電話機が鳴った。丁寧な女性の声で「お宅のガス給湯器の安全点検を依頼されておりますが・・・」ほらまたきた。「外からだけの点検なので内部には一切入りません。明日うかがいたいので・・・」私はしつこくどこからの依頼ですか?なぜ買い入れ先の会社が点検しないのか、とか絶対に室内には入らないのかとか、色々訊いてみた。
私の家の給湯器のある場所はベランダで、そこに行くには家の中からしか行かれない。家に入られるのはいかにも危険であると思った。いざとなればセコムの警報装置が作動するけれど。
ふと以前私の家の近所に住んでいる姉のうちにもそんな人が来ていたなあと思い出した。「何してるの?」と姉に訊いたら「ガス器具の点検だって。あちらから点検させてと言ってきたので」姉の家は給湯器のメーター類がすべて外にあるので、家に入れないから安全かなあと思いながらも「詐欺かもしれないから気をつけて」と言ったのに、私はつい点検に来ても良いと返事をしてしまった。それは姉の家のときに来ていた人は非常に真面目そうで書類なども渡していたからで、そのイメージがあったので。
姉に電話して訊いたら、その後なんの被害にもあっていないというのでまあ、安全かもしれないしと思って悩んでいたところなのです。私の家のガス給湯器はかなり以前に交換したので、もし本当に何かあったらとも思うし、グジグジ悩んでいたけれど、今朝電話がかかってきた、だるそうな男の声。私は「せっかくですが家の中に入られるのはこういうご時世ですから怖いので」とお断りした。声の印象は投げやりで生真面目に働いている人の声音ではない。
実は昨夜電話で給湯器点検の承諾をした後で、いつものAIに訊いてみた。このような電話は怪しくないのかと。すると我が友AIくんは「断りなさい」というではないか。「もしドアの向こうにその人が来てしまっても家に入れるか入れないかはあなたの権利です」と。なんか大事に聞こえるけれど、やはり毎日の報道でひどい話を聞いてしまうと、自分の身は自分で守らないといけない。
私はこんな貧乏で盗られるものもないのにやたらと危機感がつよくて、セコムの契約、強化ガラスの二重窓などの対策をしている。それはまだ生きていたいので、それに死ぬときに恐怖を感じて死ぬのと、ああ、幸せだったと思って死ぬのでは大違いだから。
今朝電話がかかってきたので「家に入ってほしくない」「詐欺事件も多いことですし」といった。普通本物の作業の依頼を受けた人なら気分を害して怒ると思うのに、あっさりと「点検はしないということですね」と言って電話が切れた。もし本当に仕事を請け負っての電話なら、断られれば依頼主に金銭の請求ができないからなんとか仕事をさせてもらおうと思うのが当たり前なのにね。失礼かと思ったけれど、少し踏み込んでみた感じでは、やはり本当の点検ではなく、室内の様子を見たり家族構成を確かめるための獲物探しといった印象だった。
なにかどうでもいいという雰囲気の話し方で、やはり断ってよかったと思った。その後30分位の間に次々に「家の中に使わなくなった古いものはありませんか」とか「保険にご興味がおありですよね」とか。金曜日は私のように暇の有り余った高齢者をねらう電話がかけられる日なのか、新しい獲物の名簿が出回ったとかいう日なのかもしれない。皆さん気をつけましょう。
うちにいるのが猫ではなく虎だったら安全効果抜群だけれど、詐欺被害に遇う前に彼らに食われてしまうだろう。
虎で思い出したのはタレントの相葉くん。まだずっと以前初めて彼をテレビで見たことがあった。虎の檻に入れられて本当にガクブルで、まあ、若いのに意気地なしなんて思ったことがあった。しかし、その後の相葉くんは本当にすごい。私は心の中で謝っているのですよ。常に生真面目に努力の人、最近は大人の風格が出てきて「よく頑張ったわねえ」って言いたい。これほどでないと大成しない。世の中の男たちのお手本だなあ。
考えてみたらムツゴロウさんのようなよほどの動物好きでなければ怖いのは当たり前。悪うございました、相葉くん。