2013年8月8日木曜日

早速ですがエピソード

昨日の話で私的に1番受けたのは、魚板のはなし。
黛敏郎さんの曲でパーカッションに魚板が必要になった。魚板とは魚の形をした板で中がくりぬいてあって、寺を訪れた人が謂わば呼び鈴として叩いたものだそうで、そんな物は永平寺くらいにしかなくて借りるのは不可能。それでステージマネージャが考えた。まな板に魚の絵を描いて奏者に渡した。叩く方はお客さんにまな板を見せるのが恥ずかしくて、叩くとすぐに引っ込めてあまり見せないようにしたそうだが、こともあろうにそのお客さんに見える方に魚の骨がいたずら描きしてあったらしい。

ある指揮者はいつも指揮棒を持ってこないでパーカッションの処に行ってはスティックを借りる。それでいたずらな人があるとき重たい鉄のパイプを渡したので、指揮者は腕が疲れて振れなくなってしまった。

秋田での仕事の時。本番まえに街でみつけた鼻眼鏡。ごていねいにちょび髭までついていた。大量に買い込んでみんなに渡して笑い転げていた。さて本番。謹厳実直の見本のような顔をした秋山和慶氏。1曲目を振りだしてしばらくすると、自分の眼鏡をはずす。なにをするのかと思ったらさっきの鼻眼鏡を掛けた。指揮者はお客さんに背中を向けているから客席には気がつかれない。しかし演奏している私たちはもう吹き出しそうになるのをこらえるのに必死だった。ちなみに秋山氏、顔とは正反対、いたずらばかりしていた。

真冬の旭川でトビリシバレエ団の公演があった。バスでの移動の時、オケのメンバーの乗ったバスのヒーターが故障。あっというまに車内の窓という窓は氷の結晶で覆われた。とにかく運転手の視界は確保しなければならないから、皆で10センチ四方くらいの部分を手で暖めたりライターであぶったりしてようやく氷を溶かしながら走った。地吹雪と空からの吹雪の中バスは猛烈な勢いで走る。その中で対向車のナンバーが奇数か偶数か運転手と賭けていた大馬鹿者がいた。それは、うふふ、面目ない。このnekotamaでした。

オケマンに愛されていた指揮者のやまだかずお、通称ヤマカズさん。練習時間が足りなくて繰り返しの打ち合わせが間に合わない。それで「私がハンカチを出したらコーダに飛んで下さい」と言って本番が始まった。途中で汗を拭こうとヤマカズさんがハンカチを取り出すと・・・あっという間に曲が終わってしまった。

大指揮者朝比奈隆氏。お年を召してからは手が思うように動かなくなってだんだん遅くなってしまう。「僕を見ないで。僕に合わせないでよー」と叫んでいらした。じゃあ一体どこに合わせりゃ良いの?

本人の名誉のために名前は伏せるが、ご本人が故郷に錦を飾る演奏会。ベートーヴェンのシンフォニーで最後をふり間違えて早く終ってしまった。でも曲はあと数小節残っている。素直に指揮者に合わせてやめた人、まだ残っているからと律儀に弾いた人、弾いたのに驚いて指揮者が又振る、それで弾く人弾かない人、もうグッチャグチャ。残念!













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