2011年1月31日月曜日

ゲノフェーファ歌合せ開始

オペラ「ゲノフェーファ」の歌合せが今日からはじまった。ダブルキャストのうえ、それぞれダメだしがあって、2回くらいは通すので、たぶん実質6時間くらいは弾きずめだったと思う。難しい上に速くてトレモロ奏法がやたらにでてくるので、おしまいの頃にはもう、気が遠くなりそう。それでもこのくらい回を重ねてくると、曲の全容がやっと見えてきて、歌も聞こえてきて、だんだん感情もこめられるようになる。こうなるまでの、あの長い稽古の時間が絶えがたいほどで、緊張もなみなみならない。ここ2,3年オーケストラの仕事から遠ざかっていて、勘が鈍っていたのが徐々に戻ってきた。今朝出かけるまでは疲労と緊張で、もうオーケストラの仕事は無理だなあ、なんて考えていた。現場につくとそんな気持ちはすぐに切り替わってしまって、本当に弾ける喜びが込み上げてくる。イヤだイヤだと言いながら終わってしまえば又弾きたい。これこそ業の深さでしょうか。お声がかかるだけでも幸せに思わなければ。ただストレスがかかるので、甘いものをやたらに食べるようになる。今日はロビーにかりん糖の差し入れがあった。味の違うものが5種類くらい。それを一種類ずつ手に握って、さてコーヒーを注ごうと思ったら上手く注げない。「ほら、かりん糖を放しなさい」と言われてしまった。なるほど、上手く注げる。アハハ、私もいつまでも子供みたいだなあ。というか、子供に戻り始めているのか。どっちかな?

2011年1月28日金曜日

ゲノフェーファ

オペラ「ゲノフェーファ」の練習がはじまった。去年から楽譜と資料CDが届いていたのに、お正月もグズグズ、明けてもグズグズ練習を後回しにしていたツケが一気にやってきた。初めての日は、ただ目を回しているだけで終わった。2日目、ようやく楽譜が見えるようになった。練習場の照明が暗くて楽譜がよく見えないと苦情がでたら、次の日には明るくなるようセットが変えられていて、弾けない口実が一つ減ってしまった。日本人は口実が好きな国民性だそうで、例えば「昨日飲みすぎてねえ」「いやあ、連日徹夜でさあ」なのに一生懸命やるところを見せる。まず自分が万全の体勢で無いことを強調するそうだ。なるほど、私も「ちっともさらってなくて」「最近目が見えなくて」などと言い訳をする。しかしシューマンという人は弦楽器の特性などまるで無視した音形を並べる。しかもそのテンポときたら果たしてこれで弾けるのかと思えるような速さ。二日目でようやく50%の出来上がり。これから歌合せ、ゲネラルプローベいわゆるゲネプロを経て100%までもっていけるかどうか。今日もこんなことしている場合ではないのに、のんきにブログに投稿している。こののんきさは生涯なおらないとみえる。だから大成しなかったのさ。この先もずっと・・・でも、とても美しいオペラなので、聴いていただきたい。2月3日18時30分、4日14時開演、新国立劇場中劇場です。なんとか練習間に合うようにします。一生懸命弾きますので。

2011年1月26日水曜日

弓が戻ってくる。

ウフフ、イヒヒ、笑いがこみあげてくる。昨日、日本のサッカーが勝ったからではない。まあ、それもあるけれど、なんと、2度3度と諦めていた弓をゲットしたのだ。諦めてお店に返したのが先週だったか。もう、すっかり諦めていた。ところが、今度はあちらから連絡が来て、今月決算なので私の言った条件で手を打つと言ってきた。以前持っていた弓を好条件で引きとってもらえる。先日、弓はうちに来たときに居心地良さそうにしていたものの、まさか戻ってくるとは思わなかったが、なにかご縁が有りげだった。初めて手にした瞬間、もう他の弓は目に入らなくなった。ほかにも5,6本ゾロリと並べてあったけれど、まったく問題にならない。下取りに出した弓も大変良い弓だけど、私が酷使して手元の木がすり減っているのと、鑑定書がついていないので安く見積もられてしまった。それを鑑定書付きと同じ額で引き取りましょうと言ってきた。鑑定書を発行してもらうには大変費用がかかる。鑑定書はどこの楽器やさんでも出せるというわけではなく、決まった鑑定士に手数料を払って出してもらう。およそ、楽器の値段の一割くらいというから、良い楽器ほど高額になる。もう半引退状態の私がいい弓を持ってもしょうがないじゃないと思われるかもしれない。でも、考えようによっては、お金を持っているよりいいかも知れない。今度出す弓はサルトリーという人気のある弓。買ったときよりも高値で引きとってもらえる。下取りでなく市場で売れればもっと高いが、まあ妥当な値段。それだけ、良い弓は払底していて、皆欲しがる。楽器も良いものなら値上がりする。だから中途半端な物を買うより、無理してもいいものを買っておいたほうが良い。さて残額のことを考えると頭がいたい。老後のための蓄えはあっというまに消えてゆき、又せっせと働かなくてはいけなくなるのだろうか。生涯蟻さんでいるのはつらい。早くキリギリスさんになりたいよう。それでも、ウフフ、うれしくって・・・

