぞ迫力があるかと思うが、現場に行ったらものすごい混雑の中で雨の心配などしながら見るのはつらい。こうして室内で悠々とお酒を飲んで美味しい物を食べて見られるのは本当に贅沢なこと。我が家では毎年家の前の桜を愛でながらのお花見大会が開かれる。こちらはお花火大会。今回のオーナーは化学者だからお料理が上手い。計量カップを使って調味料を計るのは仕事柄ちっとも苦にならないそうだから、味は安定していてすごく美味しい。私は大雑把な性格の上、「野生の勘」がたよりだから、日によってとてつもなく出来不出来がある。安定した気分の時はそれほどまずくはないのに、お客様だと緊張して余計な手を加えて失敗することが多々ある。さて、花火のクライマックスは色とりどり形も様々で見事な盛り上がりで感動した。火薬の調合でこれほどの造形が生み出されるのが不思議。しかも一回こっきりのアートに惜しげもなく全精力をかける、花火師は演奏家と同じ一発勝負。入念な準備の末に打ち上げて、雨や風に邪魔されて無念の涙を流す事もあるだろう。今年の隅田川花火大会は大雨で大量の上げ残しが出たそうだ。大損害を被ったと思ったが、そのための保険もあるそうで金銭的には損害はないらしい。それでも1年かけての準備が水の泡となって、どれほどがっかりしたことかと同情する。夜も更けてオーナーは酔いつぶれて居眠りを始めた。私が「もう終電がなくなるわよ」と言うとびっくりして目をさます。最後に恩知らずにも脅かしてから帰る誘惑には勝てなかった。

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