2020年1月15日水曜日

情けは猫の為ならず

最近nekotamaの内容が暗いというご指摘があった。
それはそうでしょう、老いてなお明るくというのはなかなかできない。
体のアチラコチラが痛い。
すぐに疲れて色々できなくなって、記憶力が落ちて人の顔も定かでなくなって、近所の猫だけはわかるというのは大変なショック。
元々ガンガン動いてきた者にとって、その全てが否定されていくわけで、しかも回復の見込みはないというのでは、いくら脳天気な私にしてもあまり明るい材料はないということなので。

それでも私の母は亡くなるまで笑い上戸だった。
その系統なので私もよく笑うのが救いかもしれない。
その私に明るい話題ができた。

猫の話しだけれど、去年、近所のボスねこに追いかけられて失踪していた白黒の猫が戻ってきたのが明るい話題。
雨の日に近所のベランダで濡れそぼって情けない声で泣いていた白黒猫さん。
ボスねこが襲いかかって、あっという間に駆逐されてしまった。
その後とんと現れないので、どこかで野垂れ死にしたのではないかと心配していた。
その頃は痩せていていつもお腹をすかせていた。
それがここ数日前似てはいるけれど、とても太って丸々した猫が現れた。
私を見ても逃げないどころか、足元にすり寄ってくる。
ん、もしや?

しかし毛艶もよく一回り大きいし。
いや~、それにしても似ている。
耳に不妊手術の印である切り込みも入っている。
その日から我が家のモーニングサービスに通ってくるようになった。
ああ、やはり、生きていてくれたのだ。
ボスねこは私が餌をあげなくなってから羽振りが悪くなって、最近とんと見かけなくなった。
それでも野良はたくましい。
きっと、どこかで番を張っているに違いない。

モーニングサービス再開。
ボリュームも味も申し分ないと見えて、毎朝ちゃんと待っている。
一体どこの家でくらしているのかしら。
その家の人は最近うちの猫が家によりつかないと心配していないだろうか。
飼い主がわかればうちの猫にいただきたい。
今一人ぼっちのうちの猫。
私が留守のときに寂しいと思うのでお友達に。
私の年齢からいうと成猫でないと飼いきれない。

私があと何年生きられるか予想して飼うと、子猫は無理。
しかし白黒ちゃんの身ぎれいな様子から見ると、あきらかに飼い猫。
かと言ってやたらに猫を飼う気はすでにない。
気の合う子が一番良い。

猫には随分助けられた。
かなりシビアな世界で仕事してきたので、緊張の毎日。
ドキドキして夜中に目が覚めることも多々あった。
そういうときに猫は人の気持ちを察するようだ。
スーッと寄ってきて傍らに寄り添ってくれる。
激しく動悸がしていたのが、猫の背中を撫でるとあっという間に平静になれる。
猫効果は私の生活をいつも明るくしてくれた。
私は今まで何十匹もの猫を保護して養ってきたけれど、猫が私に助けられたのか、私が猫に助けられているのか、どちらともはっきりしない。

しばらく餌をやっていた猫が最後の数日私に会いに来てくれたこともあった。
それまで絶対に撫でさせてくれなかった彼が、私の伸ばした手を恐れなくなって背中を触らせた。
最後の3日間私の手から餌を食べ、そして消えた。
ちゃんと礼儀を心得た猫さんだった。
人間以上に情の深さを感じた。
こういう些細なことが私の思い出の中に、ポッと明るく灯ってくれる。
猫さん達ありがとう。



























0 件のコメント:

コメントを投稿