2023年3月10日金曜日

古典音楽協会70周年

 先日古典音楽協会の70周年記念定期の第一回目の演奏会が行われた。たくさんの方たちが聞いてくださって、会場は温かい拍手に包まれた。

今年の秋の定期演奏会が第二回目、これでコンサートマスターの角道さんが引退される。そして私もこれで古典音楽協会での演奏に対しては最後になる。視力が弱って楽譜がよく見えないのが非常に辛くなってミスも増えてきたのがその理由。

合奏では弦楽器の同じパートは二人で一つの楽譜を見る。正面から見れば楽譜は自分の見やすい位置におけるけれど、二人で見ると相手の都合も考えてちょうど中央に来るように調整する。すると相手側にある楽譜は斜めから見ることになるので、大変見にくい。それでつまらないミスが出ることもある。長年お隣で弾かせていただいたコンサートマスターの角道さんは私に対して好きな位置に楽譜を持っていきなさいとおっしゃる。ご自身は暗譜しているからと。お見事!85歳にしてこの自信。

優しいメンバーに支えられ私もこれまでやってこられたけれど、次世代の若者が演奏する場所が少ないことを考えて引退するのが一番良いのではと思った。「古典」での演奏自体はやめるけれど他の形での協力は惜しまないし、新体制のファン第一号になりたいと思っている。

私がこの合奏団に参加したのはヴィオラのメンバーがひとり足りないというので当時のヴィオラのトップの伊藤正さんから誘われたのが始め。伊藤さんは大変真面目な方で本番はとても緊張するけれど隣が私なら緊張しないという?変な理由からだった。

私が一緒だとホッとするという人がよくいる。ヴァイオリンの古い友人も仕事場に行って私がいると安心するのよと言う。私は精神安定剤か!私は人間だあ、薬じゃないと叫びたなる。けれど友人達の信頼の証としてありがたく言葉をそのまま受け取っておこう。

先日コンサートが終わって楽屋にドサっとお祝いが届いた。これ誰の?と訊いたら私宛のものが多かった。え?私が引退するのは次の回なんです。ご遠慮したいと思ったけれど、お花のきれいなこと、お菓子の美味しそうなことでつい全部頂いてきてしまった。これで私はまた豚になる。

コロナ以来禁止されていたロビーでの面会が解禁となり大勢集まってくれた。音楽教室創立以来から今に至るまでの生徒たちも集まってくれて嬉しいけれど、次の秋の定期にはもうやめたものと思って誰も集まってくれなかったらどうしよう。まだ秋にも弾くのよ私は。やめたものと思うならいいけれど、死んだと思われかねない。まだ弾きますよ。独りでならまだ演奏予定ありですよ。クドクド言うけれど。

古典のメンバーは仲が良かった。物静かで品が良く他人の悪口は言わない。自己主張も控えめ。その中でガンガン主張する私は異端児だった。けれど暖かく仲間として迎えてくれた。活躍するチャンスもたくさん頂いた。そしてまさかこれほど長続きするとは思わなかった。

けれど新体制からはまさかの資金不足で青息吐息、こんな状態でさっさとやめてしまうのは無責任でなんとか資金確保に動きたいと思う。皆様が聞きに来てくださるのが希望の星なのです。どうぞ次世代古典音楽協会もよろしくお願いします。

次回は9月28日(木)午後7時開演 東京文化会館小ホールです。ご来聴お待ちしております。






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