2011年1月13日木曜日

力を抜くということ

今日とても嬉しかったのは、数年前から教えている人が、すごくいい音を出してくれたこと。ご本人はとても真面目で・・・真面目さ故に弦をこすってしまう。上から押さえつけてゴリゴリと。最初に音を聴かせてもらったときは、石のように体も音も硬く、多分それでも音が出ないからと、余計力んでしまっていたのだと思う。力めば力むほど音は出なくなる。どのように力を抜いてもらうかが、課題となった。力を入れると音が出なくなるとは何たる逆説か、と思われる方も多いでしょう。ただ、このブログを読んでくださる方たちは、よく理解してくださることでしょう。この場合の力を入れるは、力んで硬くなることであって、弦に重みがかかることではない。その「重み」と、「圧力をかける」の違いがわかっていても、実際に脱力をすることは甚だ難しい。脱力すると、腕の重みと弓の重みが弦に乗ることになる。でも、力んで弓を弦に押し付けると、重みはかからず、圧力が弓の一点にかかるので、音は振動を止められて押しつぶされ、響きがなくなってしまう。分かってはいても私なども何年たっても、緊張すると力んでしまう。それでまず、力を抜いてもらうことに専念した。弦を擦らないようにというと、弓が上滑りを始める。それでは、ますます体が硬くなるばかり。弓にも腕の重さをうまく載せることが大切。重さの乗った弓はぴったりと弦に張り付いてくる。そうするとやたらに弓を押し付けなくても、大きないい音が出るという理屈。言うは易し、行うは難し。そのことで大分苦労していた彼女が、今日フッといつもと全く違う音色を出した。それそれ、それよ。とは言ったものの、又逆戻り。でも、いつもならそこで立ち消えになるものが、今日は連続して出始めた。次回は出るかな?でも、こうして一度掴めばしめたもの。継続は力ですね。「ね、nekotamaさん?」いけない、死んだふりしようっと。

2 件のコメント:

  1. そうした脱力感があってこのブログが面白いものになっているのですね
    ああいけない(笑)。自然体というべきなのでしょうね

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  2. 自然体!ようするにナメクジ、こんにゃくの類です。
    さ、今日からナマコになりましょう。

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