2021年5月8日土曜日

強い味方

車の運転中に足がつったことを友人に報告したら、情報網から知った別の友人が電話をしてくれた。あいにく私は運転中で自宅に戻ったら留守電が入っていた。非常に心配してくれている様子なので電話を返したら、もしこの次にそのようなことになったら、夜中でも構わないから電話してと言われた。いつでもすぐに駆けつけるからと心強い言葉が。心底感謝した。

今までどれほどこの友人にはお世話になったことか。私がとても苦労していたとき高熱を出したことがあった。電話で今熱があって寝ているのと言ったその1時間後くらいに駆けつけてくれて、冷蔵庫にお粥やポカリスエットや、そういうときに必要なものをぎっしり詰め込んですぐに帰っていった。その後の1週間、私は買い物に行くこともなく、安心して眠り続けた。胃腸に優しくすぐにエネルギーになるもの、脱水症を防ぐものなど行き届いた配慮だった。

普段私と友人たちの関係は淡々としている。用事がなければメールもしない。しかしいざとなると強引なほど割込んできて有能さを発揮する。今回北軽井沢に行ったのは庭の階段を作る作業の打ち合わせのため。高速道路の目の前で足がつって立ち往生。追分の友人に家に戻ると連絡したら、私がだめなら工事のことは自分が立ち会うからと言ってくれた。彼女は建築家の娘でこと建築に関しては父親譲りの能力を発揮する。力も強い、行動が早い、頭の回転が並でない。追分から北軽井沢は20~30分、食器棚が届いたときも私は具合が悪くなって受け取ることができなかった。それで彼女が管理人さんと一緒に荷物を受け取ってくれた。

軽井沢在住の人は買い物のリクエストを快く引き受けてくれる。目が弱くなってブルーベリーの効き目に頼ろうと連絡したら、すぐに知り合いの店から濃縮されたブルーベリーが届く。世の中のことをよく知らない私に色々教えてくれる。様々なことでみんなのお荷物として私は生きている。お返しはなし。私ができることと言ったら・・なんだろう?なにもない。

今回コロナワクチンの申込みができて、5月末と6月半ばに摂取する予定。その申込の段階でとても運良く初日にワクチン予約サイトが繋がった話をしたら「そうなんですよね、nekotamaさんはそういうふうに運がいいんですよね」と言われた。今までも運がよかったでしょうと。なるほど、そうかもしれない。

つくづく思うのは、このブログがかけるようにネット環境を整え、パソコン初心者の私に手を焼きながらワクチンの予約がさっとできるまでに仕立て上げた我がパソコンの師匠どの。隙きあらば怠けようとする私をなんとか初心者マーク付きのネット民に育ててくれた。さぞ腹が立ってうんざりしたと思うのに、忍耐強く支え続けてくれたのだ。長い間のご苦労を思うと涙がこぼれます。

私が人生で最も辛かった時期に、北軽井沢の家を譲ってくれたノンちゃん。この家があったから私は辛さに打ち勝つことができたのだった。いつでもあの静かな森を思い浮かべると心が平和になる。脳裏には風にそよぐ木々のイメージが浮かぶ。家の中を片付け、改善して、その楽しみが私を救ってくれたのだった。コロナ禍の中でも逃げ場所ができた。温暖化の時代、都会よりも10度ほど気温の低い場所は貴重な存在。惜しむらくはこの家を手放した途端彼女が天国へ行ってしまったことで、私は随分お世話になったのに恩返しができなかったことなのだ。

去年4月になくなった北川靖子さん。そっけない態度ながらなにかにつけ誘ってくれて、一緒に見た吉野の桜忘れません。花吹雪の平安神社、東大寺の御仏たち、楽しかったですね。彼女は自分の命が長くないことを悟っていた。しずかで強いひとだった。他人に自分の具合の悪さを見せないでじっと忍耐していた。最後まで冷静沈着、まるで他人事のように病状を語っていた。決して辛いとは言わなかった。

4月は寂しい。ロンドンアンサンブルのピアニスト、美智子さんも数年前の4月の誕生日直前に亡くなった。一緒にいてこれほど楽しい人はまれだった。私も4月生まれ、たぶん同じ頃がおしまいの時期かなと思う。

ねがわくば 花の下にて だわね。

しんみりしてしまったのは、最近友人の一人がうつ状態になっているということを知ったので。非常に行動的、実務的な人で頭が良くたいそう活躍していた。コンサートのお知らせが来て少し具合が悪いのでと書き添えられていた。詳細を尋ねると思いも寄らない病名。うつ病だという。自分でもびっくりしたと言う。

でもわかるわかる、コロナ以来、多かれ少なかれ皆病気みたいになった。私も勿論その1人だったけれど、さっきも言ったようにノンちゃんの家が救いになった。会えない友人たちとはメールや電話で話していたけれど、それもだんだん間遠になっていく。やはり顔を見ながら話をしたい。時々会ってもマスク越し、違和感は否めない。









0 件のコメント:

コメントを投稿