朝目が覚めたら素晴らしく気分がよい。目ははっきりと見え、いつも気分が悪い寝起きのなんとさわやかなことか。 午前3時、チャンス到来、この機を待っていた。
今週水曜日に軽井沢でランチの約束をしていた。土日はまあ、避けたほうがよい。けれど今週はアンサンブルの練習も中休みだし、お盆が終わったから道路は渋滞なしであろう。さすがの軽井沢方面も道はすいていると見た。やっと北軽井沢に行ける。うれしくて鼻歌交じりで準備オーケー。天気はここ数日晴天らしい。昨夜の道路交通情報によれば渋滞なし。完璧!
4時には出発できる。冷蔵庫を調べ残り物がないか、ごみはまとめてあるかチェック。外に出ると猫が朝のご挨拶。君たち少し長めの外出だから餌は置いとくけど、明日朝来るお兄さんがくれるまでよそのお家でもらってね。
4時はまだ暗いからもう少し明るくなってから出よう。ふと先日買った楽譜を思い出した。ちょっと目を通しておこう。「ちょっと」が結局3時間。気が付くとおひさまは燦々といかにも暑そう。あわてて交通情報を見直す。やはり渋滞はないけれど、見慣れないマークはこれはなんだ。
電話がつながる時間になったので電話で問い合わせると、怪しいマークは高速道路の落し物の処理とからしい。「特に渋滞の予報は出ていません」と交通情報のお姉さん。しめしめ、なんと幸運な。
ゆったりとした気分で車を出す。一般道も全く渋滞なし。いつもは目も当てられないほど混んでいる環状八号線もあっという間に中央道の交差点まで到着。その前に大体何時ころ到着できるか調べよう。カーナビを点ける。ヒエッ、4時50分?14時の間違えじゃない?いや、数字の後にPMとついている。何回見ても同じ。今10時を回ったところ。この後約7時間。思ったときにはハンドルを切って右折車線へ。その決断の速さが後悔のもと。
自宅にUターン。昔、軽井沢に別荘を持つ友人が13時間かかってもまだ着かなかったといっているのを聞いて、軽井沢イコール渋滞の文字が頭をよぎる。しかし交通情報のお姉さんが渋滞しないって言ったじゃない。路線図にも赤い色は少なかったじゃない。どうしてどうして。でもこの後7時間運転はできない。熱中症にもなりかねない暑さだし、私はもう年だから自信はない。逃げるが勝ち。涼しい家に帰ろう。
明日会う予定の軽井沢のY子さんに電話するとびっくりして「変ですね」という。変なのよね、どこが渋滞なのかしら、でも7時間の運転は無理だからと約束をキャンセルした。帰宅するとすぐ情報を確認、相変わらず高速道路は真っ白だし事故情報もない。やはり軽井沢周辺の観光地がこんでいるのだろう。
ショックですっかり疲れて眠り込んだら、目が覚めたのは午後6時。いくらでも眠れる。近所のスーパーで帰宅途中に買ったトンカツと大きなおにぎりをもさもさと食べる。私は普段はすぐ胃もたれするのにショックを受けたりしたときには馬鹿食いする。そういう時には巨大なエネルギーが作用するらしく、なぜか胃もたれしない。そもそもトンカツなんて1年に数回も食べないのに。
夜、軽井沢のY子さんに電話をした。「変ですねえ、どこが渋滞だったのでしょうね。軽井沢も渋滞はほとんどしていませんけど。あ、もしかしてカーナビの検索条件を一般道優先にしていませんか?」それだ!しまった。重大な早とちり。
自分で自分をなぐりたい。せっかくの1年に何度もない空いた高速道路を走る幸せをのがしたのだ。あそこで急にUターンしなければ、落ち着いて考えれば・・・
すべては私のせっかち及び早とちりに尽きる。そのうかつさで行倒れの人を抱えて「お前は俺?こんな死に方しちまって。死んだのはおれ?するてえと、抱えてるおれはだれなんだ?」落語を思い出しましたよ。今夜は北軽井沢で落語を聞いて笑おうと思っていたのに。
はい、お粗末様でした。