自分の身の回りの衣類を見渡すと、いやにイタリアのデザインが多い。
今日は文化会館のコンサートを聴きに行くので、いつもよりすこしおしゃれをしようと思ってワンピースを来ていくことにした。
イタリアンシルクの薄緑を基調にしたペイズリー模様。
イタリアンペイズリーと言うらしい。
5分袖で、今頃の季節には重宝する。
なんでもイタリアンをつけると美味しそうに聞こえる。
これはイタリア直輸入だから、正真正銘のイタリアもの。
そして白いジャケット。
これもイタリアもの。
それから靴はルコラインの薄いグレーのスニーカー。
外側に光るRのロゴマーク。
ハイヒールが履けなくなったので、おしゃれなスニーカーを履くようになった。
ルコラインは足にぴったりで、何足も持っている。
それからバッグはやはりイタリアのブランドのグレーにスカイブルーの色が美しい。
こうして考えると驚いたことに、私の衣類はイタリアの製品が圧倒的に多い。
困ったことに中身が日本人でしかもとりわけ小柄なので、サイズ合わせに苦労する。
近所の服のリフォーム店に持っていって、丈つめやデザインの変更をお願いする。
そこの奥さんが言わずもがなのことを言う人で、いつも腹を立てて帰ってくる。
仕事はきちんとするけれど「こんなに切っちゃうの、もったいない」とか「本当にこんなに短くしていいの」「模様がなくなっちゃうわねえ」とか・・・
「だって小さいんだから仕方がないでしょう」思わずムッとする。
切らなければ「松の廊下」状態で引きずってあるかなければいけない。
小さいのは別に自分では気にならない。
ちょっとしたからかいも愛情表現と受け取って一緒に笑えるけれど、事実をドーンと突きつけられるといささかムッとする。
不思議なことに大柄な女性をからかう人は少ない。
大きいことは良いことだ~と歌った山本直純氏は小柄だった。
チワワをかまう人はいてもボルゾイを笑う人はいない。
小さいのはかまう対象になるのはいささか腑に落ちないぞ。
と言いながら小柄で得することが多いのも事実。
大抵の男性は、私が荷物で苦労していると手を差し伸べてくれる。
スーツケースが必要以上に大きく見えるらしい。
世話好きの女性もなにくれとなく面倒見てくれる。
甘ったれの末っ子は、世話されるのが大好き。
さてイタリアのデザインが好きなのには理由がある。
とにかく面白いからなのだ。
随分前に買ったセーター。
深みのある紫。
前身頃の斜めの編み込み模様も素敵。
でも、不思議なことに前身頃と後見頃と長さが違う。
やけに前身頃が長い。
不思議に思ったけれど、そんなデザインだと思っていた。
ある時やっと気がついたのは、日本人女性とイタリア女性のバストのサイズの違い。
試しにストッキングを胸に詰め込んでみたら、なんと!前後の長さが揃った!
そんなふうにサイズは特に私には合わない。
カタログで膝丈と書いてあるのはくるぶしまで、ミニと書いてあるのは膝丈になる。
これはある意味重宝で、すこし長めの物を買うとロングドレスになる。
以前仕事場でよくお目にかかったピアニストのKさん。
「nekotamaさんって本当に変わった格好するよね」
それだけでなく「nekotamaさんって本当に変わってるよね」
それだけでなく「nekotamaさんって本当に変だよね」
おいおい、そこまで言うか。
そうなんです、私は変わっています。
それはあまりひと目を気にしないからなんです。
自分が面白いと思った物が好き。
人間も、私の周りには変わった人だらけ。
今日来ていく予定の白いジャケット。
綿、シルク、メタルの素材で皺加工。
「変わった素材ですね」と言われたら「顔とコーディネートしました」とでも言おうと思っている。
メチャクチャ大きな皺が寄っていて、アイロンをかけてもどうしようもない。
私もすでにアイロンがきかない段階の皺加工中。
別にイタリアのものだから買うのではなく、ほしいと思ったものがたまたまイタリア製品ということなのはヴァイオリンを弾く人だから?
イタリアのデザイン、前身頃が長くできているんですか。それはスゴイ発見。
返信削除お化粧は「社会への参加意欲の表われ」なんだそうです。
私ちょっと足が動きにくくなってかっこ悪く、それもあって、外出するときお化粧をきちんとするようになりました。
やっぱり私たちくらいの歳になると、「周りにどう見えるか気を遣ってる」印象を与えることは大切なんですね。
ヨーロッパのものはたいてい胸が大きく開いていて胸の谷間を見せるデザインですが、私が着るとさびし~い枯野原みたいな胸なので似合わない。
返信削除やはりあちらの人の肉体は立派ですよね。
中年過ぎたらやはりすこしおしゃれだなと思われるようにしないと、人生そのものがだらしなくみえてしまうとか、逆に物事に囚われない素敵な人と思われるか・・・それはやはり、人間性の差が出るのですね。