2011年1月25日火曜日

格好良い女性たち

今朝仕事場に向かう電車の中で、ジロジロあたりを観察していて気がついた。最近の若い女性はなんてきれいなんだろう。スラッと長い手足。センスのよい服装、綺麗に染めてセットした髪。私の前にすわっている女性。チャコールグレイの細いストライプのマニッシュなパンツスーツにトレンチコート、ヴィトンのバッグ、首に毛皮を巻いている。栗色に程良く染めたセミロングの髪はつやつやして、お化粧も控えめ。いかにもトレンディードラマに出てきそうな、キャリアウーマンのイメージそのもの。次の駅で乗ってきたもう少し若い女性は、白地に黒の大きい格子縞のチュニックコート、短めの黒のスカートにロングブーツ、そして色鮮やかなピンクの大きめのバッグ、アクセントが効いていてこれも素敵。髪はカールしてお嬢様風。うん、よしよし、なかなかいい。ところが、私の前に座っていた女性、だんだん座り方がだらしなくなっていく。足が他の人より前に出てきて、ちびの私はつり革につかまりにくい。座席の端に座っている彼女は、ドアの前に立っていた見知らぬ男性の背中に凭れて眠ってしまった。そのうちポリポリ顔を掻き始め、その寝ぼけた顔が間延びして、恋人だったら百年の恋も冷めそうな気がする。連日のお仕事でおつかれでしょうか。でもね、そこまで無防備に人前で寝顔をさらすとは・・・。あーあ、興ざめ。乗り換えのため六本木で降りた。すると、先程のお嬢様風のカワイコちゃんも降りて、なんと降りる人たちの真ん中に立ち止まって、流れをせきとめている。出口がわからないらしい。端によってかんがえたらどう?なんだ、正真正銘の田舎っぺちゃんか。きっとファッション雑誌の写真を見て服装をコーディネートしたのね。六本木は初めてきたのかな?服が素敵なら、行動も素敵でないとね。意地悪おばさんは心の中で、そう毒づいていました。

2011年1月23日日曜日

信頼できない店

性格に非常に注意力散漫なところがあって、買い物をしても、しょっちゅう失敗をする。きのこ類が好きで、毎日の食事にきのこをよく使う。今日はいつも行かないスーパーでえのき茸を買った。家から一番近いスーパーなのに、めったに買い物をすることはない。なぜかというと野菜は信頼できる生協か、自然食品の店で買うことにしているので。たまたま今日は買い忘れがあって、遠くまで出かける時間もないので、まっ、いいか、と思って少しの野菜を買うことにした。家に帰ってえのき茸の包装をあけると、なにかヌルっとしている。切ってみると中はネバネバ、早速取り替えてもらいに行くと、感じ良く対応してくれたが・・・・。かつて同じところに同じようなスーパーがあって、冷凍のコロッケを買った。それが家に帰ってあけてみると、一度解凍されていたらしく、中がカビていた。交換してもらいに行くと、レジの女性が突慳貪に「お金返せばいいですね」と言うではないか。詫びる言葉は一切なかった。それはこちらも商品を良く見て買わないのが悪い。でも、パッケージの中まではわからない。あまりの怒りに保健所に通報するべきか迷ったけれど、そのうち忘れてしまった。それから間もなくそのお店はつぶれ、気の毒ではあるが、あれじゃあね、という思いがあった。今回の対応はまあまあだったけれど、新しいきのこをハイと渡され、袋にも入れてくれない。買い物袋を持っていかなかったから、まるで野菜売場からヒョイともってきてしまった感じになって、袋にいれてもらおうとしたけれど、すでに店員はどこかへいってしまった。すぐに気が付かない私もドジだけど、店員も気がきかない。やはり、このお店は来るべきではなかった。この場所は私を歓迎していないみたい。

