2013年8月24日土曜日

武道館にて

昼頃、日テレ24時間テレビのリハーサルで武道館集合。会場では着々と準備が整って、次々にリハーサルがこなされていく。かつてのテレビや映画界は時間が延びるのは当たり前みたいな所があったけれど、最近は手慣れてきてどんどん進んでいく。リニューアルされた方ではなく最初に制作された映画「砂の器」の撮影にオーケストラで参加した時に、あまりの不思議な時間の使い方にびっくりしたことがあった。芝居が時系列で進まず、あちらこちらと飛び飛びに撮影されるので、パッチワークを作っているのを見るようだった。同じような設定の場面を集中して撮るものだから、それに関係のない出演者は待ち時間がえらく長い。撮影現場はたしか埼玉会館だったと思うが、待つのにウンザリして次からは楽屋にガスコンロを持ち込んで鍋料理を食べたりしていた。見つかったら叱られるからおとなしくしていたけれど、鼻のいい管理人だったら、においでばれる。気が付いていてもお目こぼししてもらったのか、そのへんはよくわからない。テレビの音楽番組でもかつてはスコアの読めないディレクターが多かったからカメラが楽器を追えなくて、休んでいるほかの楽器を延々写して何回も取り直しがあって、気がつくと夜が明けていたこともあった。そんなテレビも映画も手探りの時代から仕事をしていたので、今の人達の要領の良い仕事は驚き。機材も録画技術もかつてとは雲泥の差で、どんどん支障なく進んでいく。武道館で私たちが板付いているのは正面の大きなスクリーンの裏側で、遮られて画面には映らないけれど、薄暗い譜面灯の下で真面目に仕事をしている。意地悪な週刊誌がこの手の番組の悪口を言うけれど、こういうイベントがあって若い子達が司会の「嵐」なんかに惹かれてくるにせよ、時には人の姿に感動して自分も頑張ってみようと思えたら良いのでは。若者がけっこう一生懸命生きているのが今の日本だと思っている。私たちの出番は明日午後から終了まで。マラソンランナーが無事到着すれば定時でお開き。遅れると到着までお付き合いする。待つのも仕事なので。



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