2022年10月11日火曜日

イワシておけばいい気になって!

 イワシを数日食べ続けたらすっかり賢くなった気がした。しかしこれが限界。青魚特有の匂い(私は嗅覚障害なのに)が鼻につき始めたら切り替え時。魚の匂いには果物が欲しくなる。私は肉には果物を入れて調理することが多い。例えば豚肉にはりんご、牛カツには梨を添える。生ハムは定番のメロンといきたいところだけれども高価だから洋梨を使ったり。いちじくも人気者、塩辛い生ハムも人気者、それでその両者を組み合わせる。カニカマにグレープフルーツ、甘酸っぱい果肉と一緒に食べる。本当は本物のカニを使いたいところだけど、年に一回くらいしか食べられないカニよりも安価でスーパーで買えるカニカマを使用する。

テレビで平野レミのレシピを紹介していた。大胆でなんて自由な発想なんだろう。最近の料理番組は私達が若い頃の内容とは隔世の感がある。もちろん私達の生きた時代はすでにはるか昔になっているので当たり前。

有名調理学校のDさんという調理師がテレビの料理番組を担当していたときがあった。それはそれは繊細ですべてきっちりと切りそろえられ立派な料理ができあがる。出汁のとり方も決まったやり方で盛り付けも素晴らしい。ですが言わせていただけるなら、それを毎日一般家庭でやれと?奥さんが子供をあやしたりしながら完璧な計算をしろとでも?

仕事で疲れて帰ってきたご主人が、料亭のようなもてなし料理を出されたら窮屈に思うのではないかといつも思っていた。ああ、カレーライスが食べたいなどと。しかもそのDさんは気難しくて、ある時アシスタントがお気に召さなかったらしく徹底的に無視する。メインのアナウンサーには話しかけるのだがもう一人の方は完全無視。泣き出しそうな顔で立ち尽くす女性。その時思った。こんな人の作った料理は食べたくないと。なんて嫌な親父なの!

本番前のアシスタントの言動になにか気に触るものがあったのかと思うけれど、一言も喋れずカメラの前にさらされているアシスタントが気の毒でならなかった。デリカシーの欠片もない人が立派な料理を作っても、ああ、美味しいと言って食べられる料理では絶対にないと思う。料理は焦げたり煮えすぎたとしても自分の愛する奥さんが作ったもののほうが絶対に美味しいと思う。いくら出汁のとり方が完璧でも、意地悪く箸の上げ下ろしにも文句つけられたら誰がしみじみ味わえるかしら。

と、ここまでの布石は私の料理話しへとつながる。およそ物事すべていい加減なので生煮え、焦げ付き数知れず、しかし速さだけは超一流。目の回るような生活の中で演奏会を終えて夜中に帰宅して、さてうちの夕飯を始めるというとき、1時間も手間をかけたら眠る時間がなくなる。それで帰宅するなりお湯を沸かす。冬ならホットウイスキーを作る。まず喉に温かい飲み物を入れる。すると急に愉快な気分になって仕事の悩みや人間関係の辛さも一気にお湯に流せる。

3分もすれば酒盛りが始められる。まずきゅうりか何かを適当に切ってお味噌を添えて一品。塩辛とかあれば最高!冷蔵庫を漁って残り物の野菜で一品炒め物など。溶けるチーズがあればトマトを温めてチーズをかければ完璧。それで仕事疲れも忘れてぐっすり眠れる。日々の食事はそんなものでよろしい。毎日料亭で出されるような立派な料理はいらない。多少塩辛くとも甘すぎても奥さんの愛情こもった料理が食べられたら、それが一番幸せ。

奥さんのいない人は?どうすればいいの。私も奥さんがいない。だから猫にやらせ・・・られない。一度でいいから猫に言ってみたい。

ねえ、私のご飯はまだ!










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