2021年7月13日火曜日

脳崩壊寸前

コロナ禍で生活習慣が根本から見直されることになって、会社に行かなくても自宅で仕事ができるようになったのは大変いいことだと思う。私のように半分隠居の者にとっては出かけないと只々だらしなく老いてゆくばかり、人の名前が出ないのは序の口、最近は約束を忘れるようになってきた。以前は決して人との約束の日を間違えることはなかったのに。オーケストラ時代の超絶多忙なスケジュールのなかでも、複雑なスケジュールを完璧にこなしてきた。ステージ衣装の色も決して間違えなかった・・・ああ、それなのに。

今は年間通じて衣装は黒?私達の時代は夏は白、冬は黒で、衣替えの時期には複雑に白と黒が入り混じって、それでも時間と場所、演奏曲目、衣装の色、絶対大丈夫。若さとはいかに素晴らしかったことか今更ながら実感している。

昨日も自動車保険の更新で午後に日産自動車に行く約束をすっぽかした。それもその日の午前中までは覚えていたのに、昼食をとる前までは大丈夫だった。御飯の時間が30分しかないわ、などとちゃんと計算していたのに。食べ終わって、アマゾンのプライムビデオを見始めてしまった。気がつくと約束の時間を30分過ぎていた。慌てて担当者に電話して急いで、でかけた。担当の日産マンはそれを聞いて大笑い。お腹の中では、この人運転はそろそろ怪しいのでは?と思っているのでは。私も自分を信用できないので、最近の運転はたいそう慎重になってきた。

プライムヴィデオはありがたいことに、テレビよりずっと面白い映画がいくらでも見ることができる。往年の名画が楽しめる。ドラマのシリーズ物が一気に見られる。なによりありがたいのは、私はドラマの途中ですぐに居眠りするので、同じドラマを飽きることなく何回も新鮮な気持ちで見ることができる。結局同じものを10回くらい楽しめるのだ。居眠りをしなくてもすぐに忘れるから更に楽しむ回数が増える。今日も全部見たはずのドラマを、結局ほとんどちゃんと見ていないことに気がついた。

仕事がかなり暇になったのとコロナで出かけなくなったので、友人たちともあまり会えないし会話もほとんど猫とのみ。ストレスは体に良くないなどと世間では言うけれど、私は修羅場を好む体質。ストレスがあると逆に頑張れる。ただし、それは多分自分で作り上げた妄想で、ストレスは確実に体のどこかに影響する。それで自分が今ストレスに晒されているのだと気がつく。

今年のはじめに仕事をしたとき、報酬の支払いにマイナンバーの申請が必要になった。私はとっくに申請をしたつもり、その後申請の請求の手紙が来てまた申請したつもり、ついに3度めの請求が届いて慌てた。その後税金の督促状が届いた。どうやら住民税だか県民税だかが支払われていなかったらしい。今まで私は税金の支払いは忘れたことはなかった。請求書が届くとほぼその日のうちに払わないと気が済まなかったのに、最近はそれすらおぼつかなくなっている。脳みそにスカスカの穴が空いているようだ。

先日8月のコンサートのために集まったメンバーたち、会話はほとんど記憶を呼び起こす努力で費やされる。「ほら、あのオーケストラの音楽監督の名前・・・誰でしたっけ?そういえば最近見かけないわね、ほら、あのひと。コロナだからコンサートもできないわよね。でも、あの人はやっているみたいよ、えーと、えーと」てな具合で、話が進まない。

ありがたいことにまだ楽譜は読める。まだ弓を左手に持ったりしないでちゃんと右手で弾くことができる。今私がしなくてはいけないのは、コンサートのプログラムの作成なんだけれど、どうしても面倒で取りかかれない。何事も時間がかかるようになってきた。ヴィデオ見て居眠りしている暇はないはずなのに、気がつくと毎日同じドラマを見ながら居眠り。

母がちょうど今の私くらいの歳の頃、よく居眠りをしていた。母が眠っている間に姉たちと母の頭にリボンを付けたり、顔に口紅を塗ったりいたずらをした。近所の人が来て母が起きて出ていくと裏でクスクス笑い。悪い子たちでした。近所の人たちはびっくりしたかもしれないけれど、多分慣れっこだった?平然と会話していたから。




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