この2年間のわたしは自分でいられないほどの焦燥感と苛立ちを抱えていた。やっとすべての問題があるべきところに落ち着いてきたころ、自分を見れば心はズタズタ、イライラを周囲に撒き散らす、胃袋は常にシクシクと痛み、こんな私を見捨てずに我慢してくれていた友人たちにお詫びしたい。最近鏡を見ると目の下にはたるみ、頬にはシミ、口の周囲のほうれい線はくっきり。見るも無惨な年老いた顔。
やっと自分を振り返る余裕が出てきたので久しぶりに肌の手入れに行こうと考えた。しばらく行ってなかったけれど、大学病院の美容外科、まだ昔の診察券でも使えるのかどうか訊いてみた。受付に番号を伝えると「ああ」ため息みたいな驚きの声。「使えますが当時の先生は皆さんもう」いらっしゃらないようだ。私が通っていたのは2008年だと言われて。なるほど、目の下に隈ができるわけだ。それでもカルテはちゃんと残っているようで歓迎の気持ちのこもる声で嬉しそうに案内してくれた。受付嬢が演技派なのか職業意識が高く経営に協力しているのかわからないけれど。
足の痛みは軽減した。階段は前向きで降りられるようになった。軽く走ることもできるようになった、体重も2キロの減量に成功。あと2キロ減らせれば膝の痛みは雲散霧消するはず。そうすると着られるドレスが増える。ウエストが入らなくなって眠っているドレスたち。特にタイトなデザインで買ってから一度も袖を通したことのない服がある。わりと厚手の絹のドレス。サーモンピンクで袖が着物のようなデザインで素敵なのに、私のお腹が横から見るとポッコンと突き出てしまう。このドレスが着たくてダイエットに励んでいるのに、もう少しで着られるところまで進んでも油断して食べすぎてしまう。
私の姪の娘はチアリーディングをやっていて体型を見るとウエスト周辺の細いことったらない。まるで内臓のない人間みたいに細い。それも筋肉質で腹筋が割れているというのは女の子にしてはすごい。それを見せられてから私も腹筋にターゲットを絞って筋トレをしている。お腹は単に脂肪がついているというのではなく、若いうちは本来上半身にあるべき脂肪が重力に逆らえず下に降りて来ているのだから始末に負えない。それにどのくらい年月がかかっているかといえば数えるのも癪に障るくらいだから、容易に退治できるものではない。
今年のはじめ頃は肌がどす黒くなって自分の手を見るのも気持ちが悪いくらいだった。体内で何かが腐っているとしか思えない。やっとストレスが消えて見ると少しずつ回復の兆しで肌が白くなり始めている。惜しいことには張りがなくなりたるんできたのはいかんともしがたい。
美容外科に行くのはもう一つの目的がある。その大学研究室には筋トレのグループがあるらしい。私の友人たちがせっせと通っているというのでその仲間に入りたい。皆さんがいらっしゃいよと言ってくれるけれど、そこに入るには整形の先生の紹介が必要らしい。だから体の曲がりもその整形に通えばいい。根性の曲がりは・・・どんな名医もなおせないのが残念なところ。
今年のクリスマスにはモーツァルトのソナタ他、古い友人と演奏する事になっている。彼女は私がオーケストラの入団テストを受けたときにピアノ伴奏してもらった。あれからどれだけ年月が過ぎ去ったことか。衣装はどうする?と訊くと彼女はプリーツの服というから考えた。そういえば最近緑色系の細かいプリーツ加工の服を通販で買ったっけ。それにしよう。まだどこへも着て行ってない。ちょうど裾が私のくるぶしの長さだし。しかしその通販のページで見るその服はモデルの膝丈の長さ。膝から下に長い脚がスラリと伸びている。
モデルは外国人と言ってもこの足の長さの差はなんともはや!
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