2021年8月12日木曜日

森に逃れる

 今日から北軽井沢の森に逃げる予定だった。昨夜にはすっかり荷造りができていた。車は、楽器と猫と運転手が乗ればすぐに出発できる状態だった。最後に天気予報を見たら、あらまあ、予定の日程は全部雨。それも西から災害規模の猛烈な雨が北上してくるらしい。考えた。

あの森の中でずっと雨はつらい。他に行くところはない。緑の美しい木々を眺めているのは本当に心癒される。それでも限界がある。もちろんテレビもラジオもないから、外界の情報は入ってこない。猫と二人で暮らすのも1週間もすれば飽きる。何度も言うけれど、本当に森は美しい。軟弱な都会っ子にしては漆黒の闇も好き。でもやはり人声が懐かしいことが多い。一度取りやめにして様子を見よう。

雨の状況を見ながら家にこもっていたら、こちらはなにやら良いお天気になってきた。やはり行けばよかったかも。軽井沢に様子を尋ねると晴れているらしい。しまった。一度沈没すると容易には浮かび上がれない。何がなんでも行くべきだったかしら。しかし最近疲れが溜まっているらしく、以前のようには動けない。これが老いと言うことか。

今回特に行く予定にしたのは、北軽井沢の家にちょっとした不安が出てきたせいで。先日風呂上がりにふと足元を見ると、足ふきマットの周りが水浸し。それほど激しく入浴する習慣はないから。マットに溜まった水でもこぼれたものが広がったのかと思った。

しかししばらくすると、そこから数メートル離れた脱衣所の扉付近で水たまり、またそこから数メートル離れた玄関とトイレの間に水たまり、その向かい側の寝室の扉付近にも水たまり。どれも10センチくらいの範囲でじっとりと濡れていた。はてな?まさか猫が粗相した?でも絶対に違う。その水は床から滲み出てきたような様子なのだ。雨漏りかと思って天井を見てもなんのシミもみあたらない。床材はコルクで水を吸収しやすい。だから本当は掃除のときにコルク用のワックスをかけるのが良いらしい。

家の掃除をしてもらったときに、経費をケチってワックスを断ったのが裏目に出たらしい。それと冬場の水抜き時になにか手違いがあって、水道管に亀裂が入って水がじわじわと滲み出ているのかしら。その話を車の点検のときに元メカニックで元レーサーのスタッフに話したら、目を輝かせて私が行って見てあげましょうと言ってくれた。でもあんな遠くまで本当に来てくれるの?整備が終わって車を出すときにも再度「本当に行きますから」という。何が原因でどうすれば直るのかと言うことに非常に興味があるという。ありがたい!

それから庭の落ち葉の堆積のことを話したら「そのための道具は揃っていますから軽トラでいきます。テントを軽トラの荷台に積んであります」とも。世の中には物好きで親切な人が大勢いる。本当に興味があるのでいつでもお声をかけてくださいと。今回はお盆休みで車業界はかき入れ時だと思うので遠慮して工務店に見てもらおうと思うけれど、3人目の心強い男手現る。優秀な電気屋さん、人の良い工務店さん、そして物事の仕組みに興味のあるメカニックさん。若い女の子だけでなくて片足棺桶の婆さんにも親切にできるあなたは偉い。私は車はボロボロになるまで買い替えないから、私にいくら親切にしても彼は成績が上がるわけではない。本当にこういうことが好きらしい。世の中うまくしたもので超絶無精な私のようなものがいて、ものの仕組みやその取扱いに目を輝かせる人がいて、うまく回っていくらしい。












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