2011年1月22日土曜日

老後は花畑

最近の物忘れの激しさときたら!!!せっかく安全のために調理器具をガスから電気にかえたけれど、やはり鍋は相変わらず焦がしている。今朝シチューを温めようとヒーターに載せたまま忘れて、部屋に戻ってみれば煙が充満していた。よく煙探知機が作動しなかったものだと思うくらい。煙の中で猫たちがビックリした顔をしていた。炎がでないだけ安全というだけで、火力はけっこう強いから当然焦げる。しかも、調理用の鍋が高価なので、一度焦がすと、ああ、もったいない。又暫く使えない。もともと歯と目と胃腸は丈夫だったので、大変集中力があって、若い頃は2つも3つも同時に物事を処理出来る能力があった。それが目がしょぼついてきたとたん、集中力は悪化の一途をたどる。今はなにをしても長続きしない。すぐ諦める。だからと言って、歳はとりたくないと言うつもりはない。歳を重ねるごとに、なんだか幸せになっていく。物の道理が見えてくる。物の辻褄が合ってくる。ああ、こういう事だったのか!不思議だったことがピシャリと隙間に当てはまった時の快感は、なにものにも代えがたい。足腰が弱くなる位は我慢。買い物もネットで宅配してもらえるようになった。これもサポートしてくれる人がいるからありがたい。値段を調べ、お店を調べて、どう買えば一番安いかなどと助言をしてもらえる。ヒマが出来た友人達がお芝居にさそってくれたり、一緒にアンサンブルをしたり、時々レッスンに来てくれる人がいたり。歳をとるのはいいものだと思うけれど、鍋がこげるのは勘弁してほしい。

2011年1月21日金曜日

遊びましょ。

今朝新しい楽譜が届いた。ドヴォルザークの「弦楽四重奏曲作品105」不勉強なことにこの曲を知らなかった。ドヴォルザークといえば有名な「アメリカ」「ピアノ五重奏曲」「ドゥムキー」などにすぐいってしまって、他の曲には手を触れていなかった。昨日の朝、知人の歯科医師から電話があった。
彼はアマチュアのチェリスト、その世界ではカリスマ的な存在らしい。もっている楽器は「ゴフリラ」弓は「ペガット」某国際的有名チェリストが譲って欲しいと懇願したような名器。歯医者なんて大っきらい、といつも言っている。チェロが命だから、「家が火事になったら僕はチェロだけ持って逃げるから、後は頼んだよ」と常々奥さんに言っているようなケシカラン人だけど、チェロは上手い。私は忙しかったので中々付き合っていられなかったけれど、そろそろ一緒に弾いてよと言う事で、この曲を遊ぶことにした。さてどんな曲かしら。知らない曲なので、とりあえず楽譜ショップのアカデミアに注文したのが昨日、今朝もう届いてしまった。早い!開けてみると調子記号はフラット7つ。変イ長調?いやはや。チラッと弾いてみるとよさげな感じで合わせるのが楽しみになってきた。この歯医者さん、息子さんがすでに跡継ぎとして立派にやっているので、ご本人は昔からの患者さんを診るだけ。午後はずっとヒマだそうで、私も大分ヒマになってきたし、よく一緒にお付き合い下さったヴィオリストも音大を退職されたことだし、お誘いしてみようとおっしゃる。雀百までというけれど、私たちも歳をとってからも楽しいことが待ち構えていて嬉しい。

2011年1月20日木曜日

寒い?

さっきエアコンをつけたら温度計が12度を表示していた。でも、散歩から帰ってきて、私は汗ビッショリ。今年は寒いというけれど、あまり寒さを感じ無い。ついに寒暖の差の感受性も衰えたかと思ったけれど、どうやら体が楽しているせいらしい。仕事に明け暮れていた頃、いつも寒気がして手足が冷たく、耳鳴りに悩まされていた。肌はカサカサ、目はショボショボ、それがゆったりした生活になってみると、全部解消してしまった。目だけは酷使するから時々物が2重に見えたりする。肌は化粧をやめてしまってずいぶん心配だったけれど、べつに以前より悪くはない。いままでどれだけ無駄な化粧品をつかってきたのかと思う。今のお手入れは、まず、水又はぬるま湯だけで洗い、その後綿棒の先位の量の馬油のクリームを手のひらに薄ーく伸ばし、顔にペタペタと置くように塗ってそれでおしまい。この油分は顔の常在菌のエサになるらしい。この乾燥した季節に別にカサついたりもせず、普通の状態が保てるのが大きな驚き。それは歳相応にシワもたるみもあるけれど、トラブルらしいものは起きない。逆にたまに化粧すると、もっと老けて見えるのが不思議。家に帰って鏡を見ると、なんだかしわしわになっている。自然は偉大。精神が安定すれば、体も喜ぶ。インドの高僧の言葉。「仕事をする時、いつも幸せでなければいけない。」ごもっとも。そうできたら、素晴らしいけれど、そうは行かないのが現実です。来週は少しハードな仕事がまちかまえている。どれだけ体に影響があるだろうか。寒気が戻ってくるかしら。

