2018年12月30日日曜日

富士は真っ白

長い間、実に穏やかに暮らしてきたのに、今年はのっけから不穏な空気。
人間関係、家族の問題、特に後半は目も当てられないような修羅場が続いて、いささか参った。
8月からは、1ヶ月ごとに親しい人たちが亡くなった。
私は単純構造の脳みそしか持ち合わせがないので、一つ問題を抱えると他のことは一切考えることができなくなる。
激動の年回りだった。

個人的な問題だから、誰かに助けてもらうわけにもいかない。
一人で一番苦手な役所めぐり、書類の作成などなど・・・
本当に嫌だった。
面白くもなんともないことを、無駄の多い日本の手続きを、毎日こなす辛さはこの上ない苦痛だった。

それでしばらくヴァイオリンの練習にも身が入らず、やっと問題の解決に今一歩というところまで来たので練習を再開。
それはそれはとんでもないことになっていた。
加齢によって指が曲がってヴァイオリンの音程が定まらなくなってからずいぶん経つけれど、やっとそれにも慣れてきた頃なのに、練習をサボったために筋肉が固くなって、指の間の水掻きが伸びなくなった。
おかげでそれを広げることから練習再開。
単音の音程はそこそこ劣化していなかったけれど、問題は重音。
水掻きが広がらないと指が伸びないことがあって、和音が正しく響かない。
手は小さいけれど柔軟だったから今までほとんど苦労しなかったのに、この歳になって、もう一度和音の練習をやり直すとは思ってもいなかった。

そこで始めたのはバッハのパルティータ2番。
あの有名なシャコンヌが入っている。
シャコンヌは重音の連続だから一番練習にうってつけだと思った。
弾きはじめたら情けない!
音が合わない。
音がでない。
30分弾くと息が上がる。

3日くらいしてようやく初めの数十小節はなんとかクリア。
まだ全部弾けない。

膠着状態の中で今日は久しぶりに車ででかけた。
真っ白に雪を戴いた富士山を正面に見て走った。
清々しい。
サッカー選手のホンダさんがこれを「きよきよしい」と読んだそうだけど、思い込みというものは誰にもあるから他人を笑うことはできない。
シャーロック・ホームズの相棒のワトスンを長い間ワストンだと思いこんでいた私ですから。

来年のスキー始めは奥志賀高原の予定。
昨シーズンには最大傾斜38度のピカピカのアイスバーン、猛烈なホワイトアウトで足元しか見えないなど過酷だったから、今シーズンはのんびりと滑れるといいな。

激動の年だったと言っても友人たちの励ましがすごくて、今週はなんと!3個の花かごが届いた。
電話でご機嫌伺いをしてくれる。
しみじみとありがたいと思うことが多くて、結局私はいつでも幸せもの。

今回、生まれて初めての一人暮らしとなった。
大家族に囲まれて賑やかに育ったけれど、その兄姉たちもだんだん少なくなり寂しいねなんて言っていた矢先だった。
しかし、亡くなった人には申し訳ないけれど、一人暮らしがこれほど快適なものとは思ってもいなかった。
猫が一緒だけれど、役にも立たない代わり邪魔にはならない。
これが人間の男になるとねえ・・・
ごめん!世の男性諸君たち!

すべての雑用が済んだら、もしかしたらドッと悲しくなるかもしれないけれど。


















0 件のコメント:

コメントを投稿