2021年6月16日水曜日

ふざけた人生

 コロナのワクチンを打つ前に問診票に記入する。例えば今まで薬でアレルギーがあったとか、注射で具合が悪くなったことがあったとか、問題があったときには申告しないといけない。それは医師の側からすれば後で問題が起きないようにという配慮なのだけれど、私が少しためらったのが20年ほど前、狂犬病の予防注射で発熱したことを言うべきかどうかだった。よりによって狂犬病?日本で狂犬病は絶滅しているのに?このばあさん、なに冗談言ってるの?みたいな反応をされないかと思ったから申告しないでもいいかと思ったけれど、一応言っておいたほうがいいだろうと思ったので書き込んでおいた。でも見事に無視された。

それはそうだ、狂犬病なんて!でも世界で本当に安心なのは日本だけかもしれないのですよ。

1回目のワクチン接種時のときはためらったので白紙にしておいたら訊かれたから、チベットに行く前に受けましたと申告した。けれど医師も看護師も格別興味は示さなかった。これも嘘だ~い!と思ったのかもしれない。このようにいつもちょっと変な生活を送っているのでいちいち説明しなければならないのが煩わしい。狂犬病の予防注射を受けるには特別な病院へ行かないといけない。私の場合は新横浜の伝染病予防の専門科がある病院へ行った。世界の僻地に赴任する人たちはこういうところで予防注射を受けるのだろう。

日本人は特に清潔で、今までは大した伝染病も流行らなかったからのんきに構えている。けれど今度のコロナ禍のように今後も何が起こるかわからないのだから、そういった専門医を知っておいたほうがいいかもしれない。そこでは高山病の予防薬と治療薬も出してくれたけれど、中国人のガイドさんの「大丈夫、大丈夫」の連呼に騙されて飲まなかったら見事に高山病でひっくり返った。一晩中酸素ボンベで酸素吸入をして次の朝5000メートル級の山越えをするというからホテルの医師に相談したら、血中酸素量の検査をして「大丈夫」とお墨付きが出た。その時の数値が76%。帰ってから調べたら、平常値は99%~96%だからとんでもなく危ない数値だったことがわかった。もう少しで命を落とすところだった。

呼吸はかすかになり数メートル歩くこともやっと。本当に苦しかったけれど、現地の人の大丈夫に騙されて無事に還って来た。なんでも心配しないほうがいいのだとその時思った。心配しながら歩くのと、大丈夫と思って歩くのでは気分が違う。万一命を落としたらそのまま感覚がなくなるわけで苦しさも消える。ラインホルト・メスナーという人がいる。1986年、人類初の無酸素で8000メートル級の全山登頂を成し遂げた。写真を見るとちょっと原始的な感じの男。こういう男が私好み。おっと脇道にそれた。

中国人運転手の車の運転もすごかった。カーブで前が見えないのに突っ込んでいく。曲がった途端に対向車がすれすれに避けていくことが何度もあった。最近You Tubeの中国の動画でよく見る信じられない運転、あれは事実なのだと経験者は語る。中国人のお得意のセリフは大丈夫。そう、なんでも大丈夫なのよ。死んじまったらちょっと運悪かったねといえばいい。こういうのも私好みなのだ。とにかく面白かった。また行きたいけれどコロナが・・・

モンゴルで馬から落ちて紫色に腫れ上がった顔で帰国したことがあった。その顔でその数日日後、ニュージーランドから帰ってきたスキー仲間を空港に出迎えに行った。同じ仲間で成田空港に迎えに来た人が私とわからずウロウロしていたこともあった。こちらはその人のヤッケ姿しか知らず背広姿を見たことがなく、似ているけど違う人という認識で見過ごした。相手も私の顔にあんな大きな痣はないからと見逃して、結局お互いに気がつくまでたいそう時間がかかった。私の周りをウロウロしてチラ見してくる変な人がいるなと思っていた。飛行機から降りてきた連中が大笑い。やっといつもの仲間だとわかった。

ずっとふざけながら暮らしてきたので高齢になっても性格は治らない。ネットで最近見つけた言葉がある。宗教で来世の天国を願うなら現世を天国のように楽しく暮せばいい。なんだ私の考えと一緒じゃない。でも実際は常に天国のように暮らしてきたわけではない。そのためにつらい仕事もやってきたし、本気で勉強しないと仕事はもらえない。ちゃらんぽらんでいられるには本気の部分はまさしく本気。その落差が又面白い。確かに私はよく他人に言われるように幸運だった。言わせてもらえるなら幸運は運が8割、あとの2割は自分で作るものなのですよ。そこらに転がっているわけではない。恐れない、妬まない、ずるいことをしない。それが幸運のもと。特にずるいのはだめ。

さて、昨日受けた予防接種で腕の筋肉が痛くなったけれど、重大な副反応はまだ出ていない。今朝は平熱、腕のいたみもすでにやわらいでいる。やはり歳を取ると副反応も出なくなるらしい。狂犬病で熱を出した頃が懐かしい。






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