2025年7月30日水曜日

ツンデレ猫にとりつかれる

 ちょっと北軽井沢で森林浴。友人のHさんが今回のゲスト。彼女には時々一緒に遊んでもらうけれど、二人でいるとろくなことがない。いつぞや江の島のイルミネーションを見に行ったときには大風か吹いて立ち往生。横浜中華街では叩きつける大雨などなど・・・で今回も北軽井沢の森が大荒れになるという恐怖に怯えながらの滞在となった。

私が一日先に到着して、その日一日あまりの気持ちよさにぐっすり。自宅にいると暑さでくらくらして表にいるわけでもないのに熱中症の症状が出る。眠りに眠って二日目、Hさんをお迎えにいくと涼しい顔をして待っていた。相変わらず髪の毛は緑色。この色については理由があるらしいけれど、ここは説明せずに彼女の変人ぶりを示すこととしておこう。

しかし、森の多い北軽井沢の森ではまるで森の精のように見える。見かけはともかく性格は賑やかすぎるけど。この寂しい森がえらくお気に召したらしく、楽しそうにしているのが嬉しい。本当なら「何よ、この汚い森!たぬきが出そうじゃない」とかなんとか言いそうなところだが、嬉しそうに緑濃い窓を眺め、小川のせせらぎを聞いているから安心した。

彼女は東京都心の庭木立に囲まれた家に住んでいたけれど、最近は海に面した土地に引っ越して、見かけはド派手でも内心は自然派、この森も気に入ってもらえると思っていた。普段のわたしはこの森に一人で住んでいる。幸いにも向こう三軒両隣に永住者が多く夜でもそこここに灯りが灯るからさほど寂しくはない。それでも時には我が家一軒だけが明るくてあたりは真っ暗なときもある。それはそれは静寂が重くのしかかる。たぶんおばけもいそうなこの森に一人ぼっちは寂しいけれど、その反面すごく気分が良いのが不思議。

他の友人がご主人と一緒にこの森を見て買おうかと考えたらしい。するとご主人がおばけがいそうだと言ったので考え直して買うのをやめたという。そして知り合いの霊能者に森の写真を見せたところ「いる」と言ったとか。そのくらい濃い森なのだ。

そこに私が住んでいるからなおのこと怖いことになっているのに、平然とHさんは過ごしている。

私達の計画は日曜日におそばをたべにいくこと。この蕎麦屋は地粉やさんといって地域では特別美味しいと有名なお店。移住初心者だった私が5年ほども経ってやっと食べるコツを見つけた。いつも少しでも遅いと長蛇の列、その日の分のそばが終わってしまう。のんびり行ったら本日の営業は終わりという札が貼られていたのは何回もある。それで悪知恵働かせ、蕎麦屋の近所の友人に朝いちで整理券を取りに行ってもらうことに。それからは食いっぱぐれない。今回も頼んで2人分の整理券ゲット。無事におそばにありついた。

もちろん整理券を取った人もおそばを食べたけれど、同行した女性に皆びっくりした。御年99歳、背筋を伸ばしシャキッと立っている姿は、私よりも若々しい。姪御さんといっしょに真っ白なベンツに乗ってそばツアー参加。まあ、お金持ちでお手入れは万全なのだと思うけれど、あまりにも若くきれいで品が良い。私とは真逆の御婦人の身ぎれいな服装を見て、これが生まれの良さというものだと感心しまくった。

その方たちはおそばのあとお別れして、我ら二人は追分のまつりの武者行列を見に行った。しかしちょっと時間に遅れたら武者行列はすでに追分宿を出ていったしまった。残念というかまあ、期待はしていなかったというか、投げやりな二人はそこで追分をあとにして森の中へ帰っていった。

森へ帰れば顔の美醜はほとんど関係なく、私も安心していられる。朝食を食べてからぼんやりしていたらウッドデッキの脇に立っている木に、なにか動くものが見えた。木の裏側から出てきたのは大きなリス。リスにしては大きすぎるけれど顔はリスに違いない。もしかしたら外来種を飼育されていて逃げ出したリスかもしれない。イタチ?かとも思ったけれど、確かめるすべもなく一瞬で消えた。

気温は都心よりも10度ほど低い。帰路につく高速で車の運転をしていたら短い手袋とシャツの袖の間の露出した肌が、ジリジリとあっという間に焼けて赤くなった。驚いたなあもう。

駐車場で待っていたのはのんちゃんとその兄弟猫グレちゃん。ゴロゴロ喉を鳴らしてくれた。夜になると私のそばを離れないのんちゃんが添い寝してくれた。この暑いのに本当にありがとう、熱くてたまらんわ。いつもなら早朝に外に出せと大騒ぎするのに、全く出ていかない。夏の毛皮もおしゃれかも。

やっと午後になったらグレチャンを探しに外出した。グレはちょっとすねて甘えてすねて。うふふ、たまらんなあ、猫は天性のひと誑し。

外出中、甥に猫の餌やりを頼んでいった。「一昨日は猫が二匹で待っていてくれたけど、昨日は待っていなかったよ」と。ちょっと待て「待っていてくれた」?この甥はたしかねこ好きではなかったようだけど。今朝は駐車場で二匹は甥を待っているようだった。こうして野良たちは人の行為を当てにして人の心を虜にしてうまく生きているのだ。




















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