軽井沢の大賀ホール。私が北軽井沢を訪問するようになってから度々コンサートをここでという話が持ち上がっていた。それでもモノグサな私は面倒で自分から動くことはなかった。今回ピアニストのグループから話があって、一人10分くらいの持ち時間で曲を持ち寄って遊ぼうという。軽井沢在住の人達、アマチュアの人たちがよくこういうことで使っている。立派なホールだけれど、人口が少ない避暑地なので比較的空きがあって予約が取りやすいらしい。
5月30日いかが?という問い合わせ。もちろん空いているけれど、10分というとすごく短い曲しか弾けないし1ヶ月で仕上げるとなると、あまり難しい曲は選べない。他にカルテットとクインテットを組んでいるのでそちらの練習もある。蜃気楼を見に行かなければならないし、遊びに差し支えないようにしないと。幸い魚津市の蜃気楼予報は、まだ立派な蜃気楼の通知はない。
今日の蜃気楼通信でもランクDの蜃気楼の予報。予報聞いて飛んでいっても到着時にはかき消えているかも。6月上旬が蜃気楼の期限らしいから、5月の連休に出なければ私はコンサートの準備で動けない。5月が終わって6月になれば自由がきくからそこが勝負。
つい数日前までロシア・ウクライナの戦争のニュースで持ちきりだった。ところが、やあ!お久しぶり、安倍前首相が久しぶりにテレビ画面に現れ日本の防衛費の増額を訴え始めた。ハハ~ン!毎日の戦争報道はここに持っていくための伏線だったのか。本当に戦争好きなお人と見た。しかし男性が戦争好きなのはテリトリーを守ろうという本能的なものなのか。私にはわからない。何よりも平和であることが人類の望みだと思っているので。戦争やって何が面白い。たくさんの孤児たちと未亡人を残し都市は破壊され、恨みつらみだけが残り惨憺たることなのに。
いまやロシア憎しが世界中に蔓延している。なんと、チャイコフスキー・コンクールが国際世界コンクール世界連盟から除名される決定がくだされたと聞いて呆然とした。誰が悪いってプーチンが悪い。なぜ権威も歴史もあるコンクールに影響が及ぶのか。ロシアは今回のウクライナ進攻で世界中から非難されているのはもっともだけれど、すべてを否定するような現状は魔女狩りに近い。ロシアの国民は日本でもヘイトの憂き目にあっているという。かつて第二次世界大戦で日本が演じた愚行を考える。これも歴史の通過点なのかと思う。
ロシアの文化が世界に与えた影響は大きい。世界的な文学者、作曲家、演奏家、バレリーナなどすぐに何人もの名前が浮かび上がる。この文化まで否定するのかと思うと暗澹たる思いがする。日本的な考えからは少し理解できないようなズンと肝に響くような暗さ、重さがある。それも彼らの魅力になっている。私がまだ小学生か中学生であったころ、ロシアのレニングラード・フィルやドン・コサック合唱団、レオニード・コーガンなどの演奏を聞いて、そのパワーに圧倒された。小学6年生の夏休み、私はドストエフスキーの「罪と罰」を読んで感動に打ち震えた。その後も「カラマーゾフの兄弟」を読んでロシア文学にのめり込んだ。トルストイの「アンナ・カレーニナ」「クロイツェル・ソナタ」と立て続け。こうしてみるとあの頃はずいぶんロシアかぶれだったのかもしれない。
オーケストラに入団した頃、アルヴィド・ヤンソンス(マリス・ヤンソンスの父)の指揮で緊張に震えながら弾いたことも。明るいブルーの目、高い鼻、輝く銀髪、まるでハリー・ポッターのダンブルドアのような風貌だった。モスクワバレエやボリショイバレエ団の仕事もあった。日本のバレエ団に比べ、圧倒的な技術の高さ、豪華な衣装、装置に驚かされた。プロコフィエフは私の特に好きな作曲家で、リサイタルの曲目に彼のソナタを弾いたこともあった。
今ロシア憎しといってすべてを否定するのはおかしい。なぜこうなるのか理解に苦しむ。この駄文を読んでくださる人たちはこのようなことはないと思うけれど、ヘイトコメントが様々なサイトにあふれているという。悲しい。一人の殿のご乱心から始まった戦争でロシア国民全体を否定するのはただのヒステリーです。
0 件のコメント:
コメントを投稿