2017年8月18日金曜日
疲労困憊雨ザアザア
14日昼間、くにたちの会でモーツァルトヴァイオリン・ソナタホ短調を弾いて、そのまま会場から車で追分に向かった。
夕方ヴィオラ奏者のkさんの家に到着。
5匹の猫とKさんと先に到着していたIさんに迎えられて、賑やかな一夜を過ごした。
食事が済むとソファでウトウト。
目が覚めるとKさんが笑っている。
猫達が代わる代わる私の顔に鼻を近付けて、なにか詮索していたようだ。
夜11時頃、練習しようとKさんが言い出した。
こんな夜更けに大丈夫かと訊くと自信たっぷりに大丈夫と言うけれど、家の間が離れていてもこんなに静かなところでは音は遠くまで届く。
住人が良いと言うのだから良いことにして、それから練習をした。
得体の知れない音がすると言って通報されないだろうか?
その日は一日中雨ふり。
結局2時就寝。
次の日も雨。
ゆっくり昼過ぎまで猫達と過ごしたり練習したり。
夕方私の居候先のノンちゃんの家に到着。
Kさんの家には私達と入れ替わりに、コントラバスのHさんと彼女のお嬢さんが泊まることになった。
ノンちゃんたちは人形、織物、油絵の展覧会「三人展」をルオムの森で開催するので準備に忙しい。
初日を明日に控えて搬入のため出かけている。
留守宅に忍び込んで間もなく、三人展のディスプレイを手伝っていた人たちが帰宅して、早速食卓を囲む。
ここの家の主、織物作家のOさん、油絵のFさん、人形作家のノンちゃん、それに有名作家の秘書だったRさんは最近織物を始めたという。
展示会のディスプレーには機動力を発揮。
高いところに登るのも厭わないらしい。
もうお一方は北海道の人で、大きな毛ガニを私たちにごちそうしてくれた。
彼女はブレヒトの戯曲だけを上演する劇団に所属していて、Oさんの織物の先生でもあるという。
家主のOさんの交友履歴の華やかさは、知るにつれて驚異的な広がりを見せる。
Oさんは元雑誌の編集長で名インタビュアーだったことから、たくさんの作家に信頼を寄せられていたらしい。
ニャンニャン言いながら毛カニにむしゃぶりついていると自然に無口になる。
夜もふけてお腹も一杯で、庭伝いにねぐらに戻ってグッスリといきたいところだったけれど、夜中に激しい雨音で目がさめる。
もう何日雨の日が続いているのだろうか。
朝は小降りになったものの、雨はやまない。
次の日11時ころ、ノンちゃんの家に集合した音楽隊。
家主さんは三人展の初日なので、お客様達をお迎えに外出しているのを良いことに、キーキーガーガー早速賑やかに練習が始まった。
この家は天井が高く、とても良い響きがする。
自分の音ですら良い音に聞こえる。
午後4時すぎ、北軽井沢ミュージック・ホールで会場練習をさせてもらうように話が付いていたので出かけた。
その頃には雨が小止みになっていたけれど、ホールの庭に面した方のシャッターを開け放してあるので、ものすごい湿気が中に入ってくる。
楽器はすでに涙目で鼻声。
弦はどんどん下がる。
調弦しようとしても糸巻きが湿気で膨らんで、うまく回らない。
弓の毛はあっという間にペタペタに緩んでしまう。
音を出してみるとそれほどダメージはなさそうだけれど、やはり室内のエアコンの効いた部屋で弾くのとはわけが違う。
練習の間はそれでも雨は止んでくれた。
覚悟はしていたものの、これほど雨が続くとは思わなかったからショックは大きい。
強力な晴れ女を自認する私の自信も揺らいでしまう。
その晩はそれぞれの宿泊所に散っていった。
その夜もザアザア降り。
夜中に雷も鳴ったそうだ。
夜中に目が醒めると、心配で目が冴えてしまう。
それでも途中で、なんとでもなれと開き直って本番当日を迎えた。
本番の日はどんより薄曇り。
会場に着くとすでに客席のセットが終わっていた。
フェスティヴァル実行委員の人たちが暗い顔で、こちらで売り出したチケットは一枚も売れませんでしたという。
すごく申し訳なさそうな態度なので、大丈夫ですよと慰めた。
客席は60席くらいあるけれど、私の読みでは30名は来ると見た。
東京から私の関係者だけで10人ほど、現地の人からの問い合わせが3人。
北軽井沢の住人たちの関係者が10~20人。
私以外のメンバーの友人たちが数人。
いつもなら知人達にお知らせを出すけれど、今回は当日お客様に出すプログラムの作成などで大変忙しかった。
それで雪雀連以外の人には全くお知らせできなかったけれど、初回は高望みしないほうがいいかもしれないと思っていた。
しかし、思いがけず弦楽合奏を指導している人が二人東京から駆けつけてくれたし、その人達が現地でもう一人お客さんをゲット!
機動力あるなあ。
慌ただし前日の練習のダメ押しを終えて、ノンちゃんの家でカレーライスのランチをいただく。
カレーはお隣のOさんの作。
料理の名人のカレーは素晴らしい出来栄えで、皆猫に鰹節状態でおかわりをした。
本番前に続々と車と人が集まり始めて、客席が埋まっていく。
最終的には60数名の入場者があった。
長野原町の町長さんまで見えて、来年もよろしくとのご挨拶。
来年、私はまだヴァイオリンが弾けるだろうか?
もう、すでに崖っぷちなので。
そして雨は降らず薄曇りで時々弱い陽がさす。
やはり私の晴れ女の威力はまだ有効なようで。
演奏は・・・私は楽譜の段違いをやらかして、迷子に。
他の人達が右往左往しているのに澄まして自分は悪くないことをアピール。
このへんが古狸の小ずるさ。
でも、一番前に座っていた人にはバレていたみたい。
それでもアンコールのスコット・ジョプリンのラグタイムメドレーが始まると、最前列でいかにも楽しそうに踊る子がいて、私達もすっかり愉快になった。
演奏は概ね好評だったらしく、おいしいビールが飲めそうな気分。
ホール隣のレストランに雪雀連が集まって打ち上げをした。
ビールは運転するので飲めないので、ノンアルコールのビールで乾杯。
いつもの気の置けない仲間たちとの夜を楽しんだ。
いつも思うのは、演奏会には裏で働いてくれる人たちの存在がどれほど大きいかということ。
今回は現地のホールを存続するために努力しているボランティアがいなければ実現しなかったわけで、宣伝用のパンフレットやチラシの制作、古く設備も整っていない会場ながらきちんと調律されたピアノ、当日の受付の手際良さなど、すっかりお世話になった。
この人々のためにも、演奏の輪が広がっていくことを期待している。
この由緒ありながらボロい(失礼!)ホールが少しずつ良くなって行きますように、音楽家のみなさん、ちからを貸してくだされば幸いです。
大きなキャベツを車に載せて帰宅。
その他白ナス、とうもろこし、トマトなど野菜がおいしい。
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