2025年8月6日水曜日

猫の葛藤

テネシー・ウイリアムズ作「熱いトタン屋根の上の猫 」

癌で余命幾ばくもない父親と二人の息子たち。次男の妻マギーの心の葛藤を描いた戯曲。

うちのネコも熱いトタン屋根に悩まされております。彼女の家の出入りは、もっぱら物置の屋根からベランダへジャンプして、少し開いている窓を使う。私がいればカリカリと網戸を引っ掻いて開けろ!と騒ぐ。いないときは窓も閉まっていて入れない。

連日の異常な暑さは猫の行動の自由を奪ってしまった。物置の屋根はトタン。金属の屋根を暑い日差しがカンカン照らし、その温度はたぶん手を長くつけていられないほどの暑さになるのだと思う。そこを裸足でアッチッチと歩くのは大変なことなのだと思う。それでここ数日間のご帰宅がない。たまに夜帰ってきても落ち着かない。すぐに窓を開けろと言って騒ぐ。

不安定だった野良の、のんちゃんは最近やっとふくよかになり、疑り深い性格もやや改善され、私の手枕で寝るようになった。でも先ごろ北軽井沢に一週間ほど行ったときに彼女をおいていったのがお気に召さなかったようだ。車での移動の間の約4時間、ケージの中から悲鳴のように鳴き声が絶えない。それほど車が嫌なのでは可哀想なので、私が留守の間は元の野良にかえってもらうことにした。

幸い野良としてのキャリアは長く、アチコチの家にほけんがかかっていて餌に不自由はしない。夏の夜はコンクリートの冷たい感触が良いらしく、なかなか家に戻らない。特に最近はよほど可愛がってくれるお宅を見つけたと見える。家で餌をほとんど食べないから飢える心配はない、というのでおいていった。ところが彼女としては見捨てられたと感じたらしい。戻ってきたらもういっときも離れず抱っこをせがむ。

この暑いのに抱っこはごめん!しばらく相手をしてもすぐに膝から下ろしていたらひがんでしまった。兄弟猫のグレちゃんと一緒にいるのはわかっているけれど、どこの御宅にお邪魔しているものやら。昨日、終夜営業のドラッグストアに買い物に出かけた。あつい昼を避けて日が昇ると同時に歩き始めた。ふと後ろを見ると二匹の猫が尻尾を立てて後ろからついてくる。大抵は途中まで行くと彼らのテリトリーから出るので帰っていくけれど、ついてこられて新しい環境に慣れて、そちらで暮らされては私の仕事場が遠くなる。

餌やりに隣の町内を抜けていくのはゴメンだから、彼らの範囲を出る前になんとかしてまいてしまったのも不満のもとらしい。どうやら私は優しいご主人様でなく信用ならぬ下女に格下げされたようだ。時々お情けに家に帰ってくるけれど、あっという間に窓から出ていってしまう。

そして熱い物置の屋根が待ち構えている我が家のベランダは鬼門で、行くべきところではないと認証されて私は孤独な夜を過ごすことになったという次第。寒くなればまた猫を抱っこして寝るという至福のときが来ると信じたい。

熱いトタン屋根の上の猫のように夫や他の家族との関係にじれて悩むマギー、どのように解決が待っているのか。まさか秋になって涼しくなれば解決というわけには行かないでしょう。複雑なのが人間社会の面白いところ。

ねぶた祭の秋田で3メートルもあるヘビが逃げ出して行方知れず。ヘビも熱くて可哀想。








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