2021年12月13日月曜日

高齢者運転免許更新その2

認知検査の結果は満点、免許はゴールドだから、すぐに 次の運転技能講習と視野の検査が受けられることになった。やはり教習所に行くのとは大違い、どなたにも運転免許センターでの講習をおすすめする。認知検査が良いと次の運転技能講習料金も安く時間も短くてすむから、行く前にネットなどで調べてしっかり用意をすることもおすすめ。16通りの絵を見せられてその場で記憶するなど普通の生活ではしない。私の友人はなんの準備もせずにおっとりと構えていたら訳がわからず、認知機能に問題ありとされて長時間の講習を受けることとなった。本当はすごく頭のいい人なのに。

三年前の検査のときには教習所で受けたので予約もなかなか取れず苦労した。教習所の方は混雑に対してなにか偉そうに振る舞われたのも癪の種だった。私は神奈川県だから他の地域の運転免許センターのことはわからないけれど、受付も講師たちも非常に感じよく、時間的にも融通がきいて楽な気持ちで受けられた。教習所の待合室は大混乱で、コロナ禍の中、あんなところで受けなくてよかったと心底思った。

時間の融通がきくので、早めに行っても席さえあけばすぐに認知機能検査を受けさせてもらえた。各自一斉にというのではなく、タブレットを渡されて個人別に受けられる、これは時間の有効な使い方。机の間が広く他の人に邪魔されることもない。前回の教習所で受けたときには、隣の女性に悩まされた。携帯電話の電源を切るように言われているのに頑として切らない。あげく、ひっきりなしに着信音がなって集中力を妨げられた。今回は教習所の教官のくどい説明でなく、録音された簡潔な説明がイヤホーンで流れてくるからすぐに理解できる。説明はわからなければ何度でも繰り返し聞ける。ただし答案にかかる時間はキッチリ制限される。イヤホーンのおかげで余計な雑音は聞こえない。それぞれのペースですすめることができる。

運転技能講習は予約より30分早いグループに入れてもらえた。受験者はすごい高齢者ばかり。へー、あんな足元もおぼつかない人でも受けるの、なんて感心して見ていたけれど、自分もその中のひとり、傍から見たら全く同じように見えるのだと思うと否応なしに歳を思い知らされる。椅子から立ち上がるときには用心してそろそろと、歩きだしはこわばってうまく歩けないなど。しょっちゅうトイレに立つ人がいたり、口がよく回らず試験管の質問にうまく答えられなかったり。となると、車の運転はもうおやめになったら?と言いたくなる。私?私もやはりそういう年齢なのだ。こういうことも今回が最後かな?

しかしそれでは田舎暮らしができなくなる。せめてあと2回は講習を受けたい。運転技能講習の車はトヨタのプリウス。やはり私には少し大きめ。ダッシュボードがゴツく張り出して、座高の低い私には首を伸ばさないと周りがよく見えない。こうなると今私が乗っている車「ニッサン・ノート・パパゲーノ」は私のために作られたようなサイズ。日産さんありがとう。

最初の一歩は段差乗り越え。段差の手前に低い傾斜があって車はそこに乗っている。傾斜から段差に車を載せてすぐに停める。教官が助手席の窓から飛び出さないようにゆったりと衝撃のないように停めたら、遅すぎると言われた。なんだ素早さを見るため?それならそうと言ってくれれば電光石火で載せたのに。どちらかといえばそちらのほうが得意。

トヨタ・プリウスは運転しやすい。私の運転のはじめはトヨタ・パブリカ、そして初代カローラからしばらくトヨタ車が続いた。日産の車の走りは直線的、トヨタの車は曲線的、それぞれの特徴があってその後はずっと日産。しかし最近はトヨタも日産もあまり違いは感じない。昔のふわふわしたトヨタ車の面白みは消えたようだ。そのかわりどの車も運転のしやすさはほとんど変わりなくなった。あとは私の体の大きにさえ合えば。

体が低く沈んでいて周囲がよく見えないから脱輪一回。あとは順調で楽しそうに見えたらしい。教官が「ああ、やっぱり運転お好きなんですね」と。車に乗る前にいくつかの質問があって、その中に運転は好きですか?というのがあった。もちろん好き。車を買い換えるときに試乗車に乗ると、たいてい運転お好きですねと言われる。ハンドルを握ると生き生きする。これもボケ防止に役立っていると思う。高齢者が運転を誤るのは、普段あまり車に乗らないからではないかと常々思っている。私は高齢になってからはむしろ運転回数を増やしている。楽器の練習と同じように毎日運転をして腕を落とさないように。長距離も以前より頻繁に出かける。そのかわり自分に常に言い聞かせる。若い頃のように反射神経だけで運転をしてはいけない、と。確認に次ぐ確認。だから少し動作が遅くなる。今回の車庫入れはいつもより真っ直ぐに入れられた。いつも誰かに見られていると思えばいいのだ。

人が見ているとちゃんとやるというというのは楽器のときも同じ。一人で練習しているとダラダラ、ステージに立つと背筋が伸びる。ところが9月の「古典」のコンサートのときには背筋がかなり緩んでいたようだ。老けたねと言われた。でもね、そういうあなたも一緒ですよ。長年のお付き合い、歳だけは誰にも平等に訪れる。自分はまだまだなんていう人は己を知らない。人は大抵自分は他の人より若くみえると思っているそうなのだ。鏡の前の自分と無意識でいるときの自分と、もし傍から写真を撮られたらギャッと言いたくなるほど惨憺たる映像になる。他人がいなくても鏡がなくても背筋だけは伸ばす癖をつけておいたほうが良い。

無事に高齢者講習が終わって新しい免許証を手に入れるまでは、違反をしないようにと注意を受けた。違反するとこれまでの好条件が帳消しになってしまい、再度講習を受ける羽目になるらしい。講習料金も高くなる。あと3ヶ月間、ドキドキしながらコソコソ運転、そういうときに限って一方通行を逆さまに走ったりするのではないかと、いやいや、考えないでおこう。実現してしまったらいけないので。







0 件のコメント:

コメントを投稿