2022年3月27日日曜日

nekotamaスキー再開

やっとこさ、へっぴり腰で 、後ろ姿を撮られたのを見たら、怖くてボーゲンになっている情けない姿。俄然やる気出てきた。このままでは終われませんよ。そうですとも、2年前、フランスのトロワバレーでかっ飛ばしていたのが嘘のようで。でもそのときは肋骨にヒビが入り、右足首は数年前から痛くてたまらない。この年令でよくでかけたものだと無鉄砲さに呆れる。膝が痛く、階段を降りるときには真っ直ぐには降りられず横向きのカニ歩き。だからもうスキーはできなくても仕方がないと諦めの境地だった。それが・・・

北軽井沢の山荘のそばにはスキー場がいっぱいあると気付いたのが、この家を手に入れてから3年目。すぐ近所にスノーパークという小さな人工降雪機で降らせる遊び場があるのを見つけてから。ここなら家から15分。友人のお嬢さんが来てくれて一緒に覗きに行った。私はその時にはスキーブーツを履くのもやっとこさ。リフトに乗ったものの、雪はちょぼちょぼ、数十メートルしか滑らなかった。超緩斜面なのに怖い。頭から怖さが抜けない。それが去年の暮。

で、今年はもう少し距離があるけれど、パルコール嬬恋スキーリゾートに行くことにした。我が家からは小一時間らしい。3月の半ば、別荘の管理事務所に電話した。明日からそちらに行きたいけれどお天気どうかしら?すると管理人さんが、明日は大雪が降るようだから明後日になさっては?なるほど、全国の3分の1くらい雪マークの天気予報。

それで一日おいて水曜日に出ることにした。前日降った雪は道路の脇に寄せられていたけれど、幹線道路はどこもきちんと除雪されていたので走行に問題なし。雪道の運転は生まれてはじめてだったから少し緊張した。家に到着すると自宅の入り口から雪だらけ。恐る恐る入っていくとここも問題ない。それにしても今頃こんなに積もるのは珍しい。ベランダが真っ白でほぼ20センチくらい積もっていた。

森の中で見る雪は格別。到着した日はどこにも人影がなくシーンと静まり返り、ひたすら静寂で神秘的。うーん、この景色が見たかったのよね。

軽井沢在住のY子さんがパルコールに一緒に行ってくれるというからお願いすることにした。その後Y子さんから急遽「妙高の方へ行ってみませんか?」と電話があって、なんでもY子さんのゴルフ仲間がその近くにいて、たまたま仕事休みで温泉にでも行こうかとかんがえていたらしい。Y子さんから話を聞いて私達に付き合ってくれるというではないか!渡りに船とはこのこと。集合場所に到着するとハンサムな若者が待っていた。

そこからはもう全部うまく行って、まずお天気は上々、快晴無風、ゴンドラで上に行けば大パノラマ、日本海まで見えようというゲレンデ前には素敵なリゾートホテルがあるので、そこへ連れて行ってもらった。韓国系会社の経営する大きなホテルで春休みだというのにスキーヤーはまばら。こんな素晴らしい施設がコロナのせいで窮地に立たされているらしい。もう少し頑張ってくれれば来年辺りからは常連客も増えそうな気がする。ランチも素敵に美味しかった。けれど、なんだか寂しい。ランチの客は私達だけ。

ゴンドラの駅から初心者コースの迂回路を恐る恐る降り始めた。足が突っ張る。以前なら鼻歌交じりでのんびり降りられたのに、体がこわばる。足はボーゲンの体勢になって膝は開きっぱなし。筋肉がすっかり失われていることに否応なしに気付かされた。それでも次第に調子が出てきた。もしかしたら復活できるかも。

今回滑ったのは本当に初心者向きの迂回路のみ。これでもう少し斜度があったら足が耐えられるかどうか。コブの急斜面を選んでは仲間ときゃあきゃあ降りていた若かりし頃、今の状態を想像することはできなかった。けれどこれが現実・・・でももう少しうまくなりたい。一番怖いのは怪我と、ころんだときに起き上がれるかどうか。そのためには一人で滑るのは危険だから、サポーターが必要。今回はY子さんが連れて行ってくれたからいいけれど、近所のスキー場にサポーターを見つけておかないといけないなと考えた。インストラクターだけではなく、ただひたすら一緒に滑ってくれる人が必要。

私はもともとたくさん滑る方ではない。カナダでも一日リフト3本、ガイドさんが「カナダまで来て3本ですか」と呆れていたけれど、それで十分。それにカナダのゲレンデの3本は日本のスキー場の10本分くらいだから。疲れる前に終わってしまう。また滑り続ければこれからでも上達はできるものなのだろうか。

迂回路をほんの数キロたらたら滑っただけなのに、その夜はほとんど起きていられなかった。次の日Y子さんとランチをしてから又もぐっすり。猫も真っ青なくらい眠った。最近こんなに眠ったことはないくらい眠ってから帰宅して、また夕方まで昼寝。

私の帰宅を大いに喜んでくれたのは野良2匹。手の舞い足の踏む所を知らずと言うような喜びように癒やされた。

猫だけよ、私に会うのをこんなに喜んでくれるのは。人間は怖がって近寄ってくれない。グスン!










