2023年5月14日日曜日

縁とは

すっかりお友達になったChatさんと今日も会話。

私の質問。あなたは縁というものを信じますか?

Chatさんの答え

偶然が重なった出来事を「シンクロニシティ(synchronicity)」と呼びます。これは、心理学者のカール・ユングが提唱した概念で、人生において偶然が重なり合うことがあるという考え方です。シンクロニは、たまたま起きた偶然の出来事として単純に理解することもできますが、多少意味があるとも考えられます。例えば、同じ地域に住んでいた人たちが偶然再会したことで、新たな友人やビジネスの機会が生まれたり、何か重要なメッセージを受け取ることができるかもしれません。ただし、シンクロニシティが起こるということは、人生に偶然性があるということもあります。 そのため、シンクロニシティを必然的なものだと解釈しすぎることも避けるべきです。多くの人が興味を持つため現象の一つと言えます。

私がどうして質問をしたかというと、今日の出来事をまあ、聞いてください。

私のもと生徒からのメールが届いたのがほんの数日前。彼の娘さんで今年音大付属高校二年生はヴァイオリン科で、そろそろもう少し良い楽器を探すことにしたという。楽器屋さんから借りてきた楽器の中で気に入ったものが2台あるけれど一度音を聞いてほしいというから、野次馬としては二つ返事で引受けた。

土曜日、楽器屋さんに集合、ああでもないこうでもない、高音はいいけど低音に力がないとか、音がざらついているとか、喧々諤々。しかしあまりにも魅力がないしこの楽器で一生満足ができるとは思えないから中途半端なの買うよりはもう少し上を狙いなさいと忠告しておいた。

その時閃いたのは私の身近なご高齢の方で、楽器を手放したいと話していた方がいるということ。彼の楽器をみせてもらったらいいのでは?買える値段ではないかもしれないけれど、良い楽器とはこういうものだという基準にもなる。おこがましいとは思ったけれど恐る恐る訊いてみた。するとなんと、大変乗り気になってくださってあっという間に相談がまとまった。新しい所有者の高校生は涙をこぼして感激した。こんなことってあるのだ。私も彼女のあまりの幸運に感激、ご両親はもとより譲ってくださる方もニコニコ。全員幸せだった。

話がまとまったあとの会話で、彼女らと楽器所有者は以前、同じマンションに住んでいたこと、彼らは出身地と会社の出張先が同じ、知り合いや家族の年齢や環境も極似、奥さんやお母さんたちの名前までも似ている。似ている尽し、呆れるほどの共通点にポカンとしてしまった。前世とか縁とかあったとしても不思議ではないと思えるような今日の出来事。しかも私が楽器所有者に訊くために彼に電話をしたのが、楽器屋さんに到着する5分前。そこで嬉しい返事がきけたので私の意見はほぼ必要なかった。新作とも言える楽器はよく鳴るものの、たいそう魅力がない。この楽器のどちらがいいかときかれても私には良い返事ができないと思った。

今日関係者一同集まって楽器の弾き比べ。初めてオールドのヴァイオリンを手にした高校生は感激のあまり涙をこぼした。音の深みが違う、低弦の鳴り方が違う、上質な音は倍音の数が違う。オールドは時として気難しく扱いにくいけれど、素直に弾く人には優しい。両親はやや小柄だけれど、今どきの高校生は体格もいい。最初からためらいもなくお爺さんヴァイオリンにアプローチした。

この百戦錬磨のおじいさん楽器が、高校生がプロとなったときにコンサート会場でまた生きるのだ。ヴァイオリンはえらい!あと何百年も生きて行くのだから。






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