2016年2月26日金曜日

古典音楽協会第152回定期演奏会

         共演が楽しい協奏曲

  トレッリ:2つのヴァイオリンの協奏曲イ短調 Op.8-2
             Vn.山元操、今村恭子
  ファッシュ:リコーダーとオーボエの協奏曲ト長調
          Rc. 片岡正美   Ob.石橋雅一
  ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンの協奏曲イ短調 Op.3-8
          Vn.中藤節子、中嶋斉子
  ヴィヴァルディ:2つのチェロの協奏曲ト短調
                   Vc.重松正昭 、前田善彦
    カール・シュターミッツ:ヴァイオリンとヴィオラの協奏交響曲ニ長調
            Vn.角道徹、Vla.東義直

               3月17日(木)19時開演 東京文化会館小ホール
ヴァイオリンのメンバーの中では私が1番後からの参加ではあるけれど、私にしては一つの合奏団に所属している長さは記録的。
この合奏団にエキストラで行ったその日からメンバーに馴染み、それ以来お付き合いが始まった。
私のせいで、急にうるさくなったとかという声も聞かれる。
初めて参加した時は、メンバーは本当に物静かな人達で、あれからウン十年後、こんなにお喋りで陽気なグループになろうとは・・・
コンサートマスターの角道さんが歯を食いしばって、私たちの笑い転げているのが静まるのを待って「そろそろいいですか」
やっと練習が軌道に乗るという時も、しばしばあった。
多少の入れ替わりはあったものの、ほとんどメンバーは替わらない。
これはすごいことで、大抵の合奏団は途中で崩壊している。

メンバーが入れ替わらないので、皆一緒に年をとっていく。
どこまで一緒に出来るかは、それぞれの健康と持続力頼みだけれど、コンサートマスターの角道さんが最年長なのに、1番元気なのだ。
途中で「僕はもうソロを弾くのはやめました」と弱気になった時期もあったけれど、又復活して、今回も意欲的なプログラムのトリを務める。
むしろ私が今、その弱気な時期に当たる。
視力の衰えから楽譜が良く見えず、すっかり気落ちしている。

弦楽器奏者の演奏寿命は短い。
左手の指を少し寝かせるか立てるかだけでも、音程が変わってしまう楽器だし、特に右手はもっと難しい。
弓は構造的には跳ぶように出来ている。
それをパタパタ言わせないように真っ直ぐに引いて行くのは、精妙なバランスが必要。
そのために完全にムダな力が抜けないと、様々な問題が起きてくるという、たいへん厄介な楽器なのだ。
それで年をとって筋肉が硬くなると、その微妙なコントロールが難しくなる。
左手のヴィブラートも掛けにくくなる。
楽器を持ち上げることが辛くなる。
その辺で大抵第一線から退いてしまう。

ある時期には自分の力の限界を感じて弱気になっても、そこを乗り越えると又、新しい境地に入っていける。
「古典」のメンバーもそれぞれ悩み多い時期もあって、くじけそうになっても、なんとか乗り越えてきた。
愚痴を言わず泣き言を漏らさず、集まれば穏やかな顔を見せてくれる。
今でも皆の技術力は安泰で、なんでこんなに長続きするのかは謎!
客席はいつも満員、これも謎!
とにかく助けて下さる方々には、いつも感謝あるのみ。













      



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