2017年8月4日金曜日

合理性

車の定期点検をしてもらっている間に、私の担当者と話をしていた。
最近自動運転やハイブリッド車など、車の仕様も様々。
けっこう年をくっている私も、こういう世の中では新しいシステムの車を購入することを検討しないといけなくなってきた。
車がほとんど自分だけの物だったころ・・・整備まで自分でできるような・・・本当に車は面白かった。
もちろん私は整備はできなかったけれど、プラグやオイルの交換、タイヤも自分で換えたこともあった。
オーケストラでホルンを吹いていた人は、休日はいつも自車の整備をやっていた。
ホルンを吹くと「良いご趣味ですね」と言われた。
近所の人は彼は整備士だと思っていたらしい。

今は素人が絶対手を出せないようになっている。
というより整備士もパーツをブロックごとに変えるだけの作業だとか。
だから若い人は自分の力を試すこともできない・・・らしい。

私が免許をとったころ、女性で運転する人は僅か。
まさか明治時代ではないですよ。
もちろん昭和生まれでも女性のドライバーは少なく、まして九州などに行くと「よう走りますなあ」などと言われたものだった。
当時は横浜ナンバー。
「ほう、横浜からですか」と信号待ちで並んだ車から声をかけられたりも。
その時の車は真っ赤なカローラ。
美人とは言い難いが若いからまあまあ可愛子ちゃん。
ハンドル握ってニコニコしていればおじさまたちはいつでも道を譲ってくれたし、白バイに捕まっても許してもらえた良き時代だった。

そのカローラは10万キロは軽く超える走行距離。
最後は左側のドアが取れかけて今にも落ちそうだったくらいボロボロ。
手放すときは泣いた。
今日担当の日産マンが同じようなことを話してくれた。

お子さんが生まれたときに買った車。
そのお嬢さんが大きくなって買い換えるとき、新しい車が届いた。
古い車と並んでいるのを見たとき、お嬢さんが突然ワッと泣き出したという。
それを聞いて、私もカローラが引き取られて行ったときに泣いたのを思い出して、目がうるうるした。

それからイギリスの排気ガス規制の話になった。
イギリスでは2040年から、ガソリン車とディーゼル車の販売を禁止するという。
フランスも同じ。
すべて電気自動車に移行するようだ。
今、日本ではまだ電気自動車用の充電器を見かけるのは少ない。
だから電気だけだと少し不安が残る。
ハイブリッド車はガソリンタンク40リットルの容量で、約800キロ走れるそうなのだ。
走りながら自力でモーターを回して充電するシステムだから燃費は非常に良いけれど、今までのガソリン車とは反対に、高速道路のような一定のスピードで走れる道の方が燃費が悪いという。
どういうこと?

これはフランスのはなし。
ル・マン24時間という有名な自動車レース。
コース内だけでなく一般道を猛スピードで走る。
そのル・マンで一般道に道に充電器を埋め込んで、その上を走ると車が充電できるようにするらしい。
そのための費用は参加者から集める。
車の方にもなにか機器を取り付けないといけない。
レースが終われば一般道だから、普段その道を通る人も充電できるという。
これを聴いてフランス人ってやはり頭良い!と思った。

ところで、イギリス、フランスの規制の記事に対する書き込みにこんなのがあった。
「その場で燃焼するか燃焼してから送電するかってことを考えると、送電ロスが大きいからガソリン車のままのほうがトータル的にクリーンなような気がします」

これを読むとなるほどと思うし、確かな知識のない私はよくわからないけれど、ヨーロッパ人の合理性がこんなところにも垣間見られると思った。

日本の発電は東電などが起こした電気をそのまま送る。
しかしヨーロッパでは蓄電するのが主流だそうで。
蓄電すると放電するロスとかもあるかもしれない。

担当の日産マンは元自動車レーサーだったので、車の話で盛り上がる。
私が「今の車の前に私が乗っていたのはなんでしたっけ」と聞いたら即座に「ローレルでした」と答えた。
本人が忘れているのに、他人が覚えているのは面白くないなあ。

整備工場で私の車のお腹を見せてもらった。
右前の部分に大きなかすり傷。
コインパーキングの段差で宙吊りになった時の傷。
その話は随分前に書いたから、探して見てください。

トランクの真ん中にポールをぶつけて中央が凹んだおかげで、テールランプが少し浮き上がっている。
それらを一々指摘されて、整備士としては全部直したいらしい。
全部却下して帰ってきた。
車はスニーカーと同じ。
エンジン、ブレーキ、タイヤがちゃんとしていれば、かすり傷など目ではない。

日産から歴代スカイラインの載った冊子が送られてきた。
私は初代スカイラインのことはよく覚えている。
まだほんの子供だったのに、新聞に載った写真を見て「なんて素敵な車なんだろう」と感激したのを覚えている。
父親が無類のクルマ好きの似たもの親子。

スカイラインがあまり売れなかったのには理由があった。
当時のレースでは参加車にレース用の特別な仕様をしてはいけないという規制があるにもかかわらず、他の車はこっそりと手を加えたのに対し、スカイラインはそれをしなかったので優勝できなかった。
何回もやっているうちにポルシェが出てきて、結局優勝が出来なかったので売れなくなってしまったと、日産マンの説明。
クソ真面目というか要領が悪いというか、それほど自信があったのかも。
中島飛行機の技術が生かされているとも。

ほう、ほう、それで?
話が尽きないけれど、整備が済んで車の乗り込む。
「シートベルトがね、ちょうど首のところに当たって怖いのよね、急ブレーキや衝突したときにベルトで頸動脈が切れるんじゃないかと思って」
「それではこれでどうでしょう」「あ、これで大丈夫」
シートベルトが上下に調節できるなんて、何年も乗っているのに知らなかった。
今時の車はすごい!というか、知らない私が超アホ。















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