2011年1月16日日曜日

うらめしや。

今わたしの手元に一本の美しい弓がある。もちろんヴァイオリンの弓。私のではなくてお借りしたもの。そして、その値段ときたら!!!この世界は不思議なもので、こんな高い物を平気でポンと貸してしまう。何本かご参考までにと持ってきたのは、出入りの楽器屋さん。5,6本ある中からアッという間に気に入ったのがこれ。でも同ランクの弓を2本すでに持っているので、今更買う必要もないのだが・・・・。やはり感触が忘れられない。試しに借りたいと言ったら「あの弓はもう他の人に貸し出しています」ということで、半ば残念、半ばホッと胸をなでおろしていた。ところが、その人が他の弓を選んだので、舞い戻ってきたらしい。そして今私の手元に来ているといった次第。私の持っている他の弓も弾き比べれば、甲乙つけ難い。それにお金の余裕だってない。でも、はっきりと彼女は(弓子さん)は私のところに来たいと言っている。おおーい、だれかお金をおくれ。貧乏音楽家が助けをもとめているから。他の弓を売ればいいのだが、おいそれと売れるものでもない。委託販売に出しても、何年も店晒しということもある。そもそも、こんなお金のかかる楽器を選んだことが間違っていたのだ。それも、ハイフェッツのせいかもしれない。あんな素晴らしい演奏さえしなければ、私はこの道に入ることもなかったものを。恨みますよ、ハイフェッツ様。

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