2010年11月5日金曜日

月例 弾く会

毎月ピアニスト集団に混じって演奏する月一回の怖い日。なんだってピアニストという人種はこう真面目なのか。ベートーヴェンの後期のソナタに真っ向から挑戦して、ものにしてくる。私はといえば、一向に進歩のないバッハ。今日はパルティータ2番・・・の途中まで。チベットで少し体調を崩したと言い訳しながら、もそもそと弾き始めてみると、さすがに曲が素晴らしいので興にのってきた。こんなことなら、全曲弾くんだったな、なんてちょっぴり後悔する。間に合わなかったくせに。それはさておき、ピアノという楽器は一人でオーケストラができる。ヴァイオリンその他の弦楽器、管楽器は、もちろん無伴奏もあるが、曲が少ない。一つの曲として成り立つのには、どうしても伴奏がいる。ピアノはコンチェルトでない限り、それ自身で完成される。それが羨ましい。なんとなく、みんなの演奏を聴いているうちに、そうか、ピアノ弾いてみたいな、と思った。私のピアノは可哀想に、ピアニストが来た時だけしか弾いてもらえない。実はある調律師の渾身の作品で、フレーム(と言っていいのだろうか)要するに周りの黒い木の部分はヤマハの古ーいピアノをもらってきて、それにベヒシュタイン、ヤマハなどの倉庫に眠っている部品を組み合わせ、ピカピカに磨いてくれたもの。みごとに蘇って我が家にお輿入れ。柔らかい素敵な音がする。高校生まではピアノもずいぶん弾いたけれど、大学になるとそれどころではなくヴァイオリンに邁進して、卒業すれば忙しいオーケストラでピアノどころではない。それからウン十年、生徒の簡単な伴奏をつかえながら弾くだけだった。なんかピアノもいいな。若い頃のようにはいかなくても、少しずつ弾いてみよう。でも、楽譜は散逸して又取り寄せねばならない。うちのピアノも泣いて喜ぶに違いないと思って、帰宅して顔を見たら、白い歯を剥きだして「おかえりなさい」とニヤリとした。おや、ところどころ、黒いのは虫歯?タバコのヤニ?

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