2023年5月19日金曜日

足復活

猫の逃亡劇が一段落したその朝、都内の友人から電話がかかってきた。「猫が死んだって?」ちょっと話が先走っている。 追分から連絡が行ったらしくネットワークで私を励ます会ができたらしい。経緯を話すと自分のことのように喜んでくれた。去年一年と今年と、私が元気がなく陰で心配してくれている人たちがいる。あからさまに親切の押し売りをするような人たちではないから、そっと遠巻きに見守ってくれていた。ありがとう。

私にとってストレスは大敵。自分ではうまく処理できたと思っていても体がちゃんと反応してしまう。何かしらの違和感があって、それが足の故障につながっているのはわかっていた。消化器官にも同じように作用しているのも感じていた。食事を摂ると激しく胸焼けがして腸にも影響はあるようだ。それで人間ドックに入ることにした。

家の近くに緩和ケアでは全国でも大変評判の良い市立病院がある。その病院ではロビーにぼんやりと立っていることができない。ボーっとしていると「なにかお困りのことはありませんか?」とスタッフが飛んでくる。おちおちぼんやりできないのは欠点だけれど、とにかく親切。女性スタッフ、女性医師の数が多い。たまに男性医師にあたるとびっくりするくらい。

母が最後を迎えたのもこの病院で、野良猫が数匹庭に住み着いていた。ダンボールの猫小屋は医師と看護婦が作ったらしい。そこにシャム猫の野良がいて、母の見舞いのついでに餌を与えていたけれど、ある日後ろから声がした。「毎日ごくろうさん」びっくりして振り返ったら警備員が立っていた。警備員さんも一味とわかりこっそりすることもなくなった。でも普通の病院なら野良猫追い出すでしょう。その後病院は建て直しとなり野良は消えて優しさだけが残っているようだ。

今回は人間ドックだからスタッフがひとりついてくれる。すべての書類の提出や検査の順番など言われる通りに動けばいいから楽。そのスタッフは身長が高いから私の前を背をかがめてちょこちょこと足早に小走り。いちいち私の様子を見るために振り返って言うには「足、お早いですね」私が早いのではなくて彼女が速歩きをするからついていくだけなのに。私が小さいからといってそんなにかがまなくてもいいのに。なんかおかしい。最初に行った部屋で待っていたのはもうひとりの女性。この病院は女性のスタッフが多い。医師も多くが女性で全体に柔らかい雰囲気がする。第二の女性は活発な人で、一体私に二人の付き人が必要なのかどうかわけがわからない。よほど暇なのかしら。この人達、私が年相応に弱いと思っているらしい。私が今年、志賀高原の横殴りの猛吹雪の中でスキーを滑っていたのを見たら失神するでしょう。

検査が終わって医師の説明を聞くと結果は良好、すべての値は上限と下限の範囲内、特に骨密度は基準となる30代女性の120%以上、素晴らしい。いい気になっていたら、それで一箇所だけ、腸に多少問題がとなった。腸の内視鏡検査は今までもやっているけれど、内部を空にしないといけないので前の夜から異常な量の水と薬で腸を空っぽにする。それが辛くて今回は内視鏡を省略して済ますつもりだったけれど腸内潜血反応が出てしまったらしい。ならば仕方がない。前夜から入院ということになった。

去年の一年間ひどいストレスに晒されていたので腸に異変はやむを得ないかもしれない。腸は脳と直結しているらしいから。万一何かが見つかったとしてもこの年なら進行も遅い、命にかかわってもあきらめもつく。思えばすごくいい人生だった。健康と仕事と、特に人に恵まれた。愛する人がいて猫に好かれればもう十分。

そして今朝、今までどうしても横向きにしか降りられなかった階段を縦に降りることができた。足が戻った。少し短めなのが残念だけれど、そこはご愛嬌ということで。













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