私の相棒のピアニストSさんが、台風の影響で20日のコンサートの中止をやむなく決定したという知らせ 。一年かけて準備したコンサートがなくなるというのは、本当に気の毒で胸が痛む。
いつも共演を誘ってくれたけれど、今年は私はほかのメンバーとのピアノ五重奏のコンサートが重なり、また次回一緒に弾こうねと別々に弾くことになった。私たちの23日のコンサート直前で、Sさんのほうの中止の知らせを受けたときには人ごとではなくがっかりした。
彼女のち密な演奏は常に周りを凌駕している。私の演奏のいい加減さを彼女がいつも手綱を取って修正してくれる貴重な存在なのだ。去年、彼女からブラームスを弾かない?ということになったときに私はまだ引退の考えでいたので、引き受けるのを躊躇していた。ほかのグループからの気楽に弾けるピアノ五重奏曲の話に乗って、ブラームスはもう少し復活してからと断った。ピアノ五重奏のほうは曲が楽しい。シューベルトの「ます」以外は気楽だし、老後の楽しみとして弾けるかと思ったけれど、いやはや、これがちょっと辛いことになった。
年齢はみな70~80代。かつて華やかに活躍した時期はすでに過去のこと。練習がなかなかすすまない。譜読みの遅さがまず気になる。長年オーケストラで演奏していた人たちも、もはや現役から遠ざかり、おい、生きてるかと揺さぶりたくなるくらいのんきになってしまった。休憩時間の元気さとは反対に、変拍子の続く新しい曲では途方に暮れたようになっている。やっとその段階から脱却したのがついこの間。
ようやくなんとか本番ができるかなと、昨日は会場の三鷹市芸術文化センター「風のホール」で最後の音合わせがおわった。幸い私たちは23日が本番なので、台風は過ぎ去った後、これは非常に幸運だった。21日には東京ベートーヴェンカルテットの演奏会が武蔵野市民文化会館であるので、それも聞きに行く予定だったけれど、台風真っただ中でどうなりますことか。ベートーヴェンカルテットのチェリストのNさんも同窓生で他人ごとではない。
私は非常に晴れ女で、ほとんどの本番は晴れる。長野県の松原湖のコンサートの時は、本番開演と同時に青空が広がった。たいていそういうことになるので今度もなんとか晴れると期待しているけれど、最近の気象事情は生易しいことではないから、期待しないほうがいいかもしれない。
9月23日(水)14時開演 三鷹市文化センター「風のホール」
1)ステファン・シェーファー: ピアノ五重奏曲「ふくろう」
2)ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調
3)シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」
「ふくろう」とは聞きなれない曲名と思いますが、AIによればドイツ系?の作曲家であるらしいシェーファーさんの大変楽しい曲です。あまり情報量がなくて私たちも良くわからないけれど、日本的なふんいきもあり、非常に魅力的です。
怖いもの見たさに駆けつけてくれる人たちもいれば、生存確認の同年齢もいれば、会場でお目にかかれればうれしいです。