文化会館小ホールにて。
モーツァルト ソナタK284
ベートーヴェン ソナタ作品109
レーガー バッハの主題による変奏曲とフーガ
バッハ~ブゾーニ シャコンヌ
いつもこの人は淡々といとも簡単そうに弾いてのける。でも、今日は少し手ごわかったようで、レーガーは楽譜を見てひいていた。こんなすごい曲を暗譜するのは、この人をもってしても至難の業なのか。分厚い音。まるで、オーケストラのような音の多さ。
数年前ベートーヴェンの連続演奏会を開いて、世間を驚かせた。たまたま、お目にかかったときに「なんてすごい」と驚嘆したら、「引き出しに全部はいっているのよ。開けると出てくるの」とアッサリと言ってのけた。なにを弾いても危なげのない、ハラハラしない演奏なので、今日は前半の2曲は心地良くぐっすりと眠らせていただいた。後半はさすがに眠ってなんかいられない。ピアノが唸る。微笑む。穏やかに、ある時はライオンの咆哮のように、鳴り響く。このプログラムを一晩で弾くのは、どれほど練習をしなければならないか、考えると気が遠くなりそう。こんな時、リサイタルを開ける位才能がなくって良かった、と思ってしまう。人生すべて遊びの人は私です。
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