2022年3月20日日曜日

お久しぶりです

 まもなく私の死亡の噂が巷に流れるのではないかと流石に心配になって、そしてようやく一番きつい時期が終わったので皆様に御目文字しようと筆ならぬキーを叩くことになりました。

ご無沙汰しました。

この1ヶ月、なにかと気忙しく体もきつい時期でありました。体と言っても体の一部の目と足、この2つが人にとっていかに大事なものかを痛感した時期でもありました。

足は今や再度スキーに復活できるのではというくらい良くなった。様々なストレッチや治療を試みて階段をまともに真っ直ぐに降りられるくらいに復活。これは素晴らしい。これで駅に下りのエスカレーターが無いときに手すりにつかまって横歩きで階段を降りるみっともなさは解消する。とにかく足首が重要(私の場合だけれど)体はなによりも柔軟性が必要と思い知った。猫を見てごらんなさい、めったに怪我なんかしない。

もう一つの体の一部は目。これはメガネで矯正できるとは言え、楽譜を見るというのは本当に過酷な作業で、特に「古典音楽協会」のような形態のアンサンブルやオーケストラでは二人で一つの楽譜を共有する。オーケストラはすでにギブアップして仕事はすべてお断りしてだいぶ顰蹙を買った。それでも「古典」だけは続けていたものの、最近は視力の低下に悩まされていた。

先日「古典」の161回定期演奏会があって、どうしても斜めに楽譜を見ることができない。コンサートマスターにお願いして、一人で一つずつ譜面台を使う許可を頂いた。これでまっすぐに譜面を読むことができる。本当は譜めくりはトップサイドである私がしなければいけない作業なのだが、ご自身でどうぞお願いしますということで。

最初は無理して二人で一つの譜面台。で、見えない。音符が蟻さんの行列に見える。少し自分の方に寄せてもいいかと尋ねると、コンマスの角道氏は快くどうぞと。彼はもう自分は暗譜しているから大丈夫とおっしゃる。それでもお互い見えにくいのは否めないから、ついに最後の手段となった。やっと落ち着いて弾けることになったけれど、私はいつもの会よりずっと緊張した。今回ソロはなくて大丈夫と思ったけれど、ソロを弾いている方がよほど楽だった。伴奏はえらく気を遣う。音が覚えにくい。なぜここまで目が見えなかったかというと、ひとえに私の自信過剰からきている。

ピアニストMさんから連絡があった。ベートーヴェンのヴァイオリンとピアノのソナタの1~4番までを演奏するけれど、ヴァイオリニストが多忙で練習が2回しかない。ついては練習の代役で弾いてもらえない?もちろん快諾。そのヴァイオリニストと彼女はかなり頻繁にリサイタルをしている。前回のベートーヴェンプロは後半の3曲だった。私はこのときも練習に付き合った。このへんの曲は注文が多いから私もしょっちゅう弾いているけれど、今回の前半4曲はちらっと遊んだ程度で人前でまともに演奏したことはなかった。それはぜひ弾いておきたい。良い勉強になる。

楽譜を探したらピアノパートは3冊あるのにヴァイオリンパートが見つからない。なくしたわけではない。多分どこかの別の楽譜にうっかり挟んだのかも。すぐに連絡してヴァイオリンパートを送ってもらい譜読みにかかった。さて1週間で4曲の譜読み、果たして間に合うか。

若い頃ならなんてことはなかった。でもここで自分の歳を思い知らされた。楽譜はそれほど難しくはないけれど、初見で譜面を凝視しているとアリさんの行列が現れる。そのうち全部がモヤッとした薄い雲のように見えてくる。そのうち脳みそにまで雲がかかってくる。目と脳が直結していることも改めて思い知らされた。ようやく譜読みが終わってなんとか練習代役を2回お務めしたけれど、その後視力が戻らない。「古典」の定期が迫って練習に入ると更に目が見えない。これは実際に見えないというよりも、見えない恐怖が邪魔をして集中力が落ちたのだった。メガネがいけないのかと新しいメガネを作ってもらったけれど、視力はほとんど変わらずお金をドブに捨てたようなものになった。

今回の定期演奏会は曲数が多くそれがさらに追い打ちをかけてきた。客席はコロナ以前の状態に戻り始めた。嬉しかったので本番は最後の力を振り絞った。するともうだめだと思っていた集中力と音が戻ってきてなんとか終わることができた。火事場の馬鹿力、そういえば若い頃はこんなことばかりだったのにすごくがんばれた。今は恐怖でしかないけれどなんとか乗り越えた。ああ、しんど!

その代わり次の2日間、昨日まで朦朧としていたけれど、猫の病気も小康状態、私の足もだいぶまともになって来たのがうれしい。ひと月、よく頑張ったと自分を褒めて上げたいというほどでもないけれど、苦労するのがわりと好きなのかも。

そうとう苦労したけれど終わってしまえばあとはお楽しみ。仲間たちとカルテットで遊ぶ。演奏会のアテはないけれど、その都度好きな曲を選んでパートを交代しながら楽しむ。最初は自分がファーストヴァイオリンを弾いたら、その次はセカンドヴァイオリン、時にはヴィオラなどと交代していくと、自分以外のパートが覚えられる。そのうち本番ができるチャンスがあるかもしれない。とにかく楽しい。次回練習する曲は私の大好きなモーツァルト「春」前回のベートーヴェン「18-4」も楽しかったけれどモーツァルトに勝るものはない。

北軽井沢の春もそろそろ。カルテットの練習が終わったらそちらの「春」にも会いに行ってきます。たぶんまだ雪や氷の心配がある。板を車に積んで、できれば滑ってきます。

ここで宣伝   第162回古典音楽協会定期演奏会

2022年9月29日(木)午後7時開演 東京文化会館小ホール

イタリアバロックの響き

アルビノーニ:シンフォニア他

私はヴィヴァルディの協奏曲「愛」を弾きます。

どうぞよろしくおねがいします。