2011年1月5日水曜日

頑張り屋さん

ベートーヴェンのソナタ8番のピアノ合わせをした。この曲は10曲あるベートーヴェンのソナタの中でも、明るく、軽快で時間も短い。今度の月例会ホームコンサートで弾く予定。単純であるからそれで難しいというパラドックス。いつもなら合わせた後1時間くらいはぺちゃくちゃとおしゃべりに花が咲くのに、「今日は申し訳ないけど、私この後用事があるから」と言って家を出た。友人がチゴイネルワイゼンを弾くのだが、コンサート当日は私が聴きにいけない。それで、リハーサルだけでも聴かせてもらおうと、柿の木坂のパーシモンホールへ行った。彼女は大学を卒業してオーケストラに入った時の先輩、それはそれはながーい付き合いで同門。今日は先生も立ちあっての舞台稽古。それにしてもあの歳でと言っちゃあなんだけど、よく指がまわるし、音もクリアに出る。非常に明るい豊かな音が魅力的なのだが、一回目は私が行ったことで上がってしまい、弓が楽器に吸いつかない。2回3回と回を重ねると、どんどん良くなっていく。私たちの先生は中山朋子先生。桐朋学園で教えていらっしゃったから、優秀なお弟子さんが輩出している。そのなかの落ちこぼれは私で、レッスンにいくとなんだか先生はいつも面白がって笑われる。私のどこがおかしいのかしら?とても可愛がってくださったけれど、大物にはなれなかった。だからあまり厳しくされなかったのだろう。かなりお年を召されてしまったが、相変わらず頭が冴えていて昔の事を良く憶えている。私がとっくに忘れてしまった自分の演奏など、いまだにあそこが悪かったなどとおっしゃる。ビックリです。今日演奏した友人はいまだに先生のところへレッスンを受けに行って、こんなテクニックが出来るようになったのよ、などと話すので、うひょう、すごい、とこちらは驚く。私は早くヴァイオリンを弾くのをやめて楽がしたいと思っているのに、年上の人が頑張っているのでやめるわけにはいかない。三浦雄一郎さんが80歳でエベレストを目指すという記事を読んだ。やはりどこの世界にも頑張るひとが居るのだ。だからと言って私が真似して頑張ってもたかがしれている。私は猫族。好きなことを、好きなだけ、好きな時にやっていこうと思ってます。世の人のお手本には絶対になれないなあ。

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