2011年1月19日水曜日

がっかり

弓は楽器屋さんに戻っていってしまった。この業界は世間から見たら異常な高額で取引される。それは需要が多くていいものが少ないからなので、仕方がない。少しでもいいものをと眼の色変えて捜し回る。一本の棒が数百万から数千万円するのって、信じられないでしょう。でも、書画骨董だって、一幅の掛け軸が数千万することもある。同じこと。世界一高高値のヴァイオリンが18億で取引されたのは去年だったかしら。私のクラスならそれに比べて本当に安いものだけど、それでも中々手が出せるものではない。ましてもう半分引退しているようなものだから、今更という気持ちもある。でも、ほしい。欲ばりですから。見た目も音も美しいあの弓が誰の手に渡るのか。今持っている弓も決して引けをとらないので、ほんのちょっとの音質の差であと何百万と出すだけの勇気がない。でも、ほしい。欲ばりですから。今度の古典音楽協会の定期演奏会に久しぶりでソロを弾くことになった。ヴィヴァルディの「アモローゾ」愛のコンチェルト。返した弓はその曲にぴったりの音が出る。ないものねだりはやめて、今持っている弓でその音を出すように努力しよう。そうやって楽器に教えられながら上手くなっていくものなのです。だから出来る限り良い楽器を持つことが大切。だからほしい。欲ばりですから。

2011年1月16日日曜日

うらめしや。

今わたしの手元に一本の美しい弓がある。もちろんヴァイオリンの弓。私のではなくてお借りしたもの。そして、その値段ときたら!!!この世界は不思議なもので、こんな高い物を平気でポンと貸してしまう。何本かご参考までにと持ってきたのは、出入りの楽器屋さん。5,6本ある中からアッという間に気に入ったのがこれ。でも同ランクの弓を2本すでに持っているので、今更買う必要もないのだが・・・・。やはり感触が忘れられない。試しに借りたいと言ったら「あの弓はもう他の人に貸し出しています」ということで、半ば残念、半ばホッと胸をなでおろしていた。ところが、その人が他の弓を選んだので、舞い戻ってきたらしい。そして今私の手元に来ているといった次第。私の持っている他の弓も弾き比べれば、甲乙つけ難い。それにお金の余裕だってない。でも、はっきりと彼女は(弓子さん)は私のところに来たいと言っている。おおーい、だれかお金をおくれ。貧乏音楽家が助けをもとめているから。他の弓を売ればいいのだが、おいそれと売れるものでもない。委託販売に出しても、何年も店晒しということもある。そもそも、こんなお金のかかる楽器を選んだことが間違っていたのだ。それも、ハイフェッツのせいかもしれない。あんな素晴らしい演奏さえしなければ、私はこの道に入ることもなかったものを。恨みますよ、ハイフェッツ様。

2011年1月15日土曜日

ヤッシャ ハイフェッツ



きのうの投稿でヤッシャ ハイフェッツの名前を出したので、ちょっとYouTubeから映像を拝借。驚くべきテクニック。素晴らしい音をたのしんで頂きたい。画面を大きくしないと細かい動きは見えないけれど、他の名人達とは一味違う。子供の頃、父親のコレクションにはハイフェッツのレコードが沢山あって、毎日蓄音機(なんたる懐かしさ)を回して聴いたものだった。小学校に入る以前だから、ヴァイオリニストはハイフェッツと刷り込まれ、以来私のなかでは不動のナンバーワンの位置を占めている。

2011年1月14日金曜日

GALAXYは音楽で満腹

GALAXYとパソコンに家のCDを250枚ほど移した。といってもそんなこと私に出来る」わけがない。いつもお世話になる名人Hさん。私なら途中でヒステリーを起こして、もうやめたっ、と言って放り投げるけど。時間と労力を考えると、ずいぶんお仕事の邪魔になっていると思うのに、本当に申し訳ないといいながら、アレもコレもと宅急便で送りつける。はじめてパソコンを始めた時から、ずっと面倒をみていただいている。初めは質問すると「サポートセンターに電話して聞いてください」と冷たくされたのに、そこは食い下がって教えてもらっていた。そのうち彼は、この人は本当にダメなひとなのだとわかったに違いない。保護者が必要である。生半可なひとではダメだから、自分で面倒見ようと、悲壮な決心をしたのだと思う。できもしないくせに、興味だけは旺盛。パソコンを手に入れたとたんに自分で不完全ながら、ネコのホームページを作る位のねばりはある。それにしては常識に欠ける。頭も悪い。当然記憶力もない。キーボード操作もせっかくゲーム感覚で覚えられるソフトを入れてもらったのに、使おうともしない。生意気にもブログを始めたいなどとほざく。よくぞ今まで腹もたてずにやってくださった。世間では私がパソコン操作に長けていると思っている人もいるらしい。でも、すべて、この背後霊、いや、守護神のおかげです。私はなにも出来ません。面白がってあれこれいじっているうちに、GALAXYのアイコンが次々と同じものが並び、困り果てていたところです。こんな初歩的なワカラン人が非常に専門的なサイトの持ち主(というの?)を、私ごときの面倒をみるような低次元のことで使ってはいけないですよね。ハイフェッツに「きらきら星」をおしえてもらっているようなものです。おかげで掃除の行き届かないCDラックで手を汚し、整理していなくて行方不明のCDを探す面倒から開放されて、私は天国です。

