都会で暑さにあえいでいる皆さんには申し訳ないけれど、ここ北軽井沢は肌寒い。こんな事言うと殺されそうだけど。
今朝目が覚めたら午前時2時半、猫のトイレを見たら立派な「ぶつ」が鎮座していた。今だ!出かけよう。猫と一緒に北軽井沢に来るときには猫のトイレ事情に配慮しないと、とんでもないことになる。このところ3連敗。途中で大鳴きに鳴くからどうしたことかとケージを覗くともうあまりの悲惨な状態に鼻が曲がりそうになる。私は嗅覚障害だから大抵のものは臭わないはずなのに、これだけは我慢できないほど臭い。
今日はトイレにしっかりと出していたからこれで安心、今出れば向こうに着くまで静かに眠っていてくれるだろうと、急遽車を出した。近所に気兼ねしながら夜逃げのようにそっと荷物を積み込み、野良がのっそりと出てきたので少し餌をやり、いつもの渋滞が嘘のように空いている道路を走ってきた。ところがかかった時間はいつもとあまり変わらない。空いていることでスピードを出しすぎないように注意したので。
わたしはずっとゴールド免許でこれは免許書き換えの高齢者講習のときに非常に有利に働く。まず講習時間が短くなる。次に講習料金割引がある。それに免許の有効期限がながくなる。わたしは一度免許停止をくらったこと以外は模範的なドライバー。この先何年運転ができるかわからないけれど、常に一番有利なポジションにいたいということで、頑張って安全運転を心がけている。車自体がこの先も進化し続けると思うので、完全自動化が夢ではなくなる。
例えばベッドで寝ていると車が起こしに来てくれる。「そろそろ出発しませんか」なんて。「今日の服装はこれでいいですか」と着るものを揃えてくれる。ベッドから車椅子への移動もサポート、運転席まで運んでくれてスターターセットしてくれて、ナビに入れた道をスイスイ走って目的地へ。なんて夢のよう。でも現代の科学ではもうそんなことは簡単にできそうな。
到着は午前6時半、やはりいくら空いていても3時間はかかる、渋滞なら4時間近くなる。北軽井沢の森に中に入ると、いつもよりたくさんの車が停まっている。4月ころ頻繁に来ていたときには、広い別荘地に2,3台、閑散として人気がない。ほとんどわたし一人で住んでいるようなものだった。コロナが異常に感染拡大している今、都会を逃れてきた人たちがリモートで仕事をしながら定住するようになっているらしい。
さて到着、ドアを開けて猫のケージを取り出そうと助手席側のドアを開けたら、ん?なにかおかしい。ケージのファスナーを開けたら、あらま、今日もまたやられてしまった。ちゃんと確認してからでかけたのに、まだ残っていたのだ。途中でなにか騒がしく騒いでいたけれど、カーブがきつい山道がいやで鳴いているのだと思っていた。きっとその時に粗相したのだ。
動物を飼っているとこういうことはしょっちゅうある。これを汚がっていたら動物は飼えない。もちろんすごく煩わしいけれど、そういうことも含めてすべてがその動物の愛おしさだと思えばいい。可愛く元気なうちだけ飼って病気や老いに瀕した動物を平気で捨てる人がいる。信じられない。わたしの猫も最近毛艶がなくなり腰が曲がってきた。それを見ているとわたしに連れ添ってくれた年月を感じる。いつまでも元気でいてくれるように願わずにはいられない。
楽器のために一番小さな部屋を乾燥室にした。部屋の大きさよりも容量の大きな乾燥機を設置してもらったので、小さな洗濯物ならあっという間に乾く。そのくらいにしないとこの森の木々の吐き出す湿気に対抗できない。到着時の湿度は80%もあった。これではヴァイオリンはたまったものではない。しばらく乾燥機を動かすと50%まで落ちた。今回はヴァイオリンとヴィオラの両方弾くのでヴィオラを2台持参。なぜかというと、片方は弦がガットでないと音が悪い。けれど北軽井沢の湿度のことを考えると、万一雨でもふった場合、ガット弦の方の楽器はピッチが狂いやすい。その点もう一台の方はナイロン弦が張ってあるので湿度の影響を受けにくい。本番で一番いい状態で弾くにはガット弦がいいけれど湿度が高くては調弦ばかりすることになる。
ヴァイオリンは常にガット弦しか使わないので、湿度が多いときには泣きの涙。仕事で名古屋万博のイベント会場で弾いたとき、会場に入ったら高窓が開いて外気が入ってくる。しかも外は雨。それを見た途端、わたしは全部の弦をナイロン弦に変えたことがある。ヴァイオリンなどの弦楽器は常に湿気との戦い。北軽井沢ミュージックホールフェスティヴァルの会場はシャッターを開けると目の前は庭。野外ステージに近いからお天気の心配が常にある。
数年前は激しい雷雨でシャッターを大慌てで閉めた。雨が上がったのでシャッターを開けるとものすごいセミの大合唱で皆笑った。今年は天気予報では本番当日8月1日だけ晴れるそうで、今回もわたしの晴れ女が証明されるかな。