2016年2月15日月曜日

ショック

お節句の後は春一番が吹いて、暖かいと言うよりも暑い日が続いた。
まだ2月なのに気温が20度を超えた。
今朝、車で走っていたら、なんと桜が咲いていた。
ソメイヨシノでは無く色の濃い種類で、一斉に道路脇がピンク色に染まっていたのには、ビックリした。
思わず目を疑った。
初めは梅かと思ったけれど、どう見ても桜。
しかし、この暖かさも長くは続かず、夕方から一気に気温が下がって真冬並み。
急の寒さにたじろいだけれど、日課の散歩に出かけた。

Tシャツ一枚の上に薄いダウンジャケットを羽織り、お気に入りのスニーカーを履いて歩き出す。
天気が悪くなって、パラパラと雨模様になった。
まだ時間は早いのに、すっかり薄暗くなって、歩く人もまばら。
いつもの公園を一回り。
外周を歩いていると後ろから人の気配。
振り返ると、ひょいとよけて軽いジョギングの早さで追い越していったのは、中背やせ形の黒っぽい服装の若い男性。
足音もたてない。

まだその時には車も人も通る道に面していたから、近所の中学生なども歩いていたけれど、公園の中に入ると急に静かになった。
犬の散歩の人が2人。
すれ違って行った人が1人だけ。
いつも犬や人が集っている公園の中程の広場にも、人影はない。
ここは晴れていれば夕日の綺麗な所で、ワンちゃんの飼い主のたまり場となっている。
そこで私は遠巻きに犬たちの遊ぶのを見て、群れを離れてこちらに走ってくる犬を、あわよくば撫でたいと待機している。
飼い主としてみれば、変なおばさんが自分の犬に手を出すのを快いとは思わないらしい。
たいてい慌てて呼び戻されて、失敗に終る。

その場所は少し周囲よりも高くなっていて、いつもならそこを通るのに、今日はその周囲の下の小道を歩いて行った。
桜並木と少し高い広場の間の、昼間でも日がささないような場所を歩いていたら、ふと、後ろに何かの気配を感じて振り返った。
振り返ったら目の前に、さっき、私を追い抜いていった男が真後ろに迫っていた。

私は物に動じないというか、鈍感というか、その時はあらさっきの人だわくらいの気持ち。
それでも警戒心は強い方で、とっさに辺りを見回すと、誰もいない。
それで真正面から彼の顔をじっと見た。
男は、こちらに一瞬近付いたけれど、救急車のサイレンが公園の外の道から聞えたのでチラッとそちらを見て、くるりとUターンをして走り去った。
単にジョギングならさっきしたように追い越していけばいいのだし、しかも、さきほど追い越したのにまだ此処に居るというのも変。

服装は黒か紺で、足元はおよそジョギング用とは言えない、白い薄いズックの靴。
しかも追い越すなら私の脇を通るはずが、真後ろにいたのもおかしい。
明らかに狙われていたらしい。
薄暗がりで、たいそう「若造り」な小柄な女性、女子中学生(小学生)とでも思ったのかしら。
それともお金でも持っていると思ったのかしら。

以前スキー場で私は、たぶん小学生に間違えられた。
板を取り出そうとロッカーにいたら、急に両肩に手を掛けられて「ごめんね、ちょっと板をとらせてね」と若い女性の優しい声。
その時の私は、縁に猫の編み込みのある帽子を被っていた。
後ろから見れば、ちょっと肥満児の小学生に間違えるのは、無理もない。
これで後ろを振り返って顔を見せたら、その女性は腰を抜かしかねないから、じっとしていた。

今日の公園でも、可愛いキャスケットを被り、年の割には早足で、おまけに暗くて顔が見えないとあれば・・・
危うくなにかの餌食になったかも知れないけれど、尻尾がすでに7本も生えている狸だから平然とした態度で見返したのと、すぐ傍に交番と病院があって、サイレンが鳴っていたことなどが幸いしたと思う。
しばらく男の後ろ姿を睨んで立っていると、2,3人、自転車を押してくる人がいたのでほっとした。

足早に公園を抜けて外の道路に出た時、身体に異変が起きた。
足が前に進まない。
ひどい疲労感のようなものが、足を動かなくさせている。
一歩・・・又一歩・・・ようやく家にたどり着くと吐き気がした。

怖いという気持ちはなかったのに、身体がショックを受けていたようだ。
それとも若いフリしてTシャツ1枚、アンダーも着ないでの薄着。
寒さのせいだったか。
とにかく無事でよかった。

あの男性が悪い人だったかどうかは分からないけれど、明らかに挙動不審ではあった。
単に他人をひどい目に遭わせたいという欲望を持った人なら、相手は美人でも若くなくてもいいのだから。
時々危ない目に遭うと、必ず無事に切り抜けられるのは、誰かが守ってくれているらしい。
ダイビングで溺れかけ、エジプトで迷子になり、モンゴルでは落馬、チベットで高山病、その他大病も数回。
それでも怪我もせず、無事に生きながらえて笑っていられるのは、憎まれっ子何とやら?















4 件のコメント:

  1. あらら、気をつけてくださいな。 散歩だったら大金を持っているとは見えないでしょうし、小柄な女性を狙ってくる男性いますからね。
    (デカくてよかったぁ)

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  2. たぶん子供だと思ったのでしょう。
    半年ぶりくらいに同じドレスを着たら、裾を引きずるようになりまして、又縮んだようです。同じ靴に合わせてあるので、半年前にはまだ大丈夫だったのに。

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  3. 歳とると、いろんな変化ありますよね。私も股関節の問題で、左右の脚の長さがちょっと違ってきて歩きにくくなってきてます。ま、仕方ないですね。

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  4. 今ならまだ手の施しようがありますよ。整形外科で見てもらって下さい。
    身体のゆがみは内臓にも響きますよ。
    よくないぞう・・・なんて。

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