2011年1月13日木曜日

力を抜くということ

今日とても嬉しかったのは、数年前から教えている人が、すごくいい音を出してくれたこと。ご本人はとても真面目で・・・真面目さ故に弦をこすってしまう。上から押さえつけてゴリゴリと。最初に音を聴かせてもらったときは、石のように体も音も硬く、多分それでも音が出ないからと、余計力んでしまっていたのだと思う。力めば力むほど音は出なくなる。どのように力を抜いてもらうかが、課題となった。力を入れると音が出なくなるとは何たる逆説か、と思われる方も多いでしょう。ただ、このブログを読んでくださる方たちは、よく理解してくださることでしょう。この場合の力を入れるは、力んで硬くなることであって、弦に重みがかかることではない。その「重み」と、「圧力をかける」の違いがわかっていても、実際に脱力をすることは甚だ難しい。脱力すると、腕の重みと弓の重みが弦に乗ることになる。でも、力んで弓を弦に押し付けると、重みはかからず、圧力が弓の一点にかかるので、音は振動を止められて押しつぶされ、響きがなくなってしまう。分かってはいても私なども何年たっても、緊張すると力んでしまう。それでまず、力を抜いてもらうことに専念した。弦を擦らないようにというと、弓が上滑りを始める。それでは、ますます体が硬くなるばかり。弓にも腕の重さをうまく載せることが大切。重さの乗った弓はぴったりと弦に張り付いてくる。そうするとやたらに弓を押し付けなくても、大きないい音が出るという理屈。言うは易し、行うは難し。そのことで大分苦労していた彼女が、今日フッといつもと全く違う音色を出した。それそれ、それよ。とは言ったものの、又逆戻り。でも、いつもならそこで立ち消えになるものが、今日は連続して出始めた。次回は出るかな?でも、こうして一度掴めばしめたもの。継続は力ですね。「ね、nekotamaさん?」いけない、死んだふりしようっと。

2011年1月12日水曜日

酔っ払った

今日は松田の酒造メーカーの蔵開き。新酒の発表会。イベントとして少しだけ演奏をして、その後飲んだり食べたりしていいよと、結構なお話。車で行くと飲めないから電車でと思ったけれど、小田急沿線は私の家からは非常に乗り換えが面倒なので、車で東名高速を突っ走ることとなった。新しく秦野に立ち上げたオーケストラの宣伝のためにも、演奏してアピールするのが重要だし、第一回の演奏会のスポンサーにもなってくださったそうだから、ここは一肌脱ぐことにした。でも演奏する場所は一肌脱いだら風邪をひきそうに寒い場所で、私も珍しくセーターの下にシャツなど着込んで出かけた。スキーに行く時以外シャツなんか着たことがないから、どうもゴロゴロして落ち着かない。会場は庭にテントが張られ、盛大に火もたかれている。その奥がいつもだとお酒が積まれているのかもしれない建物があって、もちろんエアコンなし。そこにテーブルと椅子がセットされていて、お客さんたちがお食事とお酒を楽しむようになっている。その片隅が私たちのステージ。むき出しの土間にパイプ椅子と譜面台。気をきかせて石油ストーブを用意してくれた。華やかなステージもいいがこういうのも私は好き。以前下北沢の町おこしのコンサートで銀行の前の路上で演奏したこともある。いわゆる大道芸人みたいだったけれど、とても面白かった。通行人をどれだけ引き止めておけるかが勝負。かなりの人達が、寒空に1時間ジッと聞き入ってくれて、たいそう嬉しかった。今日も初めは皆さん大喜びで聞いてくれたけれど、お酒が回ってきたらひっちゃかめっちゃか、お互いの音も聞こえなくなってきて、演奏終了。車なので飲めないから持ち帰った新酒を舐めてみたら、お、おいしい!いつもアルコールはあまり飲まないのに、今日はぐびぐびいって、今ほろ酔いかげん。キーの打ち間違いが多い。とんでもない変換ミスなどあったら、それは酒の上の過ちですから、許してください。

