2024年3月20日水曜日

矢でも鉄砲でも・・持ってこないで

コンサートのあとのホッとした気分とこれで終わってしまったという喪失感がないまぜになって起き上がる気力もなく毎日眠り続けて気がつくともう一週間が過ぎた。咳が出るけれど殆ど眠っていたので喉の痛みもない。どうやったらこんなに眠れるのかと思うほどの深い眠りに落ちては浮かび上がりまた落ちてゆく。

その間時々夢を見る。ギリシャ神話に出てくるような不思議な人物と動物。今まで絵でも見たこともない想像上の遥か上を行く情景。私の脳みその中にこんな者たちが住みついていようとは。一瞬で高く舞い上がって消えてしまったけれど、脳裏に焼き付いている。これは私の体験からくるものではなく、もともとヒトの遺伝子かなにかに組み込まれていたものなのか、それとも覚えていないだけで幼少の頃本の挿絵で見たものなのか。

うつらうつらとしていたら1週間が過ぎ、申し込んでいた眼瞼下垂の手術を受ける日が近づいた。北里研究所病院の形成外科で明日からの予定だった。長年長時間、楽譜を読んでいると目のコンディションは非常に能率に影響する。最近なんだか世の中が鬱陶しく見えると思っていたらどうもまぶたが下がってきているらしい。鏡を見ると昔はバンビのようだった大きな目が約半分の大きさになっていた。北里研究所病院で指摘されて初めて気がついた。これ上げると楽ですよ、クリンと金属製の器具で瞼を持ち上げられると、あった!もとの目玉が半分。そして世の中急に明るくなった。

見えにくいと頭も重くなる。集中力も下がる。とりわけ最近は脳みそにも曇りがかかっているからダブル効果のパンチ。練習時間も短くなってきた。それならやってみようかな。新しもの好きな私はちょうどコンサートが終わることだからとスキマ時間に手術を受けることにした。昨日は手術前の最終段階、最後の抗原検査だった。そしてコロナ感染が発覚した。

1週間近くひたすら眠いだけでよく聞くコロナの症状もなく頭も痛くない。流石に眠ってばかりだから食欲もない。いつもこういうときに助けてくれる友人がすぐに駆けつけてくれて、高カロリーの栄養補助の缶詰を届けてくれた。やれやれありがたい。これを飲んでは眠り眠っては飲む。しかし人がこんなに長時間眠れるとは知らなかった。こんなに食べずにいてもお腹もすかないというのは生まれて初めての体験だった。

手術は即中止。本当は今頃「古典」の仲間が我が家に集まって大いに盛り上がる予定だったけれど、それも中止。そして今一人寂しくパソコンに向かっているという悲しい状況。明日は病院に入院して猫も何もかもほったらかして眠りたいだけ眠るつもりだった。

最近の世界的な気候変動の激しさ、異常気象に振り回されていることなどが我が身にも影響しているとしか思われない。今まではほとんどいいことばかり、安穏と人生を歩んできたのにどうもそうもいかなくなってきたようだ。身近な人に対する不信感や憤りなどは私の人生にはなかった。しかし、そんな呑気な状況ではなくなってきているようだ。

嬉しいことと悔しさ悲しみの間の落差が大きくなったような気がする。これは年寄りにはちときつい。激動の人生を送ってきてやれやれホッと一息、これからはのんびりと北軽井沢でイングリッシュガーデン作りに励もうとしていたのに。こうなったら矢でも鉄砲でもと言いたいところだけれど、矢はもうたくさん。コロナさんも早くお引き取りいただきたい。

今朝目が覚めると気分が明らかに良くなっている。なにかひとくち食べたいとは思っていても寝てばかりいるのだからうっかりすると消化不良になる。気をつけないといけない。朝はサプリメントのグリーンスムージーにチアシードという不思議な種子を食べる。グリーンスムージーは大さじ一杯でレタス2個分の繊維質がとれるらしい。チアシードは南米産の植物の種を水で溶くと30分ほどでヌルヌルしたゼリー状のものに変わり、それを食塩、レモン汁等と混ぜて飲むと体内ではできないオメガ脂肪酸に変わるとか。

そして昼食時何が食べたいかと言ったら「きゅうり」無性にきゅうりが食べたい。野菜室にきゅうりは6本、3本を塩麹の液体につけてほんの5分、食べ始めたら止まらない。こんなにも水分が欲しかったのかと思うくらい水分を欲していたことに気がついた。ぺろりと平らげあとの3本を漬ける。しばらくしてその3本も平らげてしまった。今日の昼食はきゅうり6本でした。

徐々に気分は良くなっておそらく体内のコロナは絶命しているのではと思うのでPCR検査を受けに行ってこようと思う。しかしながら相手はあの「コロナ」だから迂闊に出歩けない。クリニックをネット検索してやってくれる病院がみつかった。はやく陰性になってくれないと散歩にも行けない。

近所に住む友人と姉から差し入れが届く。気配りのきいた食料が入っていて感謝ではあるがなにせ一人で食べるのでは多すぎる。今日も自分で作っておいた煮物を食べきれず小分けにして冷凍したばかり。「コロナ」のお陰で優雅な休養生活ができて美味しいものが食べられてなにか筋書き通りの休養生活になった気がする。重症ではなかったので症状は眠いだけ、食べられなかったのは睡眠に食欲が勝てなかったから。たべないでいたら体重が減って膝の痛みがなくなった。良かった良かった。






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