見つけてしまったのだ!気持ち悪いものを。
今年の冬はコロナ感染が一際拡大したので外出もままならず、家にこもりっきりになった。私はこの時期毎年恒例の気管支炎になるはずだったのに、無理をしなかったので風邪も引かず食っちゃ寝の毎日、おかげで咳が出ることも殆どなかった。何もしないから体力は有り余っているはずだと思っていたけれど、とにかく眠気が襲ってきてうたた寝の毎日。これではいかんと思っても緊張感のない日々を送っていた。
ハウスダストと乾燥が喉には大敵だから、毎日加湿器をボウボウと炊いていたら、朝起きると窓の内側が水滴でしっとりしている。しっとりくらいならいいけれど、設定を誤るとびっしょり、これでよくカビが生えないものだと思っていた。どこにもカビは見つからない。ふーん、こんなに結露がひどくてもカビって意外と生えないのだと思っていた。だがそれは甘かった。
換気扇を回すのでコンロに近づいた。換気扇のボタンは私には手が届かないから、すりこ木とか包丁とかを持って手を伸ばして押すことになる。それで上を見たらふと目に入ったのが窓枠の上の方。本来茶色のはずがなにか白っぽいホコリが付いている。よくよく見たらカビだった。上の方だからめったにそんなところは見ない。きゃあ~~~~!
お風呂場とか洗濯機などの水回りはいつも注意している。掃除が不得意な私でも今までカビは、はやしたことがない。加湿器はベランダに出る窓のそばに置いてあって、結露するのはいつもその近くの窓だけ。キッチンの窓は加湿器からは離れていて、そこの窓ガラスが結露したことはない。けれど温められて軽くなった湯気が、天井付近から漂ってキッチンの窓付近まで到達したらしい。家の中の空気の流れがそこにカビを生やしたらしい。
気がついたのは昨夜のこと、今朝は起床するなりカビ退治を始めた。ホコリは許せてもカビだけはだめ。カビの性悪さはよく知っている。いつからこうなったのか。知らずにいてカビの菌を吸い込んでいたとしたら、最近の不調がこやつらのせいだと言えるかもしれない。
掃除を始めると、窓枠の上になかなか手が届かない。私の身長は最近ますます地面に近くなって、そろそろ手のひらサイズ。大きさはそうでも重さはたっぷりあるから手の平に載せられる人はいない。しかし、掃除をはじめてびっくりしたのは、去年までだったら踏台に登ることすらできなかったのが、足の筋肉が復活してきて椅子でもテーブルにでも上がれるようになったこと。ノロノロとでも復活の兆しが嬉しい。
うちに出入りのリフォーム会社の社長は180センチ超えだから、打ち合わせのときに話が噛み合わない。「ああ、ここはきれいですね」とか「ここのキズは直しましょう」とか高いところの話をしていてハッと気がついたように「あ、見えないんですね」私の頭のところまでしゃがんで「アハハ、見えない」鬼の首を取ったように笑う。毎回なのでもう飽きたよ。ウドの大木、さんしょは小粒でピリリと辛い、って言葉知ってる?
あと10センチ身長があれば大概の用は足りる。その差が苦労の種で、仕事がはかどらない。その代わりどこに行っても優しい店員さんたちの保護を受けることになる。重たい買い物かごは一人で持ったことがない。たいてい誰かが荷物台まで運んでくれる。体の大きな人が言うには、自分は大きいから丈夫だと思われるけれど、本当はそれほどでもないのよ。体の小さな私がつぶやくのは、私は小さいけれど結構力持ちなんだから、でも楽だから持ってくれる人がいたら持ってもらうに限る、ウヒヒなのだ。
このまま足の調子が復活してくれれば、またどこへでも旅行できる。ちょうどコロナの時期と私の体調不良が重なってタイミングが良かった。最近の2年間の足の故障は動くな!という天の声だったのだ。来年、海外でスキーができるなら、またヨーロッパですなあ。スイス、イタリアと国境超えのツアーなんかできたら思い残すことはない。
カビ退治のついでにカーテンも洗って、今日は家がきれい。これがいつまで続くことやら。