2011年1月10日月曜日

湘南新宿ライン

久しぶりに池袋へ出るので、さてどうやって行こうかと考えた。今までは東横線で渋谷へ出て山手線、それしかなかったので迷うこともなかった。ところが武蔵小杉が開発されて、あのダサかった街が一変!人口がどっと増えて大変なことになった。電車の乗り換えも多彩になり、目黒線やら南北線、日比谷線、その上湘南新宿ラインが新駅になって、もうどれに乗って行ったらいいものやら。籠原や高崎まですっ飛んでいってしまう。大宮なども大変遠くに思っていたのに、もう一本で行けてしまう。なんで今頃。私が忙しく仕事をしている頃にこれがあったら、どんなに便利だったことか、ついないものねだりをしてしまう。武蔵小杉は最寄りの駅ではないが、自転車で直線で行くと、すぐに行けてしまう。道筋も公園や大きなマンションの舗装された道を通るので、気持ちが良い。今日も天気が良いので、自転車で出かけた。寒くて気持ちが良い。暑さには弱いけれど寒いのはけっこう好き。風を切るとなお冷たい。寒いと思ったらスキー場の寒さを想い出せばなんの事はない。武蔵小杉に着くと今日は休日で自転車置場は無料。ホームに上がると電車が置き石のいたずらのせいで遅れていた。遅れてきた電車は予定していた一本前の電車。それで予定より早く乗れて、ラッキー。しかも快速だから武蔵小杉を出ると次はもう大崎、渋谷、新宿そして池袋。なんて早いの。すごく得したような気分。帰りもちょうどホームについたときに電車が来るというタイミングの良さ。たまにこういう日もあるけれど、殆どのときはホームに行ったら電車が出たところだったりする。間に合ったからといってそんなに喜ぶような事ではないけれど、なんだか今日は良い日だなあと、つまらないことで喜ぶ。庶民、凡人の幸せは、こんなちっぽけなところにあるのかもしれない。

2011年1月9日日曜日

子連れパパ

音楽教室のアンサンブルの指導日。文京シビック練習室にて。中心になって進めているのが私が教えている30代男性。東大卒、それも難度が3指に入るという航空なんじゃら学科。あまり縁遠くて名前も覚えられない。その大学院まで出て、なんの因果か気の毒にも私のもとへヴァイオリンを習いに来て、もう10年近くは経つか。私の悪口雑言を受け、罵詈罵倒されてもじっと耐える。それこそ東大にはいれる所以だといつも感心する。その彼が結婚して赤ちゃんが生まれ、良きパパとなったのだが、奥さんも又優秀で、東北の研究施設で稲の品種改良にとりくんでいる。それで研究途中でやめることができないという理由で、赤ちゃんは彼とそのご両親が育て、彼女が単身赴任となった。ウィークデイに母親がいないという非常に変則的な家庭生活だから、私たちは少し危ぶんで「だいじょうぶなの?」と時々尋ねたものだった。今日はママはお仕事なので、彼が赤ちゃんを連れての練習参加となった。楽器を背中に背負ってベビーカーを押し、必需品の入ったバッグを持って現れた。一歳半だという。ママが留守がちなのに、穏やかに機嫌よく育っている。練習が始まるとご機嫌でそこらじゅうを歩き周り、楽譜を見つけると拾い上げ、可愛いっちゃ可愛いが、時々ひっかき回される。でも、大抵の子どものように奇声を上げたり、聞き分けなくぐずったりしない。うまく育てたものだと感心する。その内寝てしまった。本当に彼がこんなに良いパパになるとは考えもしなかった。奥さんの教育がよかったのか、子どもができて彼が大人になったのか。なにはともあれ、中々楽しい一日でありました。

2011年1月7日金曜日

月例弾く会

今日はピアニスト達との恒例の勉強会。私はベートーベンのソナタの8番とプロコフィエフの1番のソナタ(無伴奏)を弾かせてもらう。プロコフィエフはとても好きな作曲家で、バレエ音楽のロメオとジュリエットを初めて聴いたときは、なんて素敵な曲かと感激してしまった。生まれて初めてロメオを弾いた時の指揮者はアルビド・ヤンソンス。緊張と感激で震えながら弾いたものだった。今日弾くソナタの1番は2番と較べると多少スケールが小さい。無伴奏ということもあるが、2番ほど華やかさはない。2番はレオニード・コーガンとフルートのピエール・ランパルの演奏をきいたことがある。コーガンの時は全身鳥肌、(もちろん、素晴らしくて)ランパルも音が良かったがそれほど感激はなかった。楽器に対する好みの問題か、二人の実力の問題か、わからないが、どちらも古いお話です。今日のピアニストたちはバッハのトッカータとフーガ、ベートーヴェンの作品108のソナタと、いずれも大曲ぞろい。ピアノは一人で完成するからいいなあ。ヴァイオリンは大抵ピアノ伴奏が付いていて、一人で弾ける曲はあまり沢山はない。これから堀り出していくことにしよう。どこかで眠っている隠れた名曲があるといいのに。

