2023年6月23日金曜日

潜水艇タイタン

潜水艇タイタンは酸素保有の期限が切れておそらく内部では生存者は絶望のうちになくなったと思うと、その恐怖や後悔など計り知れない。私は狭いところは苦手だし、海はもっと苦手。なぜかというと底しれない深さがこわい。それがある時期にスキューバダイビングを やっていたのだから「好奇心が猫を殺す」の諺通り。

私は好奇心は旺盛でも臆病者だから決して安全が約束されていないものには関わらない。普通の人はたいていそうだと思うけれど、世の中に冒険家という人は数しれず、体力気力ともに恵まれていれば私でもそうなったかもしれない。まして大富豪にもなったというような人は並外れた気力の持ち主で経済力があってなんでも欲望が叶うなら、世の中に自分の勇気を知らしめたいと思うに違いない。

あいにく私は体力も気力も、まして経済力もないし、世間に認められたいというような野心もないから君子危うきに近寄らず。君子?でもないし。臆病であることはある意味生き残りの勝者かも。かつてアラスカからの帰路の途中、飛行機上から真っ白な大地を眺めていた。そこはマッキンリー(最近は名前がかわったようだけど)に挑んで雪の大地で消息を断った日本人の冒険家植村直己さんが消息を断ったところだった。こんなところでただ一人ブリザードに行く手を遮られながら進んだ彼の気持ちはなんだったのかと感慨にふけった。

しばらくして私はスキューバダイビングをやめた。あの重たいボンベを背負いながら足びれを履いたりするのもできないし、私のようになにかに気を取られると他のことに注意がいかなくなることなど、決定的にこのスポーツは自分に向いていないと思ったからで。でもほんの数年でも海の中の美しい景色をこの目で見られたということが素晴らしい思い出になっている。

そして今報道番組で知ったのは、米海軍の報道によれば、タイタンは出航して数時間で爆発してしまったらしいということ。それを聞いて正直な思いは「乗船者の苦しみの時間が少なくてよかった」ということ。刻々と酸素が切れる時間が迫っていたらパニックどころの気持ちではない。私なら気が狂う。戦体は硬いチタンという金属でできているらしい。硬い分、金属疲労があれば粉々になりやすい。内部からの圧力によって爆発、圧力室の壊滅的な喪失が原因だそうでおそらく粉々になったから生存者は絶望的だという。

船体のガラス窓は1300メートルまでしかテストがされていない。ここ3年間なんのメンテナンスもされていないというから、よくそんなものに乗っていくものだと思う。勇気があるというより蛮勇というほうが当てはまる。その辺を確認しなかったのだろうか。乗船者の中に宇宙に行った人がいれば、この次は深海へというのが当然の欲望かとも。しかし学術的な目的ならばまだ許されても、自分がそういうことをして勇敢さや好奇心を世の中に示したいという気持ちであればはた迷惑なこと。

自分の人生自分で決めるさと言われれば、まあ、どうぞと言うけれど、安全に安全を重ねての冒険でなければ無鉄砲ではた迷惑と言わざるを得ない。

スキューバダイビングによる事故は大変多いらしい。あまり報道されないので知らないけれど、日本でもトップクラスのあるセーバーから聞いた情報なので間違いはないと思う。その彼は、スポーツクラブの指導者たちの安全意識の少なさに呆れると言っていた。どうしたらいいでしょうと泣きながら電話してくる指導者がいるとか。「とにかく助けろ」と言うのは当然のことだけれど。おお、こわ!

私は海が怖い。青くどこまでも広がる海は素敵だが、もう中に入る気はない。でも時々あの美しい海中の景色を夢に見る。









2023年6月18日日曜日

悪いことは無視したいけど

 このところ投稿が滞っているのは書くと不愉快になることばかり。なに、私は逆境に強いからめげているわけではないけれど、やはりめげているのかな。大谷翔平くんのコメントはいつも「・・・かなと思います」と締めくくるのが面白い。彼の性格は一見明るそうだけれど、あれだけの技術持ち主でも裏に隠れた気弱さみたいなものが感じられると書いたら世界中から袋叩きになりそう。暗殺されるかも。

高みに上った者は孤独の罰を受けると言うけれど、彼の場合は周りからのサポートがすごいから耐えていけるのかもしれない。けれど笑った顔を見ると少年のよう。どちらにしても野球に興味はないので世界中から注目される大谷くんに頑張ってと密かにエールを送るとしても、東洋の片隅に住む魔女の私としてはあんなに騒ぐものではないとマスコミに多少苦い思いを感じる。ダルビッシュだって高校時代、隠れてタバコを吸っていて「悪ビッシュ」なんて言われていた。最近すっかりおとなになった彼を見て「苦労多かったんじゃない?」と声をかけたくなった。

