2022年10月15日土曜日

決して寝てはならぬ

この年になったら何があっても寝込んではいけない!

声高に叫んでいるのは現在寝たきりの一歩手前で頑張っている体験者からのメッセージですのにゃ。どれほどしんどくても頑張って立ち上がらないと大変なことになりますぞ。

先月前半、野良猫のノミにやられて痒さ止めの薬を飲んだら眠くて眠くてほとんど1週間眠り続けた。先月末の古典音楽協会の定期演奏会はかろうじて切り抜けたけれど、その後がよくない。全く体の自由がきかない。今は左足の膝関節が曲がらないので階段を降りるのが一苦労。膝の故障はいつからかといえば、最近、急に気温が下がったつい1週間ほど前から。それまでなんとか持ちこたえていた気力が我慢の限界を超えて今頃ガックリときたらしい。

思うに、やっと気力だけで保っていたものは気が抜けた途端に体力を奪っていったようだ。回復には時間がかかる。曲がらない左膝の屈伸運動からはじめて寝たきりになったときにすっかり衰えてしまった筋肉を取り戻す。もう一度ジムに通って辛い筋トレに励もうか、それともゆっくり散歩からやり直そうか思案中。

膝の痛みはかなりひどいけれど、薬は絶対にのまないようにした。痛みの我慢はなんとかなるけれど、かゆみは耐え難い。野良たちは首の後ろに強い薬を滴下されて今のところ蚤も静かにしているようだ。普段のわたしは限界まで薬を使わないけれど、かゆみにはめっぽう弱かったことがわかった。今後は鬼のようにノミ・ダニ退治に邁進する。

メス野良はいつも身ぎれいなんだけどオス野良は汚いところで寝ているようでしょっちゅう痒がっている。去年の冬はオス野良も家に入れていたけれど、もう入れてあげない。それでオスは少し僻みっぽくなっている。私を横目で見るようになった。懐いているときは目がウルウルしていて下から見上げてくる。けれど今は少し離れて横目で見る。悲しいけれど、私も自分を守らないといけない。部屋は煙で燻され猫には薬、箪笥の引き出しやクローゼットは防虫剤、これは人間にもあまり良いことではなく、私がそのうち除人されてしまいそう。

日常に緊張感がないと日がな一日寝ているようになるから、あえて難しいことに挑戦する。あたらしい曲を始めることにした。幸い「変な曲」が好きな仲間がいてピアノ・クラリネット・ヴァイオリンという編成のトリオを弾こうと相談がまとまった。ハチャトゥリアン、バルトーク、ストラヴィンスキーなどにそういう編成があるので。

ストラヴィンスキーは「兵士の物語」これは数年前に弾いたので一応やったことにして、今回はハチャトゥリアンのトリオに決まった。さっそく楽譜を取り寄せてみると思いの外きれいな曲で、あとは他のお二人さんのスケジュールが空くのを待っている。なんとか仕上げたら、我が家の狭いレッスン室で生き物に聞かせようという魂胆。猫でもいいけれど反応がイマイチでひっかかれるおそれがあるから、やはり人間が望ましい。私ののぞみは落語家とのコラボ。若手の落語家がうちで一席なんていいなあ。だがその後ハチャトゥリアンを弾いて落語よりももっと笑われたらまずい!そういう事態も起こりかねない。

冗談さておき、老後の楽しみは限りなく、旅にも行きたい。ヴァイオリンをひいているとコンディション作りが難しく、気難しくなる。旅に出れば練習が不足する。色々考えるとあっちもこっちもは体力的に無理。欲張りすぎ?

12月にはシューベルトの「ます」の編成での小さなコンサートが3回待っている。「ます」は普通のピアノ五重奏曲の編成と違って、通常はヴァイオリン2,ヴィオラ1,チェロ1のところがヴァイオリンが一人抜けて、ヴァイオリン1,ヴィオラ1、チェロ1,コントラバス1の編成。同じ編成はとても珍しくゲッツというドイツの作曲家が一曲書いている。それと「ます」を組み合わせ、他にそれぞれの楽器のソロが入る構成となっている。

練習は今日、ゲッツの五重奏曲は先月北軽井沢で合宿したのでもうすっかり出来上がったと言いたいところだけれど、ひと月も経てばすっかり頭から抜け落ちている。毎回初見で弾いている気がする。シューベルトの方は流石に長年の積み重ねで譜読みは大丈夫でも腕のほうが衰えているから、どちらも同じように心許ない。ゲッツの五重奏曲はやはり名曲と呼ばれるような作品ではなく、音の必然性に欠けるので覚えにくい。なかなか美しい曲なのにごちゃ混ぜの感があってそれだから弾き難いと言える。シューベルトとの才能の違いがわかってしまい気の毒に思える。話題作りで並べて弾かれてしまうとは彼にとってとんだ災難かもしれない。

私の足は時々僅かな筋トレでなんとか回復しそうな兆しが出てきた。使わないと一気に筋力が落ちるという恐ろしい現実があって、人はいつでも動いていないといけないことを思い知らされた。それでまた1から出直してウオーキングとダイエットに励むことに。老後はゆっくりなんていうのは夢だった。老後は寝るな!だなんて誰が想像していたことか。怠け者の儚い夢が壊れた昨今でありました。ヤレヤレ!









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