2011年1月6日木曜日

もう6日

お正月が過ぎると日の過ぎるのがはやいこと!アッという間にすぎてゆく。そしてうかうかしていると、仕事の準備が間に合わないで、慌てふためく。オペラの譜読みが全然出来ていない。初めて弾くシューマンの「ゲノフェーファ」シューマンがオペラを書いていること自体知らなくて、本当に不勉強だなあと思う。そういえばシューマンは美しい歌曲を沢山書いているのだから、オペラがあっても不思議はない。楽譜は暮に届いたのに、なんだかんだとさぼっている。シューマンはヴァイオリンにとって、たいそう弾きにくい。ヴァイオリンだけではないかもしれないが、とにかく音形がメカニックに合っていない。シンフォニーも弾きにくい。資料のCDをたのんであるのに、まだ届かない。そんな訳で、今年も1月から四苦八苦かもしれない。本番は2月、1月の末に練習が始まる。その前に2,3弾くことがあって、今年はヒマだからスキー三昧で過ごす計画はあえない最後を遂げた。その上「古典音楽協会」の3月の定期演奏会で、久しぶりにソロを弾くことになったので、なんだか気ぜわしくなってきた。結局スキーを思う存分楽しむのは来シーズンに繰越となった。行くことは行っても、怪我をしてはいけないので、いままで思い切り飛ばすことは出来なかった。いつもスキーの先生から「スピード狂」と叱られ続けてきたスピード大好き人間が、今年もイジイジといじけながら滑ることになる。3月のソロが終わってカナダのウィスラーに滑りに行く計画なので、そこでやっと弾けられる。ウフフ、楽しみ、楽しみ。

2011年1月5日水曜日

頑張り屋さん

ベートーヴェンのソナタ8番のピアノ合わせをした。この曲は10曲あるベートーヴェンのソナタの中でも、明るく、軽快で時間も短い。今度の月例会ホームコンサートで弾く予定。単純であるからそれで難しいというパラドックス。いつもなら合わせた後1時間くらいはぺちゃくちゃとおしゃべりに花が咲くのに、「今日は申し訳ないけど、私この後用事があるから」と言って家を出た。友人がチゴイネルワイゼンを弾くのだが、コンサート当日は私が聴きにいけない。それで、リハーサルだけでも聴かせてもらおうと、柿の木坂のパーシモンホールへ行った。彼女は大学を卒業してオーケストラに入った時の先輩、それはそれはながーい付き合いで同門。今日は先生も立ちあっての舞台稽古。それにしてもあの歳でと言っちゃあなんだけど、よく指がまわるし、音もクリアに出る。非常に明るい豊かな音が魅力的なのだが、一回目は私が行ったことで上がってしまい、弓が楽器に吸いつかない。2回3回と回を重ねると、どんどん良くなっていく。私たちの先生は中山朋子先生。桐朋学園で教えていらっしゃったから、優秀なお弟子さんが輩出している。そのなかの落ちこぼれは私で、レッスンにいくとなんだか先生はいつも面白がって笑われる。私のどこがおかしいのかしら?とても可愛がってくださったけれど、大物にはなれなかった。だからあまり厳しくされなかったのだろう。かなりお年を召されてしまったが、相変わらず頭が冴えていて昔の事を良く憶えている。私がとっくに忘れてしまった自分の演奏など、いまだにあそこが悪かったなどとおっしゃる。ビックリです。今日演奏した友人はいまだに先生のところへレッスンを受けに行って、こんなテクニックが出来るようになったのよ、などと話すので、うひょう、すごい、とこちらは驚く。私は早くヴァイオリンを弾くのをやめて楽がしたいと思っているのに、年上の人が頑張っているのでやめるわけにはいかない。三浦雄一郎さんが80歳でエベレストを目指すという記事を読んだ。やはりどこの世界にも頑張るひとが居るのだ。だからと言って私が真似して頑張ってもたかがしれている。私は猫族。好きなことを、好きなだけ、好きな時にやっていこうと思ってます。世の人のお手本には絶対になれないなあ。

2011年1月4日火曜日

玉三郎近影

玉三郎から新年のご挨拶を申し上げます。
僕も今年は80才を軽くクリア。
いつまでも元気でいたいと思います。
皆さんもお元気で良い年をお迎えください。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
たま 良く言えました。猫なのに、えらい。
GALAXYから投稿。