「かな」という言い方は「?」でしょう。少し逃げているというか・・技術も人格も正しさを求められているのは可哀想。技術さえ凄ければ人格なんて多少破綻していても許されるのではと思うのは、人格の正しさまで求められては人間破綻するのでは?という危惧を感じるからで、一度でも彼に問題が生じたら寄ってたかってたたきのめすのがマスコミはじめ世間の怖さ。あそこまで偉大な記録を残せばもういいのでは?と思うけれど、これからも記録を伸ばして世界中の称賛を集めて素晴らしい人生を送ってほしい。

かくいう私はこのところ不調続き。もう私の年でこれだけ健康ならば良しとしなければと思うものの、そこは大谷くんと同じ完璧を目指したいので頑張っている。膝の痛みは消滅した。階段もやっと縦に降りられるようになった。ただし条件付きで手すりがないと怖い。逆流性胃炎も少食に徹していたらようやく収まってきた。けれど今までのように好きなものを食べたいだけ食べるという獣のような食生活は許されそうもない。たらふく食べていた頃が懐かしい。今は冷蔵庫を覗くと豆腐やこんにゃく、海藻類ばかり。ときにはビーフステーキなんかもバリバリと食べたいのに。

歯と胃と目は完璧に丈夫だったのがそれも怪しくなってきた。しかし人間ドックで出た骨密度の値が基準となる30代女性の平均値の120%というから驚き。私はこれが自慢したくて書き始めたのかも。しかも最近足の筋トレが効いてきてかなりつまずいても転ばなくなった。5年前やたらにつまずく時期があって何回もころんだ。ころんだけれど怪我は全くなし。それが骨密度の高さに支えられていたのだとおもう。歯は虫歯なし、目はハリー・ポッターの読書が終わったら元の視力が戻ってきた。食事制限しても痩せないのは胃が丈夫なせい?

北軽井沢に以前より頻繁に行くようになったのは体にとても良いからで、ここでは朝、目が覚めるとやたら気分が良い。さっさと起きると手に箒を持ってベランダの落ち葉掃き、庭に出て花の手入れと働き者になる。自宅にいるときには横のものをタテに・・・いや、縦のものを横にでした?まあ、どちらでもいいけれど、昼食時までテレビを見てあははと笑っているのがテレビがないおかげで午前中働いたり散歩したり、動き回っている。これが健康にすごくいいのは数日もすれば体が軽くなるのでよく分かる。

一から庭造りは大変だからそれぞれの時期に咲いている花を買ってきて庭に植える。その後根付いてずっと咲いてくれるものもあれば北軽井沢の厳しい寒さに負けて冬が越せないで枯れてしまうものもある。それでも段々殺風景な森の景色が華やかになってきた矢先いやな出来事が・・・

名前がわからないけれど高山植物の木に真っ赤な花が咲いた。丈夫で私がいい加減に掘った穴にしっかりと根づいてくれて、それが嬉しくて次々とダリアなども植えて次に北軽井沢に行くのが楽しみだった。けれど、つい数日前に行ったら何故か庭が寂しい。ダリアは3本植えたものが一本しか残っていない。ひまわりはご丁寧に根っこから引き抜かれ横に並べてあった。真っ赤な花は建物の影で表からは見えにくいのに、根っこごとすっぽりと持っていかれた。特に目立つものばかり、それこそ根こそぎやられてしまった。

造園などやる人にとってはデタラメに植えられている花に腹立ちを感じるかもしれないけれど、なるべく日当たりが良いところにと木の陰ができないところを選んで植えるので一見無秩序に見えるのかもしれない。それでもこの引き抜き方は異常で悪意を感じる。地味な森の風景が好きな人もいるかも知れないけれど、多少でも彩りがある方が私は好き。

しかも持っていかれた花は特に中でもいいものばかり。自宅に持ち帰って植えて楽しもうという魂胆か、あるいはいい気になるなよという、とかく言動に問題がある私に対する警告かもしれない。管理事務所に行って愚痴ったら美しく穏やかな事務員さんが珍しく怒った。「なんて嫌なことをする人がいるのかしら」ご自身も花が好きらしく年齢も私に近く、時々愚痴をこぼしに事務所に行く。よほど不愉快だったと見えて管理人さんの鼻息があらい。私の花の選び方が華やかすぎて住民が不愉快に思ったかもしれないけれど、それを言うと「そんな人は今までいませんでした」ときっぱり。よそから入ってくる人もいるし、本当は禁止でも誰が散歩してもわからない開かれた別荘地だから何があってもおかしくはない。

大好きだった北軽井沢に一瞬影の部分を見てしまった。自宅に戻って占いをする人に「あなたに運勢見てもらおうかしら」というと「悪い時期に入ったかもね」と言われた。気落ちしたけれど、それなら戦ってやると一瞬強気が頭をもちあげてきた。けれど、この好戦的なのが私の人生を難しくしているのだと反省。悪い時期なら大人しくしていよう。いまだ悟りの開けない自分に呆れながらの独り言。