年が明けて2日から志賀高原でスキーを楽しんできた。
楽しんでと言うと,とてもたくさん滑ったかのように聞こえるけれど、元々私はオオナマケモノにあこがれているからのんびりと。
他の人達が気が狂ったように滑っているのに、ほんの半日とかほんの数時間とかでお終い。
去年以来足首を度々痛めたので、今年はますます怠け癖に磨きがかかった。
足首の痛みはスキーブーツを履いてしまえばなんのことはない。
普通に滑れる。
ところが寒さでカチカチになったブーツの足を入れる部分が広がらないと、それを履くことによって新たに捻挫しそうな勢いなのだ。
今回は頼もしい女子Nさんがいて、ヒーターの前に置いて柔らかくしたブーツをエイっとばかりに広げてくれた。
最初の日に自分で無理してはいたら、激痛だったのでめげてしまったから、またしても他力本願でいくことに決めた。
人に頼るのを良しとしない人が多いけれど、私は頼れるものなら猫でも頼れの口。
その日はSさんに金魚のフンのように張り付いて着脱をお願いした。
履くのも地獄脱ぐのも地獄、それでいて一旦足が入ってしまえば痛みはなくなる。
むしろギブスの役割をブーツがしてくれる。
足がブーツに収まったところで、それぞれのバックルをしめていく・・これも地獄のような作業。
なぜなら、暮れに自転車で転び、駅で若者に足が引っかかって転び。
その都度肋骨にヒビが入るらしく、前かがみになると猛烈痛い。
ブーツのバックルは硬く、これをしめるのはかなり硬くて力がいる。
肋骨が軋む。
その上咳喘息とやらの咳が追い打ちをかけてくる。
ええい、野郎ども、ひと束になってかかってこい!と言いたいところだが、半べそかいている。
そんなときに大事を取って体を怠けさすと、どんどん筋肉が落ちてしまう。
それにならないように痛みはないものと決めて行動することにした。
その結果一時期回復に向かっていたけれど、やたらに筋トレしたら、元の木阿弥。
いつでもやり過ぎるので、オオナマケモノの理想にはまだまだ近づけない。
今年の志賀高原は雪が少ないと心配していたけれど、到着2日目には夜中に積雪があって、非常に良いコンディション。
高天原にあるホテルTは初めて泊まったけれど、感じの良い過ごしやすいホテルだった。
なによりもフロントマンが陽気なのがいい。
建物は古いけれど、楽しく宿泊できた。
初日は半日滑り、2日目はいつもどおりおサボり。3日目の午前午後、痛む足をブーツに押し込む苦痛をこらえて、滑った。
最後に皆が帰る日は帰省ラッシュの最終日、恐ろしい混雑が予想されていた。
それで私は一人居残って、次の日に帰ることにした。
なんでも一番楽な方法でいきたいので。
友人たちが帰った後はのうのうと温泉に浸かり、昼寝をしたり、本を読んだり、テレビを見たり、ああ、お正月だとしみじみ楽しんだ。
その日は外は雪が降り続き、寒さは一層厳しくなった。
少し散歩しようかと思ったけれど、このところの運の悪さを考えると無難に家にいたほうが良いと結論した。
食堂での夕食は他のグループから外れ一人ぼっち。
すると厨房のスタッフが時々やってきて話しをしてくれる。
長野県だから蕎麦焼酎のお湯割りなんかどうです、とか。
もうひとり、男性のお一人様がいる方にはだれも寄り付かない。
なんだか気難しそうな人なので、煙たいらしい。
ロビーをウロウロしていると、スタッフがなにかと気を使ってくれる。
どうしたの?お嬢ちゃんなんて!あはは、お嬢ちゃんは半世紀以上も昔だった。
シングルルームは木の壁で簡素に、カーテンは可愛らしいギンガムチェック。
なんだか居心地良いなあ。
と思っていたら、隣の部屋との壁が薄く音がやたら聞こえるのにはまいった。
どうやらお隣は例の男性お一人さんらしい。
電話で話す声は筒抜け。
私が咳をすると、その後、隣の部屋でガタピシと戸を開け閉め、うるさい音がしばらく続く。
これって嫌がらせ?
彼がロビーをうろついていても、誰も声をかけない。
大体、一人でスキーに来るのは友達がいないから?なんて、大きなお世話。
かつて職場で偉い人をやってしまうと、リタイアしても偉さが態度に出てしまうといった口かな。
他人のこと言って、さて、私はどう人に見られているのかしら。
嫁から煙たがられて「お義母さま、モンキーパークで猿と温泉に入っていらしたらどうですか」と家を追い出されたお姑さんといったところかな。
次の朝、スタッフたちからバス停はすぐそばだから3分で行けると言われているのに、バスの出発時刻の20分前にホテルをでようとすると、まだ早いと制止された。
だって私は足元がおぼつかないし、停留所がみつからないと困るし、転ぶかもしれないからゆっくり歩くし、、とかなんとか言ってもまだまだと言われる。
バス停には小屋かなんかあるでしょう?と訊くと、それが無いから早くいかないほうが良いと言っているのですと言われた。
本当に親切なんだ。
フロントに人がいなくなったすきに10分前に玄関を出た。
なるほど!バス停は目と鼻の先。
空は晴れて気温はマイナス8度なのに風が弱いので、少しも寒くはない。
雪山を見ていたら、ああ、今日も滑りたいとチラッと思った。
いつも私は他の人達の4分の1くらいしか滑らない。
体力がないのと元々運動がすきではないから。
バスも列車も空いていて、順調に帰宅した。
もし昨日だったらこうはいかなかった。
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