2026年8月21日金曜日

自殺未遂

 私はどれほど悲しくてもどれほど悔しくても死にたいと思ったことはない。生きているのがうれしくて死ぬことを考える暇があったら、次はなにをしようかと面白そうなことを考える。

その私が…自殺しそこなったのよ。すべてが粗忽者の自分のせいなんだけど。

数日前のこと、食器を洗っていた。マグカップの底にコーヒーのシミが付いていて取れないから漂白剤をヒュッと一吹きかけておいた。ほかの食器を洗ってちょっとその場を離れて戻ってみると、なみなみと水の入ったマグカップ。ちょうどのどが渇いていたから取り上げて口元までもっていった。そして違和感が!あ、しまった。このマグカップはさっき漂白剤を吹き付けていたものだ。

間一髪、口に含みそうになった水を飲むまいと思ったけれど、すでに遅し。口にほんの少し含んでしまった。踏みとどまろうと思ったけれど、年のせいで反射神経が弱っているから、ちょっとのどを通過してしまった。嫌なにおいと味。でもすぐに大半は吐き出せたと思うけれど、どうしていいかわからないから、とりあえず口を漱いだ。何回も何回も。

そのあと大量に水を飲んで胃液を薄める。これで正解かどうかはわからないけれど、しばらく嫌な焼けるような刺激があって、のどが痛い。飲んだ量はスポイトの一滴くらいだろうから命に別状はないと思った。それでも口の中は、とりわけのどの粘膜は少しヒリヒリし続けた。次の日、声を出すのが少しつらい。けれど今日で三日目だから痛みも消えて、生きている。良かった。

これからこんなことが続くようになると、粗忽で命を落としかねない。死ぬなら苦しまずに死にたい。漂白剤で死ぬのはあまり気分のよさそうな死にざまではない。何よりもおいしくない。

そのうち、北軽井沢で一人で住むことも選択肢の一つなんだけれど、うっかりやの私は誰かがそばについていないと何をしでかすかわからない。例えばあの家で階段から落ちて足を痛めてあるけなくなり、スマホがそばになく外部と連絡も取れないとなったら孤独死しかない。

別荘の管理人さんが自宅のウッドデッキを踏み抜いて足が腿まで入ってしまった話を聞いた。彼女は独り住まいで、すぐに足を引き抜いて事なきを得たけれど、もし足が抜けなかったらデッキで凍死するところだったという。こういう森の中の一軒家は危険がいっぱいだから必ずスマホを持っていたほうがいいですよと助言された。

でもいつでもスマホを持っているとは限らない。例えばトイレのドアが何かの拍子に開かなくなったら、庭に熊が来たら、イノシシが庭の下を流れる小川を伝って現れたら・・・とか自然がいっぱいの森の生活は危険もいっぱい。

私はあまりものをなくすのは惜しまないけれど、若さだけはもう少し残ってほしかったなあと思うのです。体力と気力、戻っておいで!






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