2018年12月30日日曜日

消えた成城石井

謎である。

最近隣の町は、住みたい街の上位にかならずランクされるほどの発展を遂げた。
最初のうちは人口の増加に街の整備が間に合わない風で、行ってもさして面白い街とは思わなかった。
腕の悪い美容外科やたいして目新しいものがないスーパーマーケット。
元が焼き肉とパチンコのお店しか目立たなかったから、なーんだ、面白くもない。
バカにしていた。

一昨日、紅茶の専門店を見つけた。
やれ、うれしや、ずっと美味しい紅茶が飲みたかった。
アッサムのミルクティーを注文するとアッサムのストレートはなく、他のものとのブレンドしかないという。
ではそれで、濃い目に入れてねと頼んだ。

うるさいことを言ったから会計のときにいかがでしたか?と訊かれた。
実は少しも美味しくなく、茶葉が少なすぎるのでいくら待っても濃くならなかった。
薄いミルクティーは冷めて美味しくなかった。
もう少し愛情込めて淹れてくれれば常連になったものを。
はい、と曖昧に返事をして店を出た。

出たところに食器類を売っている店。
その先に、あら、成城石井が出来たんだ。

一番目につく通路側にサラダやパスタなどの惣菜のケースがあって、美味しそうなので少しゲット。
店を出るとすぐ電車の改札口があって、隣の我が家の最寄り駅まですぐ帰れる。
散歩に疲れたら電車で帰れるし、元気があれば歩いて帰れる。
これは良い所にできてくれたと喜んだ。

次の日、今日もあそこで買い物をと思って行ったら、どう探しても店が見当たらない。
たしか紅茶専門店のここを通って、次に食器の店を過ぎて・・・・
あらあら、ない。
何回行ったり来たりしてもない。

ついに諦めた。
階を間違えたか、建物を間違えたか。
そんなに広くはない駅構内のビルだからすぐに見つかると思ったのに、見当たらない。

しかし悔しい。
確かに成城石井だった。
店の名前を間違えたのだろうか。
でも特徴的な食品の並べ方だったから、側に行けばすぐわかるはず。

三度目の正直。
今日、もう一度行ったら、あった!
なんのことはない、昨日行ったり来たりしたフロアに澄まして居座っていた。

一体なんだったのかしら。
狐につままれたような話。
これって認知症の始まり?それとも店が休みだった?
いや、そんなはずはない。
この年の瀬に休むなんて馬鹿なことはしないだろうし。
他の店は全部同じフロアにあって記憶しているのに、成城石井だけ見当たらないなんて。

見つけようという気持ちが強すぎて、看板が目に入らなかった?
とにかく不思議な出来事だった。

私は物忘れ名人。
鍵や携帯はしょっちゅう探しているけれど、あんな大きな店が見つからないとは、しかも周りの店にはちゃんと行っているのに、そんな馬鹿なことって・・・
何かしらの心理的な働きがあったのか、それとも本当にボケたのか。
謎は深まるばかり。

隣町までは片道徒歩25分。
ちょうど良い散歩コースになる。
最近ずいぶん面白そうなので、新しい店を探索する楽しみが増えた。












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