2011年1月3日月曜日

GALAXY

新しいスマートフォン、GALAXYが届いた。持ったときの重さも大きさも手頃で使い勝手がよさそう。以前IS01を持っていたけれど、殆ど使うことがなかった。チベットに行く時にあちらからブログの投稿をもくろんでいたが、結局携帯とデジカメの併用で間に合ったのと、時々地方に行く時に持っていっても電波事情が悪く使いこなせなかった。今度のGALAXYはどこまで使えるかまだわからないけれど、3月にカナダに行くので、その時に活用出来ればいいなと思っている。カナダの雪山の写真や動画を期待していてください。パソコンの我が師であるHさんが使用説明動画を作成して下さった。YouTubeの説明の場面でエルヴィス・プレスリーを使っていたので(私が好きなのをご存知で)、同じようにプレスリーの動画にたどりついた。そしてそのままプレスリーを見続け、せっかくの説明は気がつくと終わっていた。巻き戻して又見ても又他のプレスリーを、そして「愛さずにはいられない」(I C' ant Help Falling in Love With You)の歌詞付きの動画をみつけ、何回もエルヴィスと一緒に熱唱した。プレスリーは今でも熱狂的なファンがいる。私もDVDを何枚か持っていて、時々見ている。この「愛さずには・・・」は映画「ブルーハワイ」の中で恋人のお祖母さんの前で歌っている。とても暖かさに満ちた私の一番好きなシーンで、あのシルクのような美声とこの場面がぴったり重なる。見ていない方はぜひ御覧ください。貸し出しします。

2011年1月2日日曜日

ニューイヤーコンサート

昨日はウイーンフィルのニューイヤーコンサート。今日は箱根駅伝。毎年テレビに釘付けになる。ニューイヤーコンサートの今年の指揮者はウエザー・メスト、小泉元首相みたいな髪型、顔はシューベルトみたい。今まで毎年楽しみにしていたけれど、小澤征爾のときは本当につまらなくて、それからしばらくはいやな思いがつきまっとった。このオーケストラはほっときゃ素晴らしい演奏なのに、やたらと振るものだから、ひどくつまらないワルツになってしまった。力ずくでいうことをきかせる、小澤のだめな面ばかり見えてしまったコンサートだった。ボスコススキー、デュトワ、マゼールなどは踊るように指揮をして、それを見るだけでも楽しかった。メータやアバドもたっぷりと楽しませてくれたのに、小澤だけは見ていてつらかった。今年のメストはよくこのオーケストラの気質を知っているから、メンバーにお任せで楽しませてくれた。もっとも、本人はだいぶ緊張していたのかもしれないが。もともとは楽しみのためのコンサートが世界的になってしまって、ウイーン人は誇りに思いながらも、とまどっているかもしれない。極めつけはカラヤン。なんなのか、あの素晴らしさは。お正月が過ぎて仕事場に行ったら、その話題でもちきりだった。あれが本当のスーパースター。ウイーンフィルの音を聴くと、他のどんなオーケストラも出せない音をもっている。テレビでこんなにいいのだから、実際聴いたらどんなに素晴らしいか、又、旅の目的が出来たしまったかな。いつかニューイヤーコンサートを聴きに行こう。

2011年1月1日土曜日

あけましておめでとうございます。

大晦日、ロリン・マゼール指揮、ベートーヴェンの交響曲連続演奏の実況中継をパソコンで見ていた。曲のあいだに、わりと長い休憩がある。そうでなければ指揮者もオーケストラのメンバーもヘロヘロになってしまう。休憩の間はヴァイオリンを弾いていた。年が明けた午前零時過ぎ、今日はこの建物には私一人しかいない。皆さん出払っていて心ゆくまで音が出せる。夜中に好きなだけ音が出せるのは、この上ない幸せなこと。いつもは上の階の人に気兼ねして、夜9時までには練習をやめることにしている。時々無性に夜中に弾きたくなることがあるのも我慢している。多少外に音がもれていても、今日は皆起きているか、初詣にでかけているか、酔っ払っているかだと思うので、許していただこう。マゼール氏もそういえばヴァイオリン弾き。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでヴァイオリンを弾きながら指揮をしたっけ。あれは何年前だっかしら。ボスコフスキーとまではいかなかったけれど、なにをやっても様になる男なので格好よかった。さて私のヴァイオリンの「テス」ちゃんはいまだ風邪気味。修理してから1ヶ月くらいたたないと本当に鳴ってこないから、じれったいけれど待つしかない。明日も又寝起きが悪いのかなあ。早く調子出しておくれ。今年はどんな年になりますことやら。まいど人騒がせな者でございますが、本年もよろしくお願いします。