2011年1月9日日曜日

子連れパパ

音楽教室のアンサンブルの指導日。文京シビック練習室にて。中心になって進めているのが私が教えている30代男性。東大卒、それも難度が3指に入るという航空なんじゃら学科。あまり縁遠くて名前も覚えられない。その大学院まで出て、なんの因果か気の毒にも私のもとへヴァイオリンを習いに来て、もう10年近くは経つか。私の悪口雑言を受け、罵詈罵倒されてもじっと耐える。それこそ東大にはいれる所以だといつも感心する。その彼が結婚して赤ちゃんが生まれ、良きパパとなったのだが、奥さんも又優秀で、東北の研究施設で稲の品種改良にとりくんでいる。それで研究途中でやめることができないという理由で、赤ちゃんは彼とそのご両親が育て、彼女が単身赴任となった。ウィークデイに母親がいないという非常に変則的な家庭生活だから、私たちは少し危ぶんで「だいじょうぶなの?」と時々尋ねたものだった。今日はママはお仕事なので、彼が赤ちゃんを連れての練習参加となった。楽器を背中に背負ってベビーカーを押し、必需品の入ったバッグを持って現れた。一歳半だという。ママが留守がちなのに、穏やかに機嫌よく育っている。練習が始まるとご機嫌でそこらじゅうを歩き周り、楽譜を見つけると拾い上げ、可愛いっちゃ可愛いが、時々ひっかき回される。でも、大抵の子どものように奇声を上げたり、聞き分けなくぐずったりしない。うまく育てたものだと感心する。その内寝てしまった。本当に彼がこんなに良いパパになるとは考えもしなかった。奥さんの教育がよかったのか、子どもができて彼が大人になったのか。なにはともあれ、中々楽しい一日でありました。

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