今年も北軽井沢ミュージックホールフェスティヴァルに参加することになった。
本番は9月9日(日)昨日のことでした。
夏前にお話を頂いたけれど、去年のフェスティヴァルは天候に恵まれず最悪の条件となったので今年は参加を躊躇していた。
それでも数人の人たちが今年もやったらどうかと言うし、なんでもお手伝いしますよと言うので参加を決めた。
メンバーはいつもの雪雀連の演奏家たち。
楽器はヴァイオリン2人、ヴィオラ1人、コントラバス1人、ピアノ1人という編成なので、弾ける曲が限られてくる。
それでもチェロパートをヴィオラに移調したり、ヴィオラ2本のソロをヴァイオリンで弾いたり、悪戦苦闘してプログラムを作り上げた。
今年のプログラムは
ヴィヴァルディ:四季より「秋」
テレマン:ヴァイオリン二重奏
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番
ドビュッシー:アラベスク第1,第2番
グリンカ~バラキレフ:ひばり
ロッシーニ:ヴィオラとコントラバスの二重奏曲ソナタ
作曲者不明のヴィオラとコントラバスの二重奏曲
ラヴェル:ボレロ
前半はガチガチのクラシック。
後半は彩り豊かに明るく楽しい曲を揃えてみた。
プロデュースはnekotama。
結構コンサートの構成を考えるのが好きだけれど、楽器の編成の都合上できない曲があるのが悩みのタネ。
ロッシーニの曲も本当はチェロとコントラバスの編成を、無理やりヴィオラ用に書き直してもらった。
作曲者不明の曲は本当はコントラバス2本で弾くものらしい。
バッハのブランデンブルク協奏曲6番は本来はヴィオラ2本用、それをヴァイオリンがしゃしゃり出て別の調子で弾かせてもらった。
ラヴェルのボレロはスネア(小太鼓)がないから、私がG音でボレロのリズムを刻んでみた。
そして思ったのは、このリズムをスネアがたった1人でピアニッシモで始めるときのプレッシャーは如何ほどのものかということ。
大きなホールの大編成のオーケストラの中で唯一人、よくまあ手が震えて叩けなくならないでいられるものだと思った。
打楽器奏者に尋ねると、皆震えるそうなのだ。
大編成のオーケストラの前に出されてただ1人、数千人の聴衆の前で注目を浴びて、私なら数ヶ月前からお腹を壊しそう。
聴いている人たちが想像もつかないような過酷なことが、オーケストラの中では起こる。
ボレロの中にトロンボーンのソロがあって、それはとんでもなくプレッシャーなのだ。
そのソロをほんの僅か失敗して自殺したヨーロッパのトロンボー(ン)ニストもいたくらいで。
今回のスネアのリズムはヴァイオリンで呑気に始めてみた。
もちろんスネアもトロンボーンもいないから、弦楽器だけの編成。
大編成なら多彩な音色の変化がつけられるけれど、家内工業、零細企業のわが楽団は弦楽器でしょぼく始まる。
それでもこの曲は受ける。
なにか動物的な本能を掻き立てるものがあるらしい。
ずっと同じリズムを刻まれると、人は忘我の境地に入る。
ラヴェルの天才たるゆえん。
去年は天候に影響されて高湿度のステージは地獄のようだった。
それでも本番が始まると雨がやんだ。
今年は当日未明までは土砂降り。
ところが明け方雨はやんで、本番の頃には晴れて青空と雲が見えた。
どうやら強力な晴れ女の私のおかげ?オッホン!
このホールはシャッターを開けるとダイレクトに庭になってしまうから、外気はお構いなく入ってくる。
屋根にどんぐりの当たる音がする。
外の街道を走るトラックの騒音も交じってくる。
コントラバスとトラックの音は周波数が同じレベルだから、同時に鳴ると区別がつかなくなるとはコンバス奏者の言い分。
ま、良いではないですか、秋の日のうららかな午後、トラックのエンジン音のBGM入のコンサートでも。
これから北軽井沢は紅葉で全山が燃えるように彩られる。
最高に美しい季節を迎える。
今回はコンサートのためだけで慌ただしく帰宅したけれど、来月は猫連れで長逗留をしようと、家主さんのノンちゃんと相談している。
1番のネックは我が家の猫。
きょう帰宅したら、放置され、すっかり怒り狂っていてシャーシャー威嚇された。
留守中餌をやってくれた姉は、一回も姿を見なかったとのこと。
連れていきたいのに、こんなに人見知りでは長距離のドライブや新しい環境に馴染んでくれないのではと心配している。
猫に紅葉を愛でる気持ちを期待できるかどうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