昨年後半はすっかり怠けていたこのブログを再開したいと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いします。
昨年後半はそんなわけで(どんな訳?って訊かないでください)美しい北軽井沢の紅葉も見ず、友人たちとのおしゃべりも少なく、ひたすら問題の解決に専念していた。私の性格としては一つ気になると他のことはどこかへ飛んでいってしまう。体を動かすより頭の中であれこれ考えるのが好き。それで体が動かなくなる。太る。膝や足が痛くなる。動かない、太る、とまあ悪循環ではあるけれど体調はそれほど悪くない。コロナがもう少し下火になればエステやエクステに行きたいのだけれど、今のところリハビリばかりで、まるで年寄りみたいな生活を送っている。年寄「みたい」というより全く本当の年寄りなんだけど、気持ちは20歳くらいから全く成長していない。
今年はハリー・ポッターの原書を読み切ることが初仕事。あと2章で読み終わる。イギリス人のルースさんと二人三脚で隅から隅まで読み進んでいく。彼女の忍耐たるや相当のものだったと思う。私は重箱の角をつつくような質問で彼女を困らせる。「よくそいう言い方をするのよ」と彼女が言うと私はそれでも「ここに書いてあるこの単語の意味は?」と畳み掛ける。「そういうふうによく言うけど・・」と彼女。日本語にもそういうことはたくさんある。「まあそれは」なんていうと「その(まあ)はなに?」なんて言うようなことが。あまり良い例が出せないけれど。
私はそんな小うるさい生徒だけれど彼女は怒りもしないで忍耐強く答える。時々ふるさとイギリスのお母様に電話して訊いたりして、どんな質問にも丁寧に答えてくれる。このレッスンが終わってしまうと彼女と会えなくなるのが少し寂しい。
足がなかなか良くならないので整形外科のリハビリに通い始めた。病院の待合室でこちらをしきりに見ている人がいた。あまり見ているからよく目を凝らしてみると、近所の人だった。私が気がついたのがわかったらしく、その人が手招きをする。やれやれ、待合室を横切って彼女の隣の椅子に腰掛けた。「どうしたの?足が?ふんふん、リハビリしてるの?先生は誰?」矢継ぎ早の質問が飛んでくる。先生の名前を言うと「ああ、一番良い先生よ、良かったね」はいはい、良かったです。このひとは私の父親が亡くなったときに娘である私より前に遺産相続の内容を知っていたという恐ろしい情報通なのだ。町内に彼女の目を逃れられる人はいない。
その一番良い先生のお陰で徐々に足がなおってきた。あともう一息、まだ下りの階段を交互に足を出して降りることができない。階段を降りるのは、片方の足がもう一方の足を完全に支えられないとだめだということを、この年になって初めて実感した。なんでもなくできていた日常の些細な動作が実は筋肉が衰えてしまうと、とてつもなく難しくなるのだ。それでスクワットをするときに、良い方の右足を後ろに引いて、悪い方の左足は普通のスクワットの位置でやってみると左足は右足を支えるために非常に筋肉が必要なことを実感させられた。
足が悪いと何が悲しいかというとおしゃれができないこと。せっかくきれいな服を着ても匕ールのあるおしゃれな靴が履けない。それが一番悲しい。私はムカデを先祖に持つヒトなのでやたらに靴が好き。でも先日10足ほど靴を捨てた。かかとが細く高い靴はぐらついて履けないから。残った靴はいかにも履きやすくあるきやすそうな運動靴系ばかり。ステージでは我慢していたけれど、最近はそれも我慢できない。足元がどた靴ではドレスは着ることができない。
1月はじめにウイーンから来るオーケストラの招待券を頂いた。ウイーンフィルではないけれどウインナーワルツや楽しい曲が中心のお正月プログラム。場所はサントリーホールとくれば多少はおしゃれにしたいのに履ける靴がない悲しさ。4年ほど前にニューヨークのメトロポリタン歌劇場に行ったときに安いビニールのほぼぺったんこの靴を持っていった。旅先だからという言い訳は今回は通らない。うーんどうしよう。
そういう人のための専門の靴店で数足作ってもらったこともあったけれど、かえって足が痛くなったことがあった。高価だったのに2回くらいしか履かなかった。今年も新年早々靴の悩みで始まるようだ。
「一番良い先生」の筋トレはきつくない。今までジムで筋トレやスクワットをやってきたけれど、回数も多かったし力も入れた。しかし先生はほとんどの動作を10回以下に抑えむやみに力を入れさせない。ところが以前よりも効果があるので驚いている。私の場合、力を入れすぎると足がつる。夜中に痛みで目が覚める。回数も力の入れ方も少ないのにむしろ効果がある。目からウロコ。今年こそスキー場のゲレンデで愛を叫ぼう。
何に対する愛かといえば決まってるでしょう。世界中の猫さんたちにですよ。範囲を広げてワンちゃんにも、もう少し大型のぞうさんにも。世界中の人達も悲しかった。戦争やめて愛に変わらせられないかと